後半の怒涛の展開、あなたはついてこれますか……?
『(何だと言うのだ……一体何だと言うのだ……ッ!?)』
彼の視線の先にいたのは、傍らに控えるノイント共々こちらを射殺さんばかりに睨みつける金髪の美女アレーティア(と、後方にて突っ立っているキングとティオ)の姿。
『(突然エヒトルジュエ様と神域の気配が消えたと思ったら見知らぬ場所……いや、此処はライセン大峡谷か?にいて、気が付けば周囲の色彩まで変わって……ま、まるでワケが分からん……ッ!!)』
アルヴヘイトは生まれた瞬間から完成されていた。
絶対にして唯一の神であるエヒトルジュエに
自分に楯突く者には死を、自分に従う者には支配を。
自分が負ける可能性など、それこそ生みの親に反逆しない限りあり得ない。
玉座の上でふんぞり返っていた独りよがりの王は―――
『……怖い?』
……生まれて初めて感じる〝敗北〟の可能性に、焦燥と恐怖の感情を隠すことが出来ずにいた。
アレーティア、もとい
『ち、近寄らないでください……ッ!』
アルヴヘイトとノイントが一歩退く。
アルヴヘイトを庇うように前方に躍り出たノイントが警告を発するが、その声色は震えていた。
エヒトルジュエに直接生み出され、恐怖をはじめとした様々な感情を抑制された戦闘人形であるノイント。
彼女がここまで声を震わせること自体、まずないと言っていいだろう。
それはイレギュラーな事態に対する不満か、あるいは
『……安心して。私はエヒトルジュエみたいにお前達を
笑った。
それは敵を前にして牙を剥くような獰猛な笑みでは断じてなく、さながら天上の神に仕える天使の、見る者全てを魅了する慈愛に満ちた微笑みであった。
先程までの殺伐とした雰囲気との温度差もあってか、アレーティアの微笑みは自分達の全ての罪を赦す神の慈悲に感じられ、アルヴヘイトとノイントはアレーティアから目を離すことが出来ずにいた。
そして、ようやく気が付いたアルヴヘイト。
目の前にいるユエと名乗った金髪の娘、肉体的に成長していて最初は分からなかったが、よくよく見れば
アルヴヘイト、この期に及んで好機を見出す。
依り代に使った男、ディンリードの魂魄・自我は自身の魂魄に押し潰される形で消滅した。
『ぁ、ぁあ、アレーティア。こんなにも美しくなって……私はお前を誇らしく思うよ。ディンリード・ガルディア・ウェスペリティリオ・アヴァタール。お前の叔父、つまり私の名前だ。よもや忘れたワケではあるまい……?』
しかし、ディンリードが今まで辿ってきた人生や経験は記録としてしっかりと保存されている。
『……ディンリード叔父様』
故に、打つ手は限られるがこの方法が最も効果的であると確信していた。
それは―――肉親の情に訴えかけるというもの。
……アレーティアは微笑んだままだ。
『あれから300年以上も経つのか。……お前をエヒト神の魔の手から逃すために封印という手段を取らざるを得なかったこと、あれは苦渋の決断であったが恨まれても仕方のない非道な仕打ちでもあった』
ノイントは固唾を飲んで見守っている。
ここで上手く立ち回ってアレーティアを無力化することが出来れば、
穴が空いたように消失した神域。
……それは消失したのではなく、
『(……であれば、真っ先に狙うべきは彼女。イレギュラーと呼んで差し支えない彼女を始末すればこの異空間は解除され、私達にかけられている幻覚もまた……!!)』
自分達の主が気が付いたら消失していたなど、ノイントやアルヴヘイトからすれば悪夢そのものだ。
だがしかし、覚めない夢はない。
だからお願い、覚めて――――――
……アレーティアは変わらず微笑んだまま。
『エヒト神を倒すための準備も仲間も揃った。お前もかつて以上に強くなった。……さぁ、共に神を倒し世界を救い出そう!!この異空間を解いてくれ!』
耳障りの良い言葉を並べ立て、必死になってアレーティアを説得するアルヴヘイト。
……その時だった、先程まで笑顔のまま沈黙を貫いていたアレーティアが初めて口を開いたのだ。
『……ディンリード叔父様』
『な、なんだ!?アレーティア!!?』
『さきにお詫びを。……この異空間、いえ〝夢空間〟は、私が発動したものではありません』
