妹に撃たれない方法   作:Brooks

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ChatGptが出力した結果を見て正直何だこのラブコメと思いました。


第134話 家に来た少年、月で待つ機体

 

サイド7の朝は、まだどこか工事の匂いがする。

 

壁の向こうで資材が運ばれ、遠くで金属を打つ音が続いている。その中で、エドワウの家だけは、妙に静かだった。

 

玄関の前で、アムロは一度だけ立ち止まった。

 

手に持った荷物は多くない。必要なものだけを詰めた鞄ひとつ。だが、その重さよりも、この扉の向こうに入ることの方が重かった。

 

ノックをしようとして、少し迷う。

 

その前に扉が開いた。

 

「来たのね」

 

セイラだった。

 

自然な声だった。待っていた、というより、来るのが当たり前のような調子だ。

 

アムロは一瞬だけ言葉を探し、それから短く言う。

 

「……うん」

 

「入って。靴はそこ」

 

セイラはそれ以上は何も言わず、当たり前のように背を向けた。

 

中へ入ると、空気が少し違う。

 

他人の家だが、どこか整いすぎていない。人が住んでいる温度がある。

 

ミライが台所から顔を出した。

 

「あ、来た来た」

 

手を軽く振る。

 

「ごはん、もうすぐだから。その前に荷物置いちゃいな」

 

「部屋は決めてあるから」

 

言い切る口調だった。

 

アムロは少し戸惑いながら頷く。

 

「……はい」

 

そのやり取りを、少し離れた位置からエドワウが見ていた。

 

声をかけるタイミングが、わずかに遅れる。

 

「……来たか」

 

結局、出たのはそれだけだった。

 

アムロはそちらを見て、同じように短く返す。

 

「うん」

 

それで会話は終わる。

 

妙にぎこちない。

 

セイラもミライも自然に動いているのに、その間だけ空気が少し引っかかる。

 

ミライが振り返る。

 

「エドワウ、そこ邪魔」

 

「ああ」

 

言われてから動く。

 

その様子に、セイラが小さく笑った。

 

――――――

 

最初の数日は、会話が続かなかった。

 

食卓に座っても、必要なことしか言葉にならない。

 

「それ、取って」

 

「うん」

 

「味どう」

 

「……普通」

 

それで終わる。

 

エドワウは何か話題を振ろうとして、妙に理屈っぽい話を選んでしまう。

 

「今日、建設区画の搬送路で――」

 

そこで止まる。

 

違う、と自分で分かる。

 

アムロは黙って聞いているが、話の先を求めている顔ではない。

 

セイラが自然に話を変える。

 

「今日、外どうだった?」

 

「風、強かった」

 

「そう。洗濯干すのやめてよかった」

 

そのくらいの会話が、いちばん落ち着く。

 

三日目の夜。

 

アムロは廊下の端で、配線のカバーを外していた。

 

エドワウがそれに気づく。

 

「何してる」

 

「ここ、接触悪い」

 

アムロは振り向かずに言う。

 

「たまに電圧落ちてる」

 

エドワウは少し近づき、配線を覗き込んだ。

 

確かに、端子の一つが甘い。

 

「……よく気づいたな」

 

アムロは肩をすくめる。

 

「音で分かる」

 

エドワウは工具を差し出した。

 

「貸せ」

 

アムロは少し迷い、それから受け取る。

 

手つきは慣れていた。

 

無駄がない。

 

「そこ、締めすぎるな」

 

エドワウが言う。

 

「次に外す時に潰れる」

 

アムロは一瞬だけ手を止める。

 

それから、ほんの少しだけ緩める。

 

「……これでいい?」

 

「ああ」

 

短いやり取りだった。

 

だが、そのあとでエドワウは一言だけ付け足した。

 

「上手いな」

 

アムロは顔を上げた。

 

ほんの少しだけ、警戒がほどける。

 

――――――

 

一週間ほどして、ようやく会話が会話になった。

 

エドワウはふと考える。

 

ニュータイプだというのに、分かり合うのに時間がかかるものだ。

 

いや、違う。

 

気配だけ先に分かるから、言葉の距離を測るのに時間がかかるのかもしれない。

 

相手の輪郭が曖昧なまま、手だけ先に届く。

 

それが、かえって面倒だった。

 

アムロは、その面倒さに、ようやく慣れ始めていた。

 

――――――

 

サイド7の会議室。

 

壁の外では、まだ建設機械の音が響いている。

 

その中で、エドワウはテーブルの向こうに並ぶ自治組織の面々を見ていた。

 

「結論から言います」

 

声は落ち着いている。

 

「サイド7は中立を宣言するべきです」

 

空気が一度、止まる。

 

