全くありふれてない職業HEROは地上最強【完結】 作:びよんど
〝神〟「バカぁぁぁぁなんでもうちょっと足止め出来なかったんだよエヒトのアンポンタァァァァァァァァァン(涙)」
エヒトさん「無茶言うな」
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「こ、こんなもんでいいよね……?」
「……大丈夫、お墓まで作ったから問題ない」
タハハ……なら問題ないよな!うん!
あっどうも、俺は〝最高〟のヒーローことキングです。
俺と金髪美女のアレーティアは現在、額の汗を拭いながらかつての〝ライセン大迷宮〟の前で一仕事を終えた解放感に浸っていた。
何をしていたのかって?……そんなの決まってる。
「自動的に作動するタイプの
「……ん、どちらかと言うと罠の解除に手間取った」
エヒトルジュエごと神域を消滅させた際、どういうワケか立ち往生していたミレディさん。
魂そのものが抜け落ち、文字通りの抜け殻と化した彼女のゴーレムの体を日当たりのいい場所に埋葬した後、適当にブッ壊した大迷宮の後片付けを行ったのだ。
もう誰も立ち入らないから放置しても良かった?
……そこはね、気分の問題よ。
死者への弔い……などと聞こえはいいが、つまるところ
その人の遺産や遺志を引き継ぐのか、あるいは引き継がず新たな生き方を模索するか。
……自分の気持ちに整理をつけるためにも、死者への弔いは必要不可欠なんだよ。
まぁ今は単純に申し訳なさが勝るんだけどねぇ……。
それはそうと、出来る限りの準備は済ませとくか。
「指輪よ指輪、ジェノスの居る場所を教えてちょーだい」
「……ジェノスって誰?」
「俺の一番弟子さ。後で紹介するよ」
……よ〜しよしよしよし、繋がったぜ。
「あー、こちらキングこちらキング。ジェノス聞こえているか?どうぞー」
『師匠?……師匠ですか!!?ご無事ですか!!?どちらにおられるんですか!!?』
「俺は無事さ。いま異世界にいる。そっちの状況を簡潔に教えてもらえるか?……まぁもしかしなくても失踪扱いだろうけど」
『……分かりました。可能であれば小一時間ほどもらえればありがたいのですが……』
「……20文字以内に簡潔に纏めなさい」
一応釘は差しといた。
マジで話が長くなりそうだから念のためにね?
「……状況は把握した。こっちは君を目印に生徒の子達を順次転送するから、君は協会に生徒達の保護を要請してくれ。あと、サキ氏にもすぐ戻るとだけ伝えといて」
『了解です。……ご苦労おかけします』
「いいのいいの。ちょっとしたバカンスだったと考えれば悪くない数日間だったよぉ。……じゃ」
ジェノスとの念話を終了する。
……やれやれ、一難去ってまた一難だなぁ。
「……話は終わった?」
「ん?あぁ、まあね……」
「……問題発生?」
「向こうでね。……まぁそれはさておき、これで後腐れなく王国に行けるな」
「……ん「まっ、待ってたもれ!!」……ん?」
ぶわっ!!?ぺっぺっ!!土煙が目と鼻と口に入った!!
一瞬真っ黒なドラゴンが見えた気がしたけど……まさか、そんなまさかだよね……?