『なっ、えっ……!!?』
おかしい。
それは流石におかしい。
これほど広大で強力な異空間の発動・維持、技量は当然ながら膨大な魔力量も要求されるはず。
アルヴヘイトとノイントを除いた場合、周辺には三人の男女しかいない。
一人目はアレーティア。
彼女の単純な魔力量はノイントを遥かに超え、アルヴヘイトの足元にすら及んでいる。
二人目は着物を着た黒髪金眼の女。
魔力の形質から見て彼女は竜人族の生き残りであると考えられるが、単純な魔力量はノイントにも及んでいない。
三人目は特徴的な髪型の大男。
……この男からは
所詮は見た目だけと言ったところか。
結論、アレーティア以外にこの異空間を発動できる人材は近くにはおらず、アレーティアの発した言葉は
『……ディンリード叔父様。私は幸せ者です』
井の中の蛙達に構うことなくアレーティアは言葉を紡ぐ。
その時、アルヴヘイトは気が付いた。
アレーティアの笑顔の裏に隠された感情……絶望を乗り越えて手に入れた喜びと幸福、それに裏打ちされた涙ぐんだ声色を。
『この300年余り、暗闇の只中で絶望することにすら飽いていた私にとって、叔父様への恨み憎しみは生きる糧でもありました』
『ア、アレーティア……』
『でも、それはもう良いのです。……叔父様は愛ゆえに私を暗闇に封じ込め、エヒトルジュエの魔の手が迫らないように自らを
『お、おぉ!分かってくれたのかアレーティア!』
『……ディンリード叔父様、いえ、お父様。私は間違いなく、あなたの娘でした。それだけは誰にも否定させない。異論を挟ませない』
『アレーティア……!私もお前を実のむ―――』
『 だ ま れ 』
瞬間、アルヴヘイトの頬を掠めるように黄金の閃光が
神たるアルヴヘイトの超越した動体視力をもってしても捉えられなかったその閃光は、既にその役目を終えたのかアルヴヘイトが振り向いた頃には影も形もなくなっていた。
『っ、ノイ、ン、ト……?』
肉親の情に訴えかける作戦は失敗に終わった。
それならば、リスクは高いがノイントとともにアレーティアを攻撃するほかない。
振り向きざまにノイントに指示を下そうとしたアルヴヘイトは、そこで信じられない光景を目撃する。
ちょうど自身の右手前方に立っていたノイント。
……彼女がいたであろう地点には、
チンダル現象とも、
次いで気付いてしまった。
……やけに右腕側が軽いと。
『ひぎゃぁああああぁぁあ私の腕がぁぁぁ!!?』
『……〝
アレーティアの罵倒に構う余裕など、もはや微塵も残されていなかったアルヴヘイト。
こうなってしまった以上、取れる手は一つしかない。
『アルヴヘイトの名において命ずる!〝動くな〟!!』
虎の子の〝神言〟を切り、直後空間魔法を使って
『?……??……???』
しかし、ここで問題が起こる。
空間魔法を使ったというのに、ちっとも神域への扉が開かれないのだ。
焦燥を募らせるアルヴヘイト。
ふと、肩に手を置かれた。
『……おうちはこっち』
〝神言〟によって縛られていたはずのアレーティアが、怖気が走るほどの満面の笑みを浮かべながらアルヴヘイトを向き直させ、思いっきり顔面をぶん殴ったのだ。
哀れ、アルヴヘイトの端正な顔立ちはアレーティアの鋼の如き拳骨によって大きくひしゃげることとなる。
眼球は半分飛び出し、鼻骨はクッキーのように粉々。
前歯は歯茎ごと吹き飛ばされ、大半は胃の中に消えていった。
殴られた衝撃はその程度に留まらず、勢いそのままに何度も無様に地を転がり回り、岩壁に激突してようやく停止するに至る。
『っっっ〜〜〜!!!(そんな、馬鹿な、私の〝神言〟に抵抗したというのか、こんな小娘が……ッ!!?)』
必死になって攻略法を考えるが、それを待ってくれるほど現在のアレーティアは寛容ではなかった。
ズカズカとアルヴヘイトの元に近付くアレーティア。
変わらず微笑みを湛えていたが、先程までと比べて
『……お前が叔父様でないことくらい知ってた』
突如、アレーティアの体から黄金色の瘴気が漏れ出る。
瘴気は瞬く間にアレーティアの全身に纏わりつき、覆い尽くしてしまった。
『……せめて、叔父様のご遺体だけは丁重に葬りたかった。この世界に残った、数少ない繋がりだったから』