誰かが小さく息を吐く。

 

「連邦軍の駐留を前提にしたままでは、自治は成立しません」

 

「ここは軍の前進拠点ではなく、民間のコロニーとして外に示すべきです」

 

反論が来る。

 

「では、軍が抜けたあと、誰が守る」

 

「治安はどうする」

 

エドワウはすぐに答える。

 

「港湾の警備はルシファー側で引き受けます」

 

「搬送路の巡回も同様です」

 

「重要区画の出入管理は、すでに民間側で回せる体制を組んでいます」

 

「緊急時の初動も、専任のチームを置きます」

 

机の上に資料を置く。

 

「サイド6での運用実績です」

 

視線が動く。

 

数字と配置が現実を持つ。

 

「軍がいなくても回る形は、すでにある」

 

エドワウは言い切った。

 

「問題は、決めるかどうかだけです」

 

沈黙が落ちる。

 

やがて、誰かが小さく頷いた。

 

――――――

 

同じ頃。

 

別の場所で、別の話が進んでいた。

 

連邦側の人間は、資料を前に黙り込んでいる。

 

机の上に並ぶのは、議会の不正、利権の流れ、名前。

 

エドワウはそれを指で軽く叩いた。

 

「こちらは、表に出さないつもりです」

 

静かな声だった。

 

「サイド7の件が円満に整理されるなら」

 

相手は何も言わない。

 

言えない。

 

エドワウは続ける。

 

「駐留の理由は、表向きにはもう薄い」

 

「無理に残せば、別の問題が表に出る」

 

短い沈黙。

 

やがて、相手が視線を落とした。

 

「……段階的に引き上げる」

 

それで決まった。

 

表では自治尊重。

 

裏では、握られて引く。

 

血は流れない。

 

その代わりに、いくつかの名前が静かに消えた。

 

――――――

 

「月へ行く」

 

エドワウが言った。

 

アムロは顔を上げる。

 

「……月?」

 

「お前も来る」

 

少しの間。

 

「なんで」

 

「会わせる」

 

それだけだった。

 

セイラはすぐに理解した。

 

「お父さんに、ね」

 

アムロは少しだけ黙る。

 

ミライが笑う。

 

「行ってきなさいよ」

 

「顔見せないと、あとで面倒になるわよ」

 

軽い調子だが、背中を押している。

 

アムロはゆっくり頷いた。

 

「……うん」

 

――――――

 

月へ向かう航路。

 

窓の外に、サイド7が遠ざかっていく。

 

アムロはそれを見ていた。

 

「でかいな」

 

ぽつりと呟く。

 

エドワウが横を見る。

 

「工場はもっとでかい」

 

「街を飲み込む」

 

アムロは少しだけ眉を寄せる。

 

「兵器より先に?」

 

「兵器はあとから乗る」

 

短い会話。

 

だが、前より自然だった。

 

――――――

 

アナハイム・エレクトロニクス、月面区画。

 

扉が開く。

 

テム・レイが振り向く。

 

一瞬だけ、視線が止まる。

 

「……来たのか」

 

アムロは短く返す。

 

「うん」

 

それで十分だった。

 

ナガノが横から覗き込む。

 

「へえ」

 

「この子が」

 

エドワウは一歩引く。

 

場を邪魔しない。

 

――――――

 

機体が、そこにあった。

 

まだ完成ではない。

 

だが、形はすでにまとまっている。

 

一号機だけ、頭部に細いアンテナが立っている。

 

観測と試験のための突起。

 

それ以外は、奇妙なほど整理されていた。

 

アムロは足を止める。

 

強そう、ではない。

 

無駄が少ない、と思った。

 

動きが詰まっていない。

 

最初から、その形になるように決められている。

 

そんな印象だった。

 

テムは何も説明しない。

 

ナガノも口を閉じている。

 

アムロは自分で見る。

 

その横で、エドワウだけが動かなかった。

 

――GP01Fb。

 

心の中でだけ、そううなる。

 

アクシズで見た記録。

 

あの時代の、完成形の一つ。

 

それが今、まだ“ガンダム”の名で立っている。

 

口には出さない。

 

今は、それでいい。

 

「……よく、ここまでまとめた」

 

それだけ言う。

 

テムが少しだけ視線を上げる。

 

ナガノが、分かる人間には分かるのだという顔をする。

 

アムロは機体を見上げたまま、動かない。

 

初めて見るはずなのに、どこかで見たような気がする。

 

理由は分からない。

 

だが、目が離れなかった。

 

その瞬間、まだ誰も知らない何かが、確かに始まっていた。




アナハイム・エレクトロニクスなのでGP01が出来てしまった。反省は誰もしない。
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