神木への道…
ナギ「……。」
アカネ「ねぇ、なんかあの子さっきから様子変じゃない?何かあったの?友達がどうとか言ってたけど…。」
オニワカ「うむ…さっきの話で出てきたイスルという者はナギの友達でな…。この森で初めてできた友達だったのじゃが…。まさか魔王の息子だったとはなぁ…。流石のナギも応えておるか…。」
オロシ「皆の者、止まれ!…そこに誰かいるな?姿を見せよ!」
???「……待ち伏せしてみたけど、流石に族長相手じゃバレるか…。」
ナギ「っ!?……その声!」
神木へ向かう途中、突如オロシの一声が響く。すると、木陰から誰かが現れる。しかし、ナギには誰かはすぐにわかった。……聞き覚えのある声だったから。
ナギ「……イスル…!お前もクラスチェンジを…,。」
イスル「キミのことだからボクと同じようにクラスチェンジしてるとは思ってたけど、まさかこんな形で再会するとはね…。」
そこに現れたのは、クラスチェンジして現れた魔公子イスル。彼もクラスチェンジを果たしていた。
ナギ「みんな、先に行っててくれ。オレはイスルと話がしたい。」
オニワカ「……わかった。オロシ様、巫女様も先を急ぎましょう!」
イスル「行かせると思うのか!アクア!!」ドシュン!
スパッ ザパァ!!
イスルは先へ進もうとするオニワカ達にアクアを放つが、ナギが剣でアクアを切り裂く。
ナギ「イスル!お前の相手はオレだ!」
イスル「……やはりこうなるんだな…。邪魔するなら、友達だからと言って容赦はしないぞ…!!」
ナギ「なぁイスル、今からでも考え直してくれないか?オレは、お前とは戦いたくないんだ…!」
イスル「戦いたくないのは、ボクだって同じだ…!でも、仕方ないんだ!ボクにだって、譲れないモノがあるんだ!!」バシャシャ!!
声を荒げながらアクアを連続で放つが、ナギは軽くかわし、一気に距離を詰め、剣で攻撃するも槍で受けられる。
ナギ「譲れないモノ?それって、魔王が…お前のオヤジが森を支配しようとしてるのと関係あるのか!?」ギギギギギ…
イスル「……ボク達の新しい故郷を探すためだ…!」カァン!
ナギ「新しい故郷…?何言ってんだ!?」キン!キン!
イスル「ボク達の生まれ故郷である、月の光の大陸はもう滅んでるんだ…!だからボク達は新しく安寧の地を探さなきゃいけない!…そうしないと生きられないんだ…!!お前にわかるか!?突如故郷を追われて、新天地を探さなきゃいけなくなった者の気持ちが!!」ドドドドド…!!
ナギ「ぐぅっ…!だからって!!お前はこの森を滅ぼしてまで生きるのか!?あの時一緒に森を探検してた時のお前、すごく楽しそうだったぞ!?」シュゥゥゥ…
イスル「……っ!仕方ないんだ…!生きるためなら、なんだって犠牲にする!楽しく過ごした森の生命だって…!そう決めたんだ…!!」キィィィ…!
ナギ「っ!!…この、分からず屋ァァ!!」ダッ!
イスル「っ!?」
激しい攻防戦と口論の末、魔力を溜めるイスルより先にナギが仕掛ける。
ナギ「切り刻め!
ズバァァァァァッ!!
竜巻がカマイタチのようにイスルのカラダを切り刻み、最後にナギの一太刀が入る。これで勝負は決した…。
……かに思われた。
ドクンっ!
ナギ「うっ!?な…なんだこれ…力が…急に…。」
イスル「悪いね…。キミの生命エネルギーを少し頂いたよ。」ゴクン。
イスルはすんでのところで生き残っており、コスモファージで超EX発動後のナギの生命エネルギーを奪っていたのだ。
イスル「ナギ…キミは甘すぎるよ。さっきの超EX、わざと急所を外したろ…?ボクが友達だから、トドメをさせなかったのか?」
ナギ「あ…当たり前…だろ?たとえ…敵だったとしても…友達を殺すなんてこと…オレには…できない…!」
動けないナギは泣きながら答える。
イスル「……そうか。キミはこんなボクのことを、まだ友達と思っているのか…。うっ…本当に…バカなヤツだな…!」
イスルも、自分のことをまだ友達と思っていてくれるナギに悪態を吐きながらも、涙を隠せなかった。
イスル「……すまない、ナギ…。今回ばかりは、本当に邪魔されるわけにはいかないんだ…。だから少しの間、眠っていてくれ…。」ザクッ
イスルはナギの足元に槍を突き刺し、去っていく。
ナギ「イスル……?何を……。」
イスル「………ユメミノココチ。」ギュッ
バシャァァァン!!
ナギは自分を包んだ水を破裂させられると同時に、眠気に襲われる。
ナギ「い…イスル……。行く…な…………。」ガクッ…
イスル「安心しろ。少し夢を見るだけだ。…せめて、良き夢を…。」
ナギはイスルとの戦いに敗れ、そのままゆっくり眠りについてしまう。…イスルはナギのことを考えながらも、神木の方へと向かっていくのだった。
神木…
オロシ「着いたぞ!…ソジュよ!この森の神木、今度こそ返してもらうぞ!」
無事神木に着いたオロシ達。そこには、神木から生命エネルギーを吸い上げるソジュの姿があった。
ソジュ「…誰かと思えば、この森の管理者か。まだ諦めていなかったのだな。…よろしい、まとめて余の贄としてくれる。光栄に思うがいい…。」