前回、アンカーに救出されたトリトとマヨリ。
そしてマヨリの過去を知ったアンカーは、マヨリに試練を与える。果たして、マヨリはアンカーに覚悟を示すことはできるのか…。
早朝、海岸にて…
アンカー「来たな。一応聞くが、心変わりとかはしてねぇだろうな?」
マヨリ「あぁ。妾の気持ちに変わりはない。何としても竜宮も、兄上も救ってみせるという思いは、本物だからな!」
アンカー「それが聞けて良かったぜ。じゃあ……」
ガァン!!
アンカー「始めるとするか…!ルールは簡単!俺に「参った」と言わせたら嬢ちゃんの勝ちだ。使えるもんは何でも使ってかまわん!遠慮はいらねぇ、俺を嬢ちゃんの兄貴と思って全力でかかってこい!!」
トリト「マヨリ!頑張れー!!」
マヨリ「では…行くぞ!!」
マヨリ「せやッ!!」
ガキィンッ!!
アンカー「効かねぇな!嬢ちゃんの決意はこんなもんか!?」
マヨリ「まだまだこれからだ!!逆波よ!」
ズバァァッ!!
アンカー「フンッ!!」ブォンッ!
バキィン!!
アンカーは錨で斬撃を相殺した!!
マヨリ「其方、中々やるな!」
アンカー「伊達に数十年戦い抜いてきてねぇからな!オラァ、次はこっちから行くぞ!!」
トリト「マヨリ!おっちゃんの錨を真っ正面から受けようとするな!何としても避けろ!」
アンカー「オルァァァ!!」
ドガァァン!!
マヨリは間一髪で避けた!
マヨリ「成程、あれを受けるのは危険だな…。だが、隙は大きいようだな!」
マヨリはアンカーの懐に飛び込んだ!
マヨリ「もらったぞ!」
トリト「マヨリ!おっちゃんに対してそれは駄目だ!!」
ズバッ!!
アンカー「成程な…隙が大きい相手には早いとこ懐に飛び込んで短期決戦か…。確かに正しい判断だ。だが……。」
アンカーはなんと、腹筋のみでマヨリの剣を受け止めている…!?
マヨリ「な…なんと頑丈な…!?」
アンカー「肉を斬らせて……骨を断つ!!」
マヨリ「…!?しまっ…」
ドグァァァン!!
アンカーの一撃が、マヨリの華奢な身体を波打ち際まで吹っ飛ばす。
トリト「マヨリー!!おっちゃん、もう少し手加減してやれないか!?これじゃあマヨリが…!」
アンカー「甘ったれたこと言ってんじゃねぇっ!!忘れたか?この戦いは嬢ちゃんの覚悟を推し量るもの!この戦いにおいて手加減ってのはなぁ、他でもねぇ嬢ちゃん自身に対する冒涜だ!!嬢ちゃんが全力で向かってくるなら、海の漢としてこっちも全力で応えてやらなきゃいけねぇ!!」
トリト「おっちゃん……。」
アンカー「おい嬢ちゃん!わかってるぜ?何か隠し玉があるだろ?最初に言ったぜ?使えるもんは何でも使っていいってな。いいぜ、使ってみろ。」
トリト「隠し玉…?まさか『深海の秘術』のことか…!?」
マヨリ「2人とも、察しが良いのだな。だがこれは……。」
アンカー「……怖いんだな、兄貴みてぇに二度と後戻りできなくなるのが。」
マヨリ「っ!?……どこまでお見通しなのだ、其方は…?」
アンカー「さぁな?…確かに、行き過ぎた力は己の身を滅ぼす。けどなぁ、嬢ちゃん自身の心でその力を御しちまえば、それは紛れもなく嬢ちゃんの力だ。」
マヨリ「妾の…力…。」
アンカー「あぁ、それにどちらにしたって兄殺しの十字架は背負うんだ。嬢ちゃんはもうずっと前から、戻れねぇ所にいるのさ。」
マヨリ「……。」
アンカー「ま、簡単にいえばどんな力も使い方次第ってところだ!さぁ、やってみな!」
トリト(おっちゃん、もしかして最初からマヨリの全力を引き出すために…?)
