ピッ…ピッ…ピッ…
アラン「う…ここは……?」
???「おや、目が覚めたようだね。砂漠の真ん中で倒れていたから、介抱してあげたのだが…。あれから3日も寝たきりだったので、少し不安になっていたところだ。」
アランが目覚めると、そこは知らない天井。そして寝ていたベッドの側にはツギハギだらけの男がいた。
アラン「お前は何者だ?アラキシュの仲間か…?」
???「落ち着きたまえ。私はDr.フランケン、しがない医師だ。安心したまえ、君の味方だとも。」
アラン「…本当か?」
フランケン「あぁ。私は機械が人殺しの道具として使われているのが我慢ならなくてね。アラキシュに反抗する決意を固めたんだ。」
アラン「そうか…。そういえば、オレの他にもう1人いなかったか?帽子を被った男なんだが…。」
フランケン「さぁ…?私が見つけたのは、君1人だったよ。」
アラン「……そうか。(シャール、無事でいてくれ…)」
そうアランが心の中で案じると、ふと違和感に気づく。
アラン「一つ聞いていいか?オレのナイフを知らないか?あれはオレの大切な武器で……。」
フランケン「あぁ、問題ないよ。今、私の仲間が修理しているところだ。見たところ、かなりボロボロだったからね。案内してあげよう。」
言われるがままにフランケンについていくと、鉄を叩くような音が響く部屋にたどり着いた。
工房…
カンッ!カンッ!
フランケン「アンヴィル。ようやく目覚めたので、彼を連れてきたよ。」
アンヴィル「あ?なんか言ったか?仕事の邪魔だ!帰んな!」
フランケン「…すまないね。彼は少し気難しいんだ。直接言ってきたまえ。」
アラン「わかった。……オレはアラン!オレのナイフを直しているというのは、お前か?」
アンヴィル「ん?随分礼儀知らずなヤツだなテメェ…まぁいい。俺はアンヴィル、鍛治師アンヴィルだ。」
アラン「アンヴィル…聞いたことがある。数々の名のある武器を作ってきたと砂縛で有名な鍛治師だったか。」
アンヴィル「へぇ〜?俺もちったぁ有名になったか。ま、そんな名誉とかはどうだっていいがな。ところでお前さん、随分とボロボロだったそうだが…まさかアラキシュの野郎とやり合ったのか?」
アラン「そうだ。…結果は惨敗だったがな。」
アンヴィル「そうか…。でもアイツとやり合って生きて帰ってくるとはな。とんだ悪運の持ち主らしい。誇っていいぜ。アイツに挑んだ奴は殺されるか、一生奴隷にされるかの2択だからな。」
アラン「そうなのか…。奴にはとても勝てそうになかった。単純な強さもだが、機械のドラゴンや知略の前に、歯が立たなかった。」
アンヴィル「機械のドラゴン…ドラコマキナか。完成してたのか…。」
アラン「知っているのか!?」
アンヴィル「あぁ、知ってるも何も、アレの制作には俺も関わってるからな。ま、俺は途中で辞めたがな。」
アラン「……どういうことだ?」
アンヴィル「ハァ…この際だからハッキリ言うがな、俺は元々アラキシュの野郎の元で働いてたんだ。あの野郎、人使いが荒いのなんのって。んで、あの野郎のやり方に嫌気が差した俺はアイツの元を抜け出して、こうしてレジスタンスに加わったってわけだ。」
アラン「…そんなこと、簡単に信じられるとでも?」
フランケン「落ち着きたまえアラン君。彼は気難しくはあるが、熱いハートを持つ男でもある。ちゃんと自分の正義には忠実だよ。」
アンヴィル「おう、一言余計だがな。」
アラン「信じていいんだな?」
アンヴィル「おう、今だってお前のナイフを、アラキシュの野郎を倒せるような武器に作り直してるところだからな。」
アラン「アラキシュを倒せるような武器…。」
アンヴィル「正直、よくあんなナマクラであの野郎に挑もうなんて考えたもんだ。だから俺が鍛え直してやってる。任せときな!あの野郎を必ずギャフンと言わせるようなヤツを作ってやらぁ!」
アラン「感謝する。あとどのくらいでできそうだ?」
アンヴィル「そうさな…。3日間作業してっし、明日には完成すると思うぜ。明日もっかいここに来な。」
フランケン「とりあえず、今日はまだ安静にしてるといい。起きたばかりなのだからね。」
アラン「わかった。そうさせてもらおう。」
翌日…
アンヴィル「おう来たか!出来たぜ、コイツがお前さんのために鍛えた新作『千刃のナイフ』だ!」
アラン「千刃のナイフ…。」
アンヴィル「おう、コイツなら鋼鉄をも真っ二つ!あの野郎を負かすにはこれ以上とない武器だぜ?」
アラン「感謝する、ありがたく使わせてもらおう。」
こうして千刃のナイフを手に入れたアランは、もう一つアンヴィルとフランケンに頼み事をする。
アラン「…2人とも。奴と戦ったことがあるからわかるが、おそらくこれだけでは、ヤツを倒すのは難しいだろう。」
アンヴィル「なんだぁ?俺の作品にケチつける気か?」
アラン「そうじゃない。単純に戦力の話だ。2人に手伝ってもらうのはそうなんだが、おそらくそれでも奴には届かないだろう。」
フランケン「もしかして君、アラキシュを倒せるかも知れない算段があるのかい?」
アラン「ああ…一体だけ、心当たりがある。」