オレカバトル2 ストーリーズ   作:セッツァー

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第3章 第九話 友達の在り方

あの後、イスルによって眠らされていたナギは、夢を見ていた。森の中で、大切な友達と仲良く過ごす夢を…。

イスル《キミは…どんなことがあっても…ボクの友達でいてくれるよな?》

ナギ《…あぁ、イスル。どんな時だってお前を見捨てたりしない。だって、お前はオレの…大切な友達なんだから…。》

 

湖……

ナギ「う……うぅ、今の…夢…?あっ、シナプス…。もしかして、お前がここまで?」

シナプス「コォォォン…」うなづいている。

ヒエン「目が覚めたか。」

ナギ「うん…?アンタは…?」

ヒエン「…オレはヒエン。森の泣く声が聞こえて、お師匠様とこの森まで戻ってきたんだ。そして、君の仲間達を助ける最中にその幻獣に連れられて、ついていったら君がいたという訳だ。」

ナギ「……そうだ、イスル!イスルは…!?アイツはオレの友達で…。」

ヒエン「落ち着け。少しずつ話してくれないか?」

ナギ「あ…あぁごめん。じゃあ……。」

 

ナギはヒエンに、ここまでの経緯を全て話した。

 

ヒエン「成程…。あの娘たちを襲おうとしてたのは、君の友達だったのか……。」

ナギ「……そうか、オレが手加減したせいで…みんなを危険な目に…。でも、オレは友達を殺すことなんて…。」

ヒエン「……なぁナギ。君はこれからどうしたい?」

ナギ「……わからない…。オレは森のみんなを守りたい。…けど、イスルのことも見捨てられない…。どっちかを選ぶなんて、オレには無理だ…。オレ、どうすれば良いのかな…?

ヒエン「……君は優しいな…。ナギ、親しい仲の在り方というのは、優しく寄り添うことだけとは限らない。」

ナギ「?…どういう…ことだ?」

ヒエン「どこから話したものか…。オレの友人の兄が、一時期乱心したことがあってな。この森を乗っ取ろうと画策したことがあった。…最初は友人の兄ということもあって、話し合いで説得しようとした。でも無理だった。」

ナギ「……それでどうしたんだよ?」

ヒエン「…まぁ言い方はアレだが、力づくでなんとかした。」

ナギ「えぇ…。それで大丈夫なのかよ…?」

ヒエン「案外なんとかなるものだぞ?今ではその人も、オレの良き友だ。」

ナギ「…よくそれで友達になれたな…。」

ヒエン「いいか、ナギ。友情というのは、なにもその人に寄り添うことだけが重要じゃない。時には、その手を力づくでも引っ張ってやらなきゃいけない時もあるんだ。

ナギ「……無理矢理にでも?」

ヒエン「あぁ。確かに、余計なお世話と言われるかもしれない。でも、心の底では自分でも後戻りできないほどに後悔している時もある。所謂『もう後戻りはできない』というヤツだ。」

ナギ「後戻りできない…。今のイスルも…そういう気持ちなのかな…?」

ヒエン「かもな。だから、無理矢理にでも手を引っ張ってやって、もう戻れない程の深い暗闇から引っ張り上げてやるんだ。そうすれば、お前も、友を殺さずに森も護ることができるはずだ。」

ナギ「……本当に?」

ヒエン「あぁ、よく「二者択一」なんて言葉があるが、オレは正直、この言葉は嫌いだ。そういう時こそ欲張っていい。どちらか大切なものを失うくらいなら、欲張ってでも両方手に入れられる道を探すんだ。

ナギ「…そうか。そうだよな!よし、決めた!オレ、森を護る!そんでもって、イスルのことも説得する!欲張りだって言われたって良い!シナプスも、力貸してくれるか?」

シナプス「コォォォン…!」シナプスは張り切っている!

ヒエン「ふっ…それでいい。」

 

そしてナギは迷いの果てに、自分のやるべきことを定め、改めて打倒ソジュと、イスルとの仲直りのために立ち上がるのだった。

 

ナギ「そうと決まれば、まずはイスルのオヤジぶっ飛ばして…。」

ヒエン「待て。」

ナギ「うん?なんだよ、いいとこだったのに〜…。」

ヒエン「今のソジュは、神木の生命エネルギーを吸っていることもあって君たちが攻め込んだ時より、さらに力をつけている。今はお師匠様が食い止めてくれているが、もう三日三晩戦いっぱなしだ。いつまで持つか……。」

ナギ「マジかよ…。なぁ、オレでも勝てるかな?」

ヒエン「……今の君では、多分無理だろう。だから君には、もう少し強くなってもらおうと思う。その目的もあって君を探していたんだ。」

ナギ「もっと強く…。あぁ、頼む!もっと強くなれば、イスルのヤツも説得できるかもしれない!」

ヒエン「……心得た。だが知っての通り時間がない。だから期間を設ける。そうだな…。今日中にクラスチェンジできるくらいには強くなってもらおう。」

ナギ「な…なぁ…。これって…かなり難易度ヤバいやつ…?」

ヒエン「…さっきまでの威勢はどうした?お前の覚悟はその程度だったのか?」

ナギ「へ…へへっ、やってやろうじゃん!!絶対的強くなって森も護って、イスルとも仲直りしてやるんだ!」

ヒエン「その意気だ。だが、手加減はしないぞ…!お前も全力で来い!」

 

こうして、ヒエンによるナギの特訓が始まった。

果たして、ナギは森とイスル、両方取れる道を見つけることはできるのでしょうか?

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