VRMMOで美少女アルバイター   作:灰無りよ

4 / 7
・ログアウト中のエリュークさんの様子
・エリュークさんの好感度の上げ方
・キャラクター紹介
の三本立てです。とても短いです。


幕間1

 一日の営業を終え、完売した商品の仕入れや在庫追加を行い、細々と作業を済ませたエリュークは、住居の二階にある一室へ足を踏み入れた。

 部屋の中は真っ暗だが、エリュークの瞳にかかればどうということもない。来客用として整えたまま、特に家具が追加されているわけでもない簡素な造りだ。特徴としては、エリュークの身長に合わせてあるため天井が随分と高いくらいか。

 

 音を立てぬように気を付けながら────意味がないと知りつつも────備え付けの寝台へ向かう。

 横たわっているのはひとりの少女。艶やかな黒髪に、今は閉じた瞼で見えないが、美しい緑色の瞳に黄色の虹彩を持っている。名前はラナカ。来訪者である。

 

 エリュークはインベントリから椅子を取り出すと、寝台の脇に置いて腰掛けた。そのまま特に何をするわけでもなく、ただラナカの寝顔を見ている。

 これはラナカを雇ってから毎夜行っているルーティンであり、エリューク自身危ない行動だとわかっているのでラナカに告げたことはない。一応弁解しておくと、誓って眠る彼女に何かをしたことはないし、ログアウト中のラナカの体は位相がズレ(不干渉処理がされ)ているため、そもそも干渉はできない。

 …………ログイン中に寝てるだけのときは干渉できるが、何もしていない。見ているだけである。

 

 まあそもそもこの行為を明かされたとて、ラナカが大きなリアクションを返すことはないのだが。彼女は既にエリュークに全幅の信頼を預けているので。

 

 エリュークはラナカの顔を見つめながら、「あと一日」と考える。あと一日で、再会できる。

 待ち遠しくて、早く起きてほしくて、あと寝顔が可愛いので、こうしてついつい眺めてしまう。

 

 これまで覚えたことのない感情だった。

 ここまで自分が他人に入れ込むとは、と時々首を傾げてしまうほどだ。ただ、全くそれが嫌ではないのが面白く、愛おしいところだった。

 

 エリュークはこれまで人との深い関わり合いを避けてきた。唯一の例外は同郷からの腐れ縁たちくらいである。

 種族としての性質と、個人としての気質、それに巡り合わせが合わなかった。救いとしては、ひとりでいることに全く拒否感がなかったことであろうか。

 広く浅く何でもできた彼は、ひとりで生きていくことも難しくなかった。今では小さな店を構えるほどになり、そしてひとりのアルバイトを雇った。

 

 ラナカ。

 エリュークにとっては庇護すべき対象であり、生まれて初めて愛しいと思った相手。嘘をつかず、素直で、エリュークに引かず、常に向上心を持ち続ける少女をどうして愛おしく思わないだろうか。いや、思わないはずがない。

 

 ラナカさんにあげたいものがまた出来てしまった。

 エリュークは手のひらで銀のアクセサリーを転がした。今までにあげたブレスレットも、指輪も、バレッタも、エリュークが手ずから作ったものだ。

 エリュークの種族にとって、己の作り上げた装飾で愛しい人を飾ることはこの上ない幸福なのである。

 

 中でもブレスレットと指輪…………というより、それについている黒い石はまた強い意味を持つのだが、今のところエリュークの中では深い意味はなかった。

 人生で初めて装飾をあげたいと思った相手に、距離感を全く考えずあらゆるものをプレゼントしているだけなので。簡単に言えば浮かれきっているだけである。

 

 ラナカを見つめる。位相がズレて今は呼吸することのない少女は、ただ眠るように横たわっているだけだ。

 行きたいところ、やりたいことがふわふわとエリュークの脳内で彩られる。そこにラナカがいるだけで当然のように幸福で満ち足りた気持ちになるだろう。

 

「待ってます、ラナカさん」

 

 エリュークは待つことしかできない。

 何故なら彼は住民(NPC)だから。来訪者(プレイヤー)とは住む場所が違うのである。

 理解しているが、それでも寂しいものは寂しい。

 

 だから彼は眺める。

 夜毎の数十分間、ラナカが目覚めることを祈って。

 

 満足したエリュークは椅子をしまって、部屋を後にした。

 明日の営業のためにも早めに寝ないといけない。

 何事もなく仕事を終えたら、次の日にはラナカが戻ってきているはずだから。それを何よりも心待ちにして、ラナカのいない(彩りのない)日々を過ごすのだった。

 

 

 

【エリュークさんの好感度の上げ方】

 ①ログインしてから嘘をつかない。エリュークの瞳からは嘘が好ましく見えないため。

 ②メリダに紹介してもらう。人との関わりが基本住民しかないエリュークの中で唯一来訪者と関わりが深いのがメリダであるため。

 ③自分の意見をはっきり言う。エリュークの瞳は遠慮されると好ましく見えないため。

 ④褒める。エリュークは直球の好意に弱いため。

 ⑤頑張る姿勢を見せる。エリュークは努力をする人に弱いため。

 ⑥エリュークに引かない。エリュークは距離感がバグっているため。

 

 これを全部クリティカル出したのがラナカちゃんです。

 

 

 

【キャラクター紹介】

 

 ・ラナカ(来訪者)

 普人族。黒髪に緑目(黄色虹彩)の美少女。

 身長160cmくらい。年齢は16歳くらいに見える。

 中身は男。老若男女問わず美形が好き。

 エリュークの造形・性格・これまでの関わり全てがクリティカルヒットしたため、彼に会うためにゲームにログインするようになった。

 

 ・エリューク(住民)

 ??族。紫がかった長い黒髪。顔面を前髪で完全に隠しているため素顔は不明。額に小さな結晶のような黒い角が2本生えている。爪も黒い。男性。

 身長200cmくらい。年齢は20代半ばくらいに見える。

 ラナカにベタ惚れしているが、比較対象がないため自分ではそこまで自覚していない。

 

 ・メリダ(住民)

 妖精族。金髪の美人。耳が長く尖っている。女性。

 冒険者ギルドの受付をしており、中でも来訪者専門。ラナカがチュートリアルでお世話になった。




続きは未定です。
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