さながら繭のように纏わりついた瘴気の内側からアレーティアの言葉は続く。
心なしか、いつもの声色と比べてエコーがかかったような底の知れない禍々しさを孕んでいた。
『……やめだ。叔父様はもういない。
瘴気が晴れ、アレーティアの全貌が露となる。
そこにいたのは―――
『さあ、伏して拝むがいい。……
……黄金に身を包みし
あっちゃー、いきなり〝変身〟するのかアレーティア。
勝ったな、よし風呂入ってくる……って、風呂ねぇわ。
『レ、レイタロウ殿?……彼女は、いったい……?』
『ティオさんと同じですよ』
『は?』
『ティオさんが竜に変身するように、アレーティアも
『ひ、人を超えた存在って……何に?』
『…………………………………………………さぁ?』
流石に〝神〟じゃないと思うけどね。
何せあの変身姿、
『〝天灼〟ゥゥゥ!!!』
あ、手から雷を出してアレーティアを攻撃しだした。
アレーティアから貰った顔面崩壊パンチのダメージも癒えてるようだし、
『いかん!!加勢せねば グイッ な、なんじゃ!!?』
『加勢の必要なんかないですよ。……だってホラ』
無傷。
金色の竜みたいな人獣に変身したアレーティアには、雷による傷どころか埃一つ付着していない。
あらゆる意味で、綺麗なままだ。
『ど、どういうことじゃ……!?』
『簡単な話ですよ。アレーティアは今
『い、いない……?目の前におるではないか!』
『ええ、アレーティアは確かに
『……?……??』
『
次元超越とでも言えばいいのか、現在アレーティアの
こっち側からは勿論アレーティア側からも……と言いたいところだが、なんとアレーティア側からなら普通に物理干渉することが出来るのだ。
『うぁぁああああじね"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"!!!』
国際色豊かな……じゃなかった、様々な属性が込められた色とりどりな魔法がアレーティアめがけて放たれ、そのことごとくが無に帰す。
お返しと言わんばかりにアレーティアが指を差すと、次の瞬間アルヴヘイトの左足が不自然なまでに変形しだし、スルメイカ並に圧縮されてしまった。
片足を失ったことでドチャッと顔面から着地する。
『ひぎゃ、ぎゃぴぃぃいいいいだぁぁあいぃぃ!!?』
『……喧しい』
おっかねぇ……(震え)
圧壊した左足の激痛とアレーティアの絶対零度の視線で完全に正気を失ってるじゃないッスか……。
一応俺が別次元にいるアレーティアの〝目〟の役割を果たすことでこの絶対性は成り立っているワケだけど、わざわざこんなことをするまでもなく素の実力で勝てたな。
……止め時、だな。
『アレーティア、そろそろトドメを刺してやりなさい』
『……もっと苦しめてから』
『言うて君、魔力があとちょっとで切れるでしょ?復讐を楽しむにしても自分の限界は弁えなきゃねぇ?』
『うっ……分かった』
バツが悪そうな表情を浮かべ、渋々といった様子で俺の指示に従うアレーティア。
本来次元超越は奥の手であり、副次的に獲得した重力制御能力を駆使して距離を問わずオールラウンドに戦う戦闘スタイルがメインなのだ。
ちなみにさっきの顔面崩壊パンチ、重力制御能力を応用して自身の拳に大質量(約5トン)を付与し、実際の肉体能力以上の破壊力を生み出している。
アレーティア本人の力だからか、その質量で自身が押し潰される心配もない。
まさに至れり尽くせりだねぇ。
『っっっ〜〜〜、流石に限界のようだな小娘!!神である私にここまでの屈辱を味わわせたことを心の底から後悔させながら殺してや―――』
『〝壊天〟』
重力制御能力を限界まで出力し、いまだ地べたに這いつくばっているアルヴヘイトを圧し潰しにかかる。
今は亡きエヒトルジュエに残されたたった一人の眷属。
その
『た、頼む、命だけは、命だけは助けろ、いや、助けてくださいッ!!』
事ここに至ってようやく自分の圧倒的不利を悟ったのか、アルヴヘイトは藁にも縋る思いでアレーティアの足元に近付こうとしていた。
さっき後悔させながら殺すとか言ってた癖に……。
ご覧なさいな、隣にいるティオさんですらトイレにこびりついたウ○コを見るような侮蔑の目を向けてるよ?