「……ケホッ、ケホッ、いったい何……!?」
「す、すまぬ……何分急いでおったのでな。それよりお主ら、ここにおるということは
「「 …………………アレ? 」」
「この大地の裂け目から、極大の光の柱が天を貫かんばかりに現れたであろう!!?その光の柱が消失したと同時に〝神域〟すらも消え去ってしまったのじゃ!!」
「えっと、それ、俺がやりました」
「いいや、神域だけではない!!そこに君臨する神の気配すらパタリと止んでしもうた!!素直に喜ぶべきじゃろうが問題は誰がそんなことを―――えっ?」
「……ここに〝神殺し〟を成した
「名はレイタロウ、
「えっ、えっ、えっ……( ゚д゚)ポカーン」
真っ黒なドラゴン、もといティオ・クラルスさんの話を要約するとこんな感じだ。
・彼女は、ある目的のために竜人族の隠れ里を飛び出して来たらしい。
・その目的とは異世界からの来訪者について調べるというもの。詳細は省かれたが竜人族の中には魔力感知に優れた者がおり、数日前に大魔力の放出と
・竜人族は表舞台には関わらないという掟があるらしいのだが、流石にこの未知の来訪者の件を何も知らないまま放置するのは自分達にとっても不味いのではないかと議論の末、遂に調査の決定がなされたそう。
・そしていざ出立!……という時に緊急の知らせが届く。それは、大地の裂け目から天に突き上げられる光の柱を、同胞が予知してしまったというものだ。
真っ黒なドラゴンから黒髪金眼の着物美女に成ったティオさんが当時の状況を苦々しく説明してくれる。
「恐るべき光景を見たと、その者は半狂乱になりながら報告してくれた。……なるほど確かに、実際にその光を目にすることで心底思い知らされたのじゃ……」
体とデケェ
……パ、πが気になって話が入ってこねぇ……。
「このトータスを大気に至るまで震わした爆裂音と、お主の体から今も発せられている音はどう聞いても同じじゃ。ということは、お主の〝神殺し〟の言に嘘偽りはないということ。……レイタロウ殿」
「……はっ!?は、はい!?」
「竜人族を代表して礼を申し上げる。よくぞ我らが仇敵エヒトルジュエを打ち倒してくれた……!」
「……礼は受け取っておきます。でも結局のところ、排除しなくちゃならない障害だったから排除しただけで、ぶっちゃけこの
無責任極まりないけど、エヒトルジュエを倒したことでこの世界の人間にどんな影響が及ぶか分かりっこないし、仮に分かったからといって、そこまで世話を焼く義理はないと思っている。
もしかしたらエヒトルジュエが抑止力となることで他の異世界からの侵略を未然に防いでいた、なんてこともあったかもしれないし、今となってはどうしようもねぇ。
「……妾にとって、父と母の仇であるエヒトルジュエを打ち倒してくれた、その結果だけで十分なのじゃ」
「そりゃあ……どうも」
「それに、神に縋らねば立ち行かぬ国や組織などいっそ滅んでしまえば良いのじゃ。そのような点にまで気を配っていたら〝神殺し〟など実現できなかったやもしれぬ」
「……同意」
ティオさんの言葉にアレーティアがうんうんと頷く。
……やれやれ、反論しようがないねぇ。
「そこで相談なのじゃが……〝神殺し〟の英雄として、ぜひともお主らを里に招待したいのじゃ」
「あ、結構です」
「……右に同じく」
「そ、即答とな……!?」
竜人族の隠れ里……余裕があれば行ってみてもいいかもしれないけれど、そんな余裕はないんだよなぁ。
「生憎予定が立て込んでましてね……指輪よ指輪、トータスにいるA市立高校の生徒・先生の居る場所を教えてちょーだい」
「なっ、なんじゃその指輪!!?……計り知れない大魔力が込められておる……!!」
ティオさんのリアクションを無視し、頭の中にハジメ君達の位置情報をインストールしていく。
……ほー、今ハジメ君はアイコ先生と一緒に馬車に乗っているのかぁ。
悪いねハジメ君、君の異世界生活は終わりだよん。
「あー、聞こえているか皆?……キングだ」
『『『『『 キ、キングさんッ!!? 』』』』』
兎にも角にも、まずは全員に念話を送って無事を伝える。
当然、アイコ先生をはじめとした生徒一同は、頭の中に直接響く俺の声にびっくらポンだろうけれども、そんな反応は分かりきっているためスルーして本題に入る。
「急で悪いが、君達を元いた世界に転送する」
『『『『『 ッ〜〜〜!!? 』』』』』
「転送先にはS級ヒーローのジェノスが待機している。君達は彼の指示に従って行動するように。……大切な持ち物とかは後で纏めて転送するから、君達は着の身着のままで問題ないよ」
『分かりました―――って、景色が変わった!?』
『ちょま―――俺トイレ中なのにィィィ!!』
『帰れたんだ……私達帰れたんだ……!!』
『ありがとうキングさーん!!』
『やったー!やったー!』
『やっぱりキングさんは凄いや……!』
『A市立高校の生徒達だな?……俺はジェノス、キング師匠の命を受けてお前達の警護を引き受けた者だ。身体検査と事情聴取のため、一緒にヒーロー協会まで来てもらう』
……よしよし、これでコウキ君以外の全員を元の世界に送り返すことが出来たゾイ。
次いで、回線をジェノスのみに絞って念話を送る。
「ジェノス、俺のほうで一人の生徒の身柄を
『確か……〝ネオヒーローズ〟が介入して有耶無耶になった事件と記憶しています。証拠物も根こそぎ回収されて訴えることもままならないと……』
「その彼の記憶を読み取って分かったことだが、生徒達の中にネオ所属の子が一人いる。名前はエリ、黒髪眼鏡の地味めな女の子だ。……いま映像を送った」
『……彼女はどのように絡んでいるのですか?』
「殺人教唆、証拠隠滅……軽く挙げればこのくらいだが、なんとか理由をつけて彼女を拘束してくれると助かる。ネオを無力化する足がかりにしておきたい」
……え?
