オレカバトル2 ストーリーズ   作:セッツァー

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第3章 第三話 月明かりに照らされて

前回、夜の湖にてナギはイスルとシナプスと出会う。

結構グイグイくるナギにイスルは少しめんどくさがりながらも付き合い、互いに友達となる。

そして、互いに強くなりたいという思いがあったことから、ナギは彼に特訓相手になってくれないかと模擬戦を申し込む。イスルもなんやかんや言いながらも、彼の特訓に付き合うことに。果たして、勝つのはどちらでしょうか…?

 

ナギ「よーし!準備できたか、イスル?ルールは簡単!どちらか一発でも攻撃を当てたが勝ちな!」

イスル「…言っておくけど、やるからにはボクが勝たせてもらうからな。」

ナギ「いいぜ!全力でかかってこーい!」

 

イスル「ならこちらから行かせてもらうぞ…!アクア!」

ナギ「おっとあぶね!」

バシャッ!

ナギはイスルの放ったアクアを難なく避ける。

イスル「ん…流石に単発じゃ避けられるか。ならこれでどうだ!」

ドドドドドドドド!

ナギ「よっ、ほっ、はっ!」

バシャバシャバシャッ!

イスルは連続でアクアを放つが、全てきれいにかわされた!

イスル「キミ、中々すばしっこいな…。全部避けるなんて…。」

ナギ「おっ、もう終わりか?なら今度はこっちの…番だ!」ダッ!

ナギはそう言うと、一瞬で距離を詰める。

イスル「なっ…!?いつの間に…!」

ナギ「もらった!」

イスル「舐めるな!」

キンッ!

イスルは持っていた杖でナギの攻撃を防ぎ、再び距離を置く。

ナギ「くぅー、惜しい!やるなイスル!」

イスル「き…キミこそ…。あと少し反応が遅れてたら、負けてたかもしれないな…。」

ナギ「へへっ、やるだろ?」

イスル「認めるよ。キミは強い。だけど、これはかわせるかな?」キィィィィ…

イスルは杖の三日月状の部分に魔力を込め、そして……

イスル「クレセント・リーパー!!」ヒュンヒュンヒュンヒュン…!

ナギ「うわっとぉ!?」ぴょん!

スパッ!

ナギは三日月状の魔力を飛んでかわすと、背後にあった木が切れる。

ナギ「危ないなー!死んだらどうすんだ!?」

イスル「全力で来いと言ったのはキミだぞ?まさか、怖気付いたのか?」

ナギ「ぬぐぅ…!そっちがその気なら、こっちもちょっとだけ本気出させてもらうからな!はぁぁぁぁ…!」

ナギが剣を掲げると、剣に風が纏わりついていく。

イスル「この気配…来るか!」

ナギ「行くぜー!突風刃!!

ビュォォォォ!

イスル「くっ…!」

イスルは咄嗟に杖で受けようとするが、目の前にナギの姿はない。

イスル「?…いない……?」

コツン☆

イスル「あっ…!」

ナギ「へへっ!これでオレの勝ちだな!」

イスルの背後にいたナギはイスルの頭を軽く剣で叩き、勝負を決めた。

イスル「まさか、ボクが一本取られるとはね…。キミ、中々やるじゃないか。」

ナギ「イスルこそ、魔法の使い方すごく上手だな!多分オレじゃなかったら何発か当たってたぞ?」

イスル「父上以外にそういうことを言われるのは、初めてだな。わかった、キミのことを少しは認めよう。よければ、また特訓とやらに付き合ってくれ。」

ナギ「いいぜ!なぁ、明日もこうして会わないか?今度は昼に!友達も増えるかもしれないぜ?」

イスル「…嫌だと言っても無駄だろうし、いいだろう。あっ、でもシナプスはここに置いていこうと思う。流石に目立つしな。」

シナプス「コォォォン…」

ナギ「わかった!じゃあまた明日会おうな!」

そういうとナギは再び森の中へと姿を消していった。

 

イスル「……ナギか。不思議なヤツだったな。アイツといると、自分が自分じゃないみたいだった。あんな気持ちは、初めてだ…。」

イスルはそう呟き、ナギとの出会いに不思議な気持ちを覚えるが…。

イスル「うっ!?…流石にあれだけ魔法を撃ったからか、少しお腹が空いたな…。少し腹ごしらえでも、しておこうか…。」

ザクっ

空腹で少しよろめいたイスルは杖を地面に突き刺すと、そこから取り出した液状の物体を口に入れる。…杖を刺した周囲の草は、円形に綺麗に枯れていた。まるで生命エネルギーを吸い取られたように…。

イスル「ふぅ…。やっぱり、ボク達の居場所はここみたいだな。この森なら、生命エネルギーが満ちているから、すぐに腹が膨れる。父上がこの森を選ぶワケだ。」

そう、イスルの父親とは魔王ソジュその人である。イスルやソジュの一族は、他のモンスター達とは少し違い、他の生命体から生命エネルギーを吸い取ることでしか生命力を維持できないという難儀な体質を持っていたのである。そして、その滅びの運命から逃れるために、風隠の森の生命力に目をつけたのである。

イスル「ナギも強くなろうと頑張っているんだ。ボクも負けられないな。いつか、父上のような立派な魔王になるためにも…!」

 

当然、ナギがソジュを倒すために特訓していることなどイスルには知る由もなく、イスルの父親がソジュであることもナギは知らない。

……残酷な運命が、2人の奇妙な友情を引き裂くのは、そう遠くない未来の話である。

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