『あ、あっ、ま、待ってへぇ、待ってくれ!の、望みを言えっ。私がどんな望みでも叶えてやる!なんならエヒト様の下へ取り立ててやってもいい!私が説得すればエヒト様も無下にはしないはずっ。世界だはっ、世界だぞ!?お前にも世界を好きに出来る権利が分け与えられるのだ!だからっ、だから……ね?へっ、へへっ?』
もはや神としての威厳など欠片も感じられず、卑屈に笑うその様は物乞いにしか見えなかった。
あ、出力が上がった。
『ごばぼぼぼぼぼッ!!!止せっ、止せと言っているでしょ!神の命令だぞ!言うことを聞けへっ!いや、待て、わかった!ならば、お前の、いや、あなた様の下僕になります!ですからっ、ですからっ、もう止めっ、止めてくれぇぇぇぇ!』
……もう潰れたGにしか見えなくなってきたなぁ。
『……生きたい?』
『ぇ……ぁ……?』
『……生きたいかと、聞いている』
アレーティアの質問に一瞬呆けていたアルヴヘイト。
その意味を理解したのか瞳に僅かな希望が浮かんだ。
もはや再生に回す魔力すら枯渇し、半分死に体と化したアルヴヘイトは聞くに耐えない汚らしい声で叫ぶ。
『ぁ"、ぁ"あ"、い"ぎだい"っ"!!だの"む"!!な"ん"でも"ずる"ぅ"ぅ"ぅ"!!!』
『…………………………………そう』
アレーティアはコクリと頷いた。
生き延びた!などと思ってそうな喜びの表情を浮かべるアルヴヘイトに、アレーティアは少し寂しげな瞳を向けて口を開いた。
『……私も、叔父様と一緒に生きたかった』
『え?プチッ
不快な羽音を立てながら飛ぶ蚊を
台所をカサカサと駆け回る
無際限の重力によってもたらされた熱量が、飛び散ろうとした血肉を一片残さず蒸発させていく。
後に残ったものは、クレーターのみ。
ディンリードさんの肉体も、薄汚い
「夢空間解除っと―――大丈夫かアレーティア?」
「……ん」
「……胸くらいなら、貸してあげるよぉ?」
「……大丈夫」
土砂降りの雨降らないかなー?って
こういう時は、大人しく俺の胸に抱かれてなさい。
アレーティアの顔を無理矢理俺の腹筋に埋めた。
結果、俺の肌着はびしょびしょになってもうた。
「……もう行ってしまうのじゃな」
ティオさんが寂しげに俺―――に背負われているアレーティアをチラチラと見ている。
俺のことはどうでもいいってことなんですね?
泣いちゃおっかなー。
泣いちゃおっかなー!!
「えぇ、この世界に居る理由もなくなりましたから、このまま
「……レイタロウ♡」チュッチュ♡
ちなみになんでアレーティアが俺に背負われているかというと、単に魔力切れと疲労の蓄積が原因だ。
俺の場合変身し続けても特にこれといったデメリットはなかったけれど、アレーティアの場合心身にかかる負荷がデカすぎて長時間変身を維持することが出来ないのだ。
万全のアルヴヘイトくらいなら倒せるだろうけど、エヒトルジュエくらいともなると最終的に変身を維持できなくなって敗北するというのが俺の予想だ。
まぁ、よくよく考えればそうだよな。
リミッターを破壊するために狂気的な筋力トレーニングを積んできた俺と封印を解除されて間もなく筋トレをさせられたアレーティアとじゃ、明らかに肉体的な強度が違う。
結論を纏めるとだ、今後のアレーティアに要注目ぅ!