彼女に限らず生徒の子達全員が天職やら魔力やらを手に入れて元の世界にいた頃よりも脅威的になってるからジェノスが危ない?
……
単純な実力差でもだが、元の世界に転送する際『気』を媒介に
現在のハジメ君達は魔法も魔力もない無力な一般人。
そんな彼彼女らがS級のジェノスに敵うはずもない。
そしてそれは、
『了解しました。……また後ほど』
「うん、よろしく頼むよぉ」
これで大体の課題はクリア出来たかな?
後は―――そうだそうだ、アイツらを忘れちゃいけねぇ。
……ふぅ、連続で使うと流石に疲れるなぁ……。
「指輪よ指輪、エヒトルジュエの
「ッ!!?……レ、レイタロウ殿?だいぶ魔力を消耗しておるようじゃが大丈夫なのか……?」
「今のところは大丈夫ですよ。……っと、コイツは」
「……どうしたのレイタロウ?」
「……エヒトルジュエの眷属で今も生き残っているのは二人。一人は王国で聖女になりすましているノイント、そしてもう一人は魔人族の国で魔王をしているアルヴヘイトって奴なんだけど……」
「……レイタロウ?」
「そのアルヴヘイトって奴、ディンリードさんと瓜二つ、というか同一人物なんだよね」
「………ッ!!」
アレーティアの無表情が一瞬にして憤怒に染まる。
俺の言葉を聞いただけで大方の事情を察したのだろう。
自分の幸せを願って未来に託した最愛の叔父が、最も屈辱的な方法で殺されたのだと……。
アレーティアの判断は早かった。
「……レイタロウ、その二人は私に殺らせて」
「手助けは……欲しくなさそうだね。いいよ」
残り二つの神代魔法(〝
決して、決して激おこぷんぷん丸なアレーティアが怖くて近付けないワケではないのだ。……ホントだよ?
「ッ、ここは、いったい……!!?」
「何なのだ、次から次へと!!?」
いまだ聖女姿のノイントと困惑の色を隠せずにいるアルヴヘイトのお取り寄せ完了。
ホントしみじみ思う、瞬間移動マジ便利。
「レ、レイタロウ殿?……妾もう何が何だか分からないのじゃが。せめて説明してたもれ―――」
「夢空間 展開」
アレーティアの邪魔はしない。
けど相手に逃げられたりしたら事だからね。
異空間に閉じ込めておくくらいのことはするさ。
『これで誰も逃げられない。……アレーティア、思う存分暴れるといいよ』
『……ん、愛してる』
『レ、レイタロウ殿ォ……』
流石に放置しすぎたか。
ティオさんが完全に置いてけぼりを食らっているなぁ。
いや、置いてけぼりを食らってるのは向こうも同じか。
『アルヴヘイト様、これはいったい……!!?』
『わ、私に聞くなノイント!!神域どころかエヒトルジュエ様の反応すら消失して………………ま、まるでワケが分からん!!』
『おい』
『『 ひっ……!!? 』』
事情説明くらいはしてあげようかなーなんて思っていたら、すぐ隣からドスの利いた低い声が発せられ、慌てふためくノイントとアルヴヘイトを制止させてしまった。
『私はユエ、
『………あれ?アレーティア?』
『そして、お前達を殺し真の自由と幸福を手に入れる女だ』
……い、いかん、最近ボケてきてるのかな?
アレーティアってば有ること無いこと言わないでよもー!
『藻掻き、足掻け。……すぐに死んだら許さない』
……俺は一つ、学びを得た。
フラストレーションが爆発したアレーティアには、何を言っても意味がないということを。
トゥンク『♡……な、なんじゃ?なぜ急に胸がときめいてしまったのじゃ……?』
『……しーらない』
アレーティアなりのケジメをつけるための戦い、もとい蹂躙劇が幕を開けた。
ヒトやモノに触れた時点で肉体が自動的にその対象の解析を進める特異体質をキングさんは宿しています。
加えて進化や退化を自在にコントロールできるため、好きな時に好きな能力や記憶を引き出せます。
七つ揃えた神代魔法については、あまりにもイレギュラーすぎる方法で入手したこともあり、概念魔法をアーティファクトにした際に一旦はキングさんの肉体から消失しています。
何事もなかったかのように再習得しましたが、よほどのことがない限り神代魔法を使うことはないでしょう。
……既に神代魔法の神髄を〝武術〟として編纂し、キング流気功術に組み込んでいるからです。
次回、真のラストです。
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