何とか地下牢を脱出し、体勢を立て直すべく要塞の脱出を図るアラン達。
しかし、外には魔王アラキシュが待ち構えており、絶対絶命のピンチを迎えていた。
アラキシュ「まさかとは思うが、ワシの要塞に入っておいて生きて帰れるとは思っていないだろうなぁ?」
シャール「くっ…!」
アラン「アラキシュ。貴様、何のために砂縛の民から搾取を続ける?何故彼らに圧政を強いる?」
アラキシュ「ほう…水袋の分際でワシに意見か…。決まっておろう。全ては、この過酷な環境の中で『生きるため』だ。」
アラン「……は?」
アラキシュ「まだわからんか?この砂縛では少しの油断が命取りになる。当然、限られた資源も浪費していく。では、その資源がなくなった時、どうやって資源を手に入れるのか?答えは簡単だ。『持っている者から奪えばいい』。」
シャール「そんな身勝手な道理、通るとでも思っているのか!?」
アラキシュ「実際そうだろう?この過酷な環境で生きるには、それくらいはせんとまず生き残れん。ここに住む誰もが、自分が生きることで必死になっているからな。かく言うワシもそうだ。この極限環境の中でワシは生きるために死に抗い、奪い、僅かな命を啜って生きてきた。わからんか?ワシに限らず誰もがやっていることなのだ、これは。」
シャール「ふざけるな…!だからと言って、何の罪もない民から搾取して良い理由にはならないだろう!」
アラキシュ「まだ青いな…。良いか?この砂縛で生き残れるのは絶対強者のみ!強者であるためには、生きるためには『奪うための力』さえあれば良い!生きるために殺し、そして生きるなら支配する。… それだけよ!」
アラン「はぁ…わかった、もういい。貴様と話していても時間の無駄だ…!この場は押し通らせてもらう!」
アラキシュ「成程、理解できなかったのが残念だ。我が言葉に従わぬ者は滅ぼすのみ。理解できぬ者も滅ぼすのみ。貴様らも容赦なく殺してやろう!」
アラン(悔しいが、今のオレ達ではコイツを倒すのはまず不可能…。何とかして退路を見つけるしかない…。でなければ待っているのは……死だ。)
アラキシュ「では…ギアを上げるとするか…。グラトラクト・クエラプト!」
ドゴォォォン!!
アラン・シャール「「ぐあぁっ!?」」
アランシュ「どうした?まだまだこれからだぞ?」
アラン「くっ…予想はしていたが、ここまで力の差があるとはな…。フッ!」ヒュンヒュンッ!
キンキン!
アラン「防がれた!?あの両腕、どうなっている…。」
アラキシュ「確かにワシは機械達とは違ってほぼ生身だがな、この腕は機械仕掛け!貴様の啖呵なナイフなど役には立たんよ!」
シャール「なら背後からならどうだ!ハァーッ!!」
ズバッズバッ!
アラキシュ「うん?何かしたか?」
シャール「チッ!生身のところを攻撃しても結局これか…!」
アラキシュ「潰れろ!」
ドゴォッ!
シャール「ゴハッ!?」
アラン「シャール!無事か!?」
シャール「あぁ…なんとかな…。」
アラキシュ「もう一段階ギアを上げるか!グラトラクト・クエラプト!」
ドゴォォォォォン!!
アラン「ぐうぅっ!?」
シャール「アラン!?」
アラン「なんだ…?奴の攻撃、最初より威力が増しているような…!?」
アラキシュ「ほう、思ったより気づくのが早かったな?そうだ、ワシのグラトラクト・クエラプトは発動後にフルオートで力を増強していく技。つまり、ワシに対して持久戦を持ちかけるということは、自殺行為にも等しい愚行よ!」
シャール「参ったな…。戦闘センスもかなり高い…。しかも、安い小細工は奴には通用しない。まるで隙がないな……。」
アラキシュ「さぁ、ここからは耐久性テストの時間だ。ワシの攻撃にどれだけ耐えられるか、見ものだな…!」
アラン「くっ…。」
そして戦いは続き、アラキシュの圧倒的な力の前にアランとシャールは追い詰められていく一方。なんとか退路を見つけようとするも、アラキシュに何度も阻まれる。そして、2人の体力も底を尽きようとしていた…。
アラン「はぁ…はぁ…。」
シャール「だ…ダメだ…やはり強すぎる…。とても勝てそうにない…。逃げようにも逃してもらえない……。詰みか…。」
アラキシュ「ふむ…随分痛めつけたつもりだが…。成程、しぶとさだけは一級品のようだな。ではそろそろ…トドメを刺すとしよう。……はぁっ!!」
アラキシュが両腕を掲げると、突如として巨大な砂嵐が発生する。
アラキシュ「砂に還るがいい!オブリヴィナ・サンドストロム!!」
ゴォォォォォォ!!
アラン「ま…マズイ…避けれな…!?」
ドドドドドドドド!!
アランとシャール「「ぐぁぁぁぁぁぁっ!?」」
2人は砂嵐に巻き上げられ、どこかへと飛ばされてしまった。
アラキシュ「うん?吹き飛んでいったか。ここで徹底的に潰すつもりだったが、悪運の強い奴らよ。まぁ良い、ワシは更なる力を得るために、また奪い取っていくとするか…。ガッハッハッハァッ!!」
砂縛のどこか…
アラン「くっ…何もできなかった…。シャールは…くそッ逸れたか…。とことんついてない…な………。」ガクッ
そうしてアランは、自身の無力を嘆きながら、砂縛の真ん中で力尽きてしまった。