……アレーティアや、俺のうなじにチュッチュするのやめなさーい。
「お主のことを最後まで理解しきることは出来なんだが、それでもこれだけはハッキリ分かったのじゃ。……英雄は実在する、とな」
「……光栄ですね」
「とはいえじゃ、エヒトルジュエ亡き後のこの世界、どうなってしまうことやら……」
「ん?そこら辺も抜かりありませんよ?」
「……は?」
「俺、神域を破壊したって言ったじゃないですか」
「そうじゃな。最初は嘘かと思うたが……」
「そこで手に入れたエヒトルジュエに関する諸々のスキャンダルを、各国の要人の頭の中に直接送りつけてやりましたよ。当然洗脳とかは解いた上でね」
「…………は?」
「勿論、
「………………は?」
「まぁこれだけやっても戦争が終わるかどうか分からなかったので、最後に一言メッセージを添えてあげました」
「……聞きたくないが、聞いておこうかの……」
「懲りずに戦争を続けるようなら、一発ブチかましに来るゾ☆ってね?」
……あれ?ティオさん動かなくなったねぇ?
まぁいいや、別れの挨拶は済ましたし、このまま帰還しますかねぇ。
「それじゃあ、また!」
「もう、来ないでたもれ……」
ティオさんが何か言おうとしたタイミングで俺とアレーティアが元の世界に転移してしまったため、結局何を言いたかったのか分からずじまいになってしまった。
でも俺には分かる。
ティオさんはきっと、こう言いたかったに違いない。
また来てたもれ、と。
……地球がヤバい予言を何とかしたら、休日にトータスへ遊びに行くのも悪くないなぁ。
キングが去った後のトータスの話をしよう。
メチャクチャ掻い摘んで説明すると、
何を思ったのか亜人族の国であるフェアベルゲンとも対等な関係を築こうとする国が続出し、その中でもヘルシャー帝国は亜人奴隷を即刻解放し祖国へ移送する支援まで行ったことで親密な関係を築くに至っている。
奴隷制度そのものを廃止しようという世論の高まりを受けて、各国で前向きな検討が行われている。
中立商業都市フューレンに巣食っていた闇の組織の一斉摘発も時間の問題であろう。
聖教教会の信仰する神は依然としてエヒトのままであるが、以前と比べて敷居の低い、謂わば万人に好まれる宗教へと少しずつ形を変えていた。
まだまだ書き記さなければならないことは沢山あるが、当面の間、世界の平和は続きそうである。
……何故か5kg以上もの減量に成功した各国の要人が多数目撃されているが、些細な問題である。
<<< A市 ヒーロー協会本部 >>>
「ただいまジェノス」
「師匠……ご無事で何よりです」
「ここは……協会本部だね」
「はい、そうです」
「ここは変わってないな……」
「それほど時間も経っていないので」
もう何十年も会ってないみたいな雰囲気を醸してるけど、実際数日そこらしか経過してないのよねぇ。
それでもこの胸にくる感動はなんだろう?
これが喜びって奴かなぁ……?
「それはそうと師匠、背中にいるその女は……?」
「あぁ、彼女はアレーティア。異世界の旅の道中で出会った強い仲間だよぉ」
「……あなたがジェノス?」
「……そうだが」
「……私はレイタロウの愛人にして一番弟子」フッ
「なんだと……ッ!!?」
「……私は誰にも負けない。……あなたにも」ニッ
「上等だ、誰が師匠の一番弟子か教えてやる……ッ!!」
「コラコラ、こんなところで喧嘩しないの」
こんなところで焼却砲をブチかますより、もっと大事なことを話さないといけないでしょ?
それはそうとアレーティア、君もう元気ピンピンなのはお見通しなんだからさっさと降りる!
「ジェノス、そちらに送った生徒達の容態はどうだ?」
「問題はありません。メタルナイト主導のもと精密検査を行いましたが、何の異常も発見されませんでした」
「オーケーオーケー、後で俺とアレーティアも精密検査を受けるから、その前に一つ聞かせてくれる?」
「何なりと」
「さっき念話で話してくれた
「承知しました」
俺の聞き間違いでなければ、こいつは更なる厄ネタの匂いしかしないんだよねぇ……。
「師匠が異世界に転移した、そのほぼ同時刻にT市の2区で謎の〝門〟が発生。門から未知の敵対勢力が現れ民間人を多数死傷させるという大事件が起きました。俗に〝2区事件〟と呼ばれるこの事案は、国防軍とヒーロー協会が連携して対処に当たるという決定が成されています」
それ見たことか、やっぱり厄ネタだったよぉ。
はぁ、憂鬱だぁ……。
完結すれどまだ終わらせない……。
それともここで終わらせるべきか……。
悩みまくりますが、次回作のプロットは頭の中にありますのでボチボチ書いていこうと思います。
アンケートありがとうございました!
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