リタニア王国にスタンの敗北とグレンの裏切りが知れ渡って一ヶ月…魔王軍の猛攻はより苛烈さを増し、リタニア王国は刻一刻と追い詰められていく一方だった。
現在、リタニアは親衛騎士アリアと湖の騎士ランスロットの2人を中心とした防衛戦線によって護られており、幾度となく魔王軍と衝突。しかし、激しい攻防を繰り返し、防衛戦線は疲弊していく一方。
魔王軍の中でも特に脅威とされている者は3人。
兵士たち「うわぁぁ!?」
バスカー「グワッハッハッハァ!!弱い!弱すぎる!!所詮ゴミどもの抵抗なぞ、この程度よ!!」
まず、更なる力を得て復活した、魔王改め邪神バスカー。彼はスタンとの死闘の後、一度死の淵を彷徨ったが、回復するために闇の力を蓄え、その過程で邪神としての力を身につけたという。当然その力は強力無比。少なくとも現在、邪神として覚醒したバスカーを打倒できるような戦士は、リタニアには存在しない。
03「ディフェンスモードキドウ!!」
ガキン!!
マナナール「グレン…、本当にもうそっち側なんだね。なら、遠慮はしないよ!」
グレン「フン、精々足掻いてみせろ。」
次に、王国の裏切り者である霧雨の将グレン。後に判明した事だが、彼は将軍となる前に既に国を一つ滅ぼしていたらしく、その功績により今の将軍という地位を得たとのこと。この事実に対しリタニアの戦士達は、言葉を失ったという。
そして、最後の一人は……
ランスロット「ぐあぁぁっ!?」
アリア「ランスロット!!……一体どうしちゃったのよ…。目を覚まして!!スタン!!」
スタン「……。」
闇に堕とされた王国の戦士、紅蓮の騎士スタン。彼はグレンから無理矢理与えられた闇の力をものにしており、その圧倒的な力で王国の戦士を蹂躙していった。変わり果てた彼の姿を見たマナナールは「ボク達と旅をしていた時よりずっと強くなっている」と語っており、絶望に打ちひしがれる者も多かった。
スタン「理想を謳うだけの光などまやかしだ…この闇の力こそが真実だ…!」
ランスロット「クッ…スタン…本当に変わってしまったんだね…!いいだろう!力づくでも、君を止めてみせる!!超EXで行くぞアリア!躊躇ってる暇はない!!」
アリア「わかった!お願い…止まって…!フォトンピアースラッシュ!!」
ドドドドドドドドッ!!
ランスロット「俺も続くぞ!パーフェクト…エッジ…ハリケーン!!」
ザクザクザクザクッ!!
アリア「ハァァァァっ!!」
ランスロット「これで…終わりだ!!」
ドォォン!!
ランスロット「はぁ…はぁ……やったか?」
スタン「………光の力など、所詮この程度。」
アリア「ウソ……これでも倒れないなんて……!」
スタン「全て…消し去る…!虚無の終焉…!!」
ドガァァンッ!!
ランスロット「く…くそ…俺は…まだ……」ドサッ
アリア「す…スタン…お願い…こんなこと…もう……」ドサッ
スタン「……。」
グレン「スタン、そっちは終わったようだな。オレのほうも、つい先ほど片付いたところだ。バスカー様を追い詰めただけあって、少々手こずりはしたがな。」
マナナール「う…うぅ…ダメだ…強すぎる……。ボク達が束になっても敵わないなんて…。」
03「キノウ…テイ…シ……。」
バスカー「ほう…どうやら厄介な奴らは始末できたらしいな。…にしても驚いたぞ。まさか此奴にここまで闇の力の適正があったとはな。もう完全に使いこなしておるではないか。」
グレン「それに関しては、私も正直驚いています。無理矢理にでも闇の力を与えた甲斐があったというものです。」
バスカー「そうか…。なぁグレンよ、闇の力に手を染め、自らの故郷を滅ぼす気分はどうだ?存外悪い気はしていないのではないか?」
グレン「……えぇ。これも、私の理想の世界を実現するためです。さあ行きましょう。リタニア王国陥落は、もう目の前です。」
バスカー「あぁ。そうだ…な!!」
ガキィン!!
バスカーに斬りかかったのは、他でもない、闇に染まったはずのスタンだった。
スタン「…あ…あぁ……お…オレは…まだ……。」
バスカー「ほう…まだ闇の力に抗うほどの気力が残っていたとはな。どこまで退屈しないやつよ。」
グレン「えぇ。そうですね。そして……」
ヒュンッ
グレン「オレはスタンの意識がお前の前で戻りかける、この時を待っていた。」
ガキィン!