マヨリ「……。わかった。ならばお望み通り、妾も使わせてもらおう!」
そう言うとマヨリは、懐から青いツメを取り出す。
アンカー「そいつはまさか…。ブルードラゴンのツメか!?奴に会ったことがあるのか!?」
ブルードラゴン。北の大陸に生息するドラゴンの一体で、その姿を見たものは滅多にいないとされる。
マヨリ「あぁ。まだ兄上が乱心する前にな。海神様の儀式ということで力を示しに向かったことがあるのだ。深海の秘術とは、海神様の力を借り、潜在能力を引き出す我が一族の秘奥。兄上があの時使ったものは、闇の力で大幅にブーストしたものだったが……。本来の秘術の使い方、見せてやろうぞ!」
トリト「本来の…秘術の使い方……。」
マヨリ「……大いなる海神よ、妾に力を…与えたまえ!!ハァッ!!」
ゴォォォォォ!!
そう言ってマヨリが爪を掲げると、マヨリを炎の渦が包み込む。炎の勢いは、波打ち際の海水を蒸発させるほどだった。
マヨリ「うぅ…!あぁーっ!?」
トリト「ま…マヨリ大丈夫か!?すごく苦しそうだぞ!?」
マヨリ「止めてくれるなトリトよ!!このくらいなんとも……ない!!この荒ぶる炎の力…我が物としてくれよう!!」
トリト「マヨリ……。」
そう言うとマヨリは、全身を焼かれながらもその炎を制御しようとする。
マヨリ「ハァァァァ……ハァっ!!」
ゴォォッ!!
炎が振り払われるとそこには、クラスチェンジしたマヨリの姿があった。
トリト「マヨリ…その姿……。」
マヨリ「これが、兄上を止めるための力…。差し詰め、焔のマヨリと言ったところか。……では行くぞアンカーよ!ここからが本番だ!!」
アンカー「それが嬢ちゃんの覚悟だな!!いいぜ来な、嬢ちゃんの全力、真っ向から受け止めてやらぁ!!」
マヨリ「焔の御剣、とくと見るがよい!ハァァァァァァ!!」
ザザザザザザザザザ……!!
マヨリの剣は炎を纏って、アンカーを斬りつけていく。
アンカー(やればできるじゃねぇか……嬢ちゃん。)
マヨリ「緋焔連撃剣!!」
ズバァァァァァ!!
緋焔連撃剣の最後の一撃がアンカーに入り…アンカーは膝をついた。
アンカー「まさか俺が膝をつかされるとはなぁ……。いいぜ参った、俺の負けだ…。嬢ちゃんの覚悟、しっかり見させてもらったぜ……。」
マヨリ「か…勝てたのか…?」
トリト「やったなぁ!マヨリーー!!すげーぞその姿!!なんて言うか、すごくかっこよかったぞ!!」
トリトが無邪気に近づき、マヨリは少し頬を赤らめる。
マヨリ「と…トリトよ、少し近いぞ…?…だが、応援感謝する。ありがとう。」
トリト「へへっ!」
マヨリ「アンカーも、妾に稽古をつけてくれたこと、感謝しよう。」
アンカー「礼には及ばねぇさ。その力で兄貴に一発かましてきな!」
こうしてマヨリは、アンカーとの力試しの末、焔のマヨリとしてクラスチェンジ。決意を新たに、オロロソを救うことを決めるのだった。
アンカー「さて、少し休んだら、次はトリトの番だな?」
トリト「えっ!?俺もやるの!?」
アンカー「当たりめぇだろ?なんでお前を連れてきたと思ってんだ?見たところ、お前にはまだ成長の余地があるみてぇだからな、キッチリしごいてやるから、覚悟しな…?」
トリト「あー、えっとその……お手柔らかに…。」