オレカバトル2 ストーリーズ   作:セッツァー

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第3章 第十話 決意は烈風とともに

ザリザリ…

ナギ「ん?何してんだ?」

ヒエン「特訓の準備だ。」

そう言うとヒエンは、自分の足元に円を書き始める。半径30cmくらいだろうかの円を書き終えると、ヒエンは再び口を開く。

ヒエン「やることは簡単だ。オレをこの円の外側に出したらお前の勝ちとしよう。オレはこの円からは出ない。もちろん避けるような事もしないつもりだ。」

ナギ「それだけ?その狭い円から出ないだって?なら楽勝じゃんか!」

ヒエン「それはどうかな…?」スッ…

ヒエンは、腰の刀に手を添える。彼にとっての臨戦体勢だ。

 

ナギ「じゃあ早速仕掛けさせてもらうぜ!ついて来れるか…な!」ダッ!

ナギは持ち前の素早さでヒエンの周囲を駆け回り、混乱させようとする。…しかし、ヒエンは刀に手を添え、構えたまま動かない。

ナギ(なんだ…?動いてないはずなのに…『隙がない?』まずは様子見で…後ろから…!)

ヒエン「……フッ!」キィン!!

ヒエンは抜刀し、ナギの攻撃を防いだ。

ナギ「なっ…今の抜刀の速さはなんだ…!?それに、後ろを狙ったのに、即座に反応した!?」

ヒエン「どうした?楽勝なんじゃなかったのか?」

ナギ「へっ…今のはまぐれ、まだこれからだっ!!」

 

そして、ナギはその後も何発も攻撃を叩き込むが、悉くヒエンの抜刀術で受け止められ、一向にダメージは与えられず、ただ時間だけが過ぎていく…。そして、特訓開始から一時間が経過しようとしていた…。」

 

ナギ「はぁ…はぁ…だ…ダメだ…何度やっても…入る気がしない…!」

ヒエン「そんなものでは、魔王討伐など、夢のまた夢。お前の覚悟は、その程度だったのか?」

ナギ「そ…そんなことは…。」

ヒエン「ならば自分の決意を再び胸に、今一度オレに打ち込んでこい。オレは逃げも隠れもしない。どのような攻撃も受けて見せよう。」

ナギ「オレの…決意……。」

ヒエン「そうだ。決意のこもった一撃とそうでない一撃とでは、一撃に込められる強さの重みが違う。改めて問う。お前の決意はなんだ?」

ナギ「オレの決意…そうか…そうだよな…。こんなところで立ち止まってたんじゃ…森もイスルも…守れないよな…!!よし!ならもう一発!!おりゃぁぁ!!」

ヒエン(真っ向勝負に出るか…!だが!)

キィィィンッ!

ヒエンは再び抜刀術で受け止めるが、少しだけ後ろに押し込まれる。

ヒエン「っ!いいぞ!一太刀に重みが増した!その調子だ!」

ナギ「そうか…これが…ならどんどん行くぜ!!オラオラオラオラァァ!!」

キンキンキンキン…!!

ヒエン(間髪入れず連続攻撃…!納刀ができないっ!!)

そしてナギの身体が、彼が攻撃するたびに風に覆われていく。

ナギ「オレはどっちかなんて選べないっ!だけど!森もイスルも…両方守るって…決めたんだァァァ!!!ビュォォォォォォォォ!!!

 

キィィィィィン……!

 

次の瞬間、ヒエンは円の外に弾き出されており、ナギの勝ちが決まった。

ヒエン「フッ…見事だ。そして…成ったな。」

ナギを覆っていた風が止む。そして、そこには、クラスチェンジを果たしたナギの姿があった。

ナギ「こ…これって…。」

ヒエン「誇れ。それはお前が勝ち取った力だ。速さだけでなく、その風には激しさもあった。例えるならば、烈風の如し。」

ナギ「烈風…。ならこれからは、烈風のナギってことでいいかな?」

ヒエン「あぁ、構わん。今のお前ならば、きっとソジュを打ち倒し、友も守れるだろう。」

ナギ「へへっ!」

 

ヒエンは腰を下ろすと、ナギに問いかける。

ヒエン「なぁナギ。オニワカから聞いたのだが、君の育ての親が昔この森で育ったそうだな。もしや、部外者にも関わらず森を守りたい理由は…。」

ナギ「……そうだな。オレは、ミドじいのいたこの森を守りたい。でも、だからってこの森でできた友達を見捨てることだってできない。だから全部守りたいって思えたんだ。」

シナプス「ヒュゥゥ…」イスルのことを案じているようだ。

ヒエン「……そうか。この森に来たのが君でよかった。魔王を退けたら、しばらくはお師匠様も、安心して森をオロシ様に任せられるだろう。」

ナギ「えっ?な…なぁヒエン。さっきの話に出てきた乱心した友人ってもしかして…」

???「見つけたーー!!」

ナギがオロシのことについて言いかけると、遠くから声が響く。そこに現れたのは神楽姉妹だった。

ナギ「2人ともどうしたんだ!?すごい慌ててるみたいだけど…。」

アオイ「そ…それが、ナナワライ様が…!」

ヒエン「何!?……どうやらもう時間がないらしい…。ナギ、覚悟はできているな。」

ナギ「あぁ、もちろんだ!シナプス!神木の方まで乗せてもらえるか?」

シナプス「コォォォン!」シナプスは張り切っている!

ナギ「よし!みんな、行くぞ!!」

ナギ達はシナプスに乗り、森を救うため、最後の戦いに駆け出した。

 

神木……

ナナワライ「ぐっ…貴様…その力…!かつての我のように…邪神に身を染めたか…!」

ソジュ「素晴らしい…。この神木にここまでの力が宿っていたとは…。このまま枯れ果てるまで、余の糧としてやろう…。」

ソジュは、ナナワライとの戦いの中、吸い取った神木の生命エネルギーによって邪神ソジュへと覚醒しており、ナナワライを圧倒していた。

ナナワライ「このままでは…我が森は、本当に……。」

ナギ「待てーー!!」

そして、ナナワライがやられそうになった直前に、ナギ達が到着する。

ソジュ「うん?其方…何者だ…?」

ナギ「オレはナギ!この森を脅かす奴は…このオレが倒すっ!!

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