直後、グレンもバスカーに斬りかかる。
バスカー「貴様ァ…なんの真似だ?」
グレン「魔王軍に入る時に話したな。オレには理想の世界があると。それを実現するために圧倒的な力が必要だと。オレの理想の世界とは……お前のような邪悪が存在しない、平和な世界だ!!」
バスカー「貴様、さては最初からこのつもりで我が軍門に降ったな!?」
グレン「皮肉なものだ…!闇に手を染めて漸くお前と互角に戦えるとはな!!そして闇に染まったことで、お前と同じ土俵に立てるようになったのは…オレだけじゃない!!」
ガキィン!!
スタンは闇に侵されながらも、口を開きグレンに加勢する。
スタン「グ…グレン……信じてた…ぞ……。」
グレン「……やめてくれ。お前をこんなにしてしまったんだ。お前にそんなことを言われる資格はない。」
スタン「でも……全部、バスカーを倒すために…やったんだろ…?だったら…とても辛かっただろ…?」
グレン「あぁ……そうだな!!」
ザンッ!!
バスカー「ぐおわぁ!?…チィッ!!貴様らァ!!このバスカーを嵌めた罪は高くつくぞ!!この一撃でリタニア諸共、跡形もなく焼き滅ぼしてくれるわ!!」
グレン「スタン、オレに合わせろ!!次で決める!!」
スタン「あぁ…わかった…!!」
バスカー「業火よ飲み込め!天地丸ごと焼き尽くしてやる!!滅べぇ!燎原の業火ァァ!!」
ゴゴゴゴ…
グレン「迎え撃つ!!
スタン「貴様の運命は…変わらない…!!無限の…終焉!!」
バシィィン!!
スタン・グレン「「行けぇぇぇぇぇぇ!!!!」」
ビシ…ビシ…バキィィィン!!
2人の剣が、バスカーの一撃を打ち砕く。勝負は…既に決した。
バスカー「何!?我が最大の一撃を真っ向から破るだと!?」
スタン・グレン「「これで…終わりだァァァァァ!!!」」
ズバァァァァァッ!!
2人の渾身の一撃を受け、バスカーは力尽き倒れ、灰となって崩れていく。
バスカー「は…ハハハハ……まさか、このバスカーが、貴様らのような奴らに出し抜かれた上に、破られるとはな……。」
スタン「お前の支配も…ここまでだ。……諦めろ!」
バスカー「あぁ、そうだな…今は負けを認めよう…だが覚えておけ!邪神は何度でも蘇る…貴様らを潰す時が来るのが楽しみだァ…ハッハッハァ……」
サァァァァ…
バスカーは灰となって消えていった……
グレン「何度でも来るがいい。その時はまた、オレ達が相手になろう。」
アリア「スタン…グレン…?もしかして、2人がバスカーを…?」
グレン「あぁ。まぁそんなところだ。」
スタン「迷惑かけて…すまない…アリア…」
マナナール「まったく…ホントだよ!正直さ、もっとやりかたとかなかったわけ!?」
スタン「マナナール……」
ランスロット「彼の言うとおりだ!オレカ界イチのイケメンであるこの俺なら、もっとスマートなアイデアを考えていたぞ!」
マナナール「イケメンと関係あるの、それ…?」
アリア「ねぇ、2人とも。…またリタニアに戻る気はない?」
スタン「……ごめん。オレはみんなを傷つけたんだ……。悪いけど…リタニアには戻れない。」
グレン「同意見だ。仮に戻ったとしても、国家反逆罪で処刑は免れないだろう。これからはそうだな……罪滅ぼしの旅にでも出るとしよう。」
アリア「そう…なのね…。」
スタン「…心配するな、いつか必ず、戻ってくる。それまではアリア、ランスロット。リタニアを頼んだ。」
アリア「……えぇ!任せておいて!!」
ランスロット「承知した!君たちの分まで、リタニアの平和は守ってみせよう!」
スタン「フフッ…頼りにしてるぞ!」
そうして、スタンとグレンは旅に出た。
公には、バスカーはアリアとランスロットが倒したことになっており、今では王国の人気者だ。噂では、ランスロットのファンサがリタニア王国の名物になったのだとか。しかし、アリア達は忘れてない。闇に堕ちてもなお、正義の心だけは失わなかった2人の勇者がいたことを。
……彼らの旅路を見守るように、赤いゼノドラゴンが2人の頭上を飛び去った。
序章 完
パンドラ「よう!ここまで読んでくれて、ありがとな!これにて序章は読了だ!」
パンドラ「いやー、グレンが裏切ってスタンが闇堕ちさせられた時はヒヤヒヤしたぜ……。でもあそこまでされても、スタンは最後までグレンを信じてたんだよな。スタンが本当にグレンのことを心の底から信頼してた証拠だな!」
パンドラ「さて!これでリタニアに平和が戻ったわけだが、オレカの物語はまだ始まったばかりだ!次の物語が読みたくなったら、またここに来てくれ!何なら、今すぐ出かけてオレカをプレイしたって構わないんだぜ?」
パンドラ「それじゃあオマエら、また会おうぜ!またナー!!」