目指すは頂点!シュラの道~ゲームの世界に転生したので最善√で最強になります~   作:RKtomousumono

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#2 先輩!先輩じゃないっすか!

第一階層から一度ギルドに戻って・・・というか、戻らざるを得ない。

何かしらの『ジョブ』についていないとダンジョン側から探索者として認められずに、魔物への攻撃はおろか採取もすることができない。

そのために『職業広場』、ハローワークだな。

DALだとそこに行くまでの道でイベントが入るんだが・・・

 

「なぁおい、今依頼(クエスト)管理所の方から出てきたのって・・・」

「あぁ。『鉄鋼』の皆さんだ・・・!流石に下層まで踏み入れてるだけはある。オーラがもうちげぇな!」

 

本来ここで起こるイベントは、元『鉄鋼』のペップとコウクの二人組から絡まれるというイベントだ。

ちなみにペップはコウクの弟分的存在でタンク。コウクは『鉄鋼』のリーダーでゴリゴリのアタッカー。

かつての探索者たちはペップのことを『見た目詐欺』、コウクのことを『モーニングスター先輩』と呼び、もてはやしていた。

主人公である『ダンジョンに愛されし子』が生まれてから、各ダンジョンの動きが活発になっている。そのダンジョンの下層に潜って、生還することができる。

この世界の住民からしたら英雄に近い存在である。

ちなむとプレイヤー達からは

 

「なんであの構成で57階突破できたのかわからない。やっぱりアイアンピックか?」

「正直言ってこのゲームはどれだけ早くアイアンピック先輩をパーティーに入れられるかが分水嶺してる。マジで『物理』『刺突』『殴打』の複合が通常攻撃で行えるの強すぎ」

「別にペップ単体でも優秀なんだけど・・・その体躯で『機敏な戦闘』と『狡猾な策略家』のカテゴリ持ってるの詐欺でしょ。ストーリー読めって?・・・そりゃ当然でしょ」

 

とか言われている。RTAでは初遭遇してから次に迷宮に潜るまでは同じ場所にいるから、『盗む』を連打して代名詞にもなっている『アイアンピック』を盗み取って攻略を開始する。*1

ただ、ゲームでは『鉄鋼』は既に解散していて、二人とも初心者にダルがらみ(しているように見えてダンジョンの危険性を教えつつ、同業者にもこんな感じの悪い奴いっぱいいるから気をつけろと注意)するようになってしまっている。

それにしても、これが全盛期の『鉄鋼』パーティーか・・・

コウク、メインジョブはDALと変わらなければ『過重戦士』。戦闘中、防御力が実質0になる代わりにその数値を攻撃に追加することができる。*2

ペップ、同じくであれば『要塞戦士』。戦闘中に不動の姿勢をとることで防御力がゲーム内で二番目に高い値になる。*3

軽装の女性、推定『盗賊』・・・いや、中級職の『シーカー』かな?*4

重装の女性は間違いなく『聖騎士』。回復もできるし壁にもなれる。*5

最後の一人は『司祭』かな?バブデバフと回復がメインの人気職。プレイヤーの結論はデバフで弱らせてバフ持って杖で殴るだった。

 

「おい、お前」

 

おっと。アイアンピック先輩から話しかけられてしまった。余りジロジロ観るもんじゃなかったな。

とりあえず軽く謝罪して、さっさと初級職選ばなくっちゃ。

仕様がそのままなら初級職各種はレベル30で最大値になるから、とりあえず『盾使い』、『剣使い』、『槍使い』、『僧侶見習い』、『薬師見習い』、『読書家』、『魔法使い見習い』・・・めんどくせぇ全部レベルカンストまで育てよう。ステータス補正とスキルがうめぇ。*6

 

「・・・何のために、ここに来た」

「珍しいっすね。兄貴がそこまで興味を持つだなんて」

「へぇ~・・・リーダーってあんな子が好みなの?」

 

え、職業広場に行く理由?現状の無職状態より強くなれるから?ダンジョンに認められないとどうしようもないでしょ?

そもそも俺が目指してるのは最強だし・・・そうじゃないとやりたいことできないし・・・。

アッ、凄味が強い、すみません生意気ですよね。

推しに睨まれちゃった・・・

 

――ちなみにこの後ちゃんとメインジョブ『盾使い』になった。最大で三つまで就けるサブジョブは適当。

 


Side:コウク

 

55層での素材集めを終え、エントランスに戻ったら、成人の儀*7の時期でもないのに新人が居た。

大抵は成人の儀が終わった後に各支部に向かい、探索者として登録をし、ジョブを就けて潜る。

だが、目の前の()()は一見成人の儀を終えているように見えるが、加護が見えない。つまるところまだ子供である。

 

「おい、お前」

 

流石に子供が迷宮に潜るのは不味い。確かに登録に年齢制限はない。だからと言って子供が勝手に潜ると親が心配するだろう。何より危険である。

もしかしたら狂った保護者が居て、そういうのに無理矢理やらされているのかもしれない。とりあえず声をかけてから考えるか。

 

「何のために、ここに来た」

 

後ろからペップとミュラが茶々を入れてきたが無視をする。

しばらくの沈黙の後、小僧が口を開いた。

 

「・・・強くなれるから。認められるため。目指すもののため。やりたいことをやるため」*8

 

その声には確かな決意があった。

口を閉じて、何事もなかったかのように職業広場に歩いて行った。

 

「・・・俺も、始めはあんな顔をしていた」

 

まるでかつての自分が、活を入れに来たかのようだった。

 

「テメェら。もっかい潜るぞ。更新に行く」

「えっマジすか兄貴!?今から!?」

 

あの小僧の名前は知らん。だが、そのうち下で会えるだろう。

今から楽しみだ。

*1
略称『スチールスティール』

*2
物理型中級職では最高火力を誇る。中級職では二番目の火力。使い勝手はこっちの方がいい。

*3
ゲーム内最高防御力はこれの上位職。だが、単体防御しかできないので最強防御論争は終わらない。

*4
探索に振り過ぎた職業。マルチでは誰か一人はシーカー系列に就いていないとピタゴラトラップで即死までがテンプレ。

*5
中級職の中で最も就職必須職業が少ない職業。『汎用でwiki並びにRTA未履修のプレイヤーが付く中級職』で『はみがき職』に分類される

*6
各職業のステータスの一定値並びに一部スキルは他職業でも使用可能。

*7
毎年八月ごろに行われている、15歳になった子供に"加護"と呼ばれるものを与えるための儀式のこと

*8
流石に自分の心の中身全部話すわけにはいかないので端折りました。端折り過ぎ。




・小僧(シュラという名前で将来的に修羅になる男)
まだ14歳である。

・コウク(鉄鋼のリーダー)
最強の兄貴分。ファンも多い。

・ペップ(鉄鋼の参謀)
ふくよかな見た目で明らかに重量級だが、サブジョブで敏捷を底上げしているため素早い。
因みに瘦せるとイケメンになる。

・ミュラ(鉄鋼のシーカー)、アテナ(鉄鋼の聖騎士)、ペティ(鉄鋼の司祭)
ゲーム本編では出てこなかった。第80層のエリアボスである『とてもわるいスライム』によって壊滅。子種を植え付けられ、子供を産ませてそのまま子供の養分にした。
因みに上層部は1から30、中層部は31から60、下層部は61から90、深層部が91から100。100層から下は深淵部または未開地と呼ばれる、DLCである。
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