しかし、完全に倒せたわけではなく、とりあえずその場を去って行ったので、いつかまた会うことにはなるだろう。
そんなことを考える暇もなく、次はデメララの元へと歩みを進めているのだった。
火山地帯・山道…
ラプラ「あ…暑い…。みんな平気なの…?」
マクス「おう!オレっちは全然!」
エストリエ「アタシもね。これくらいの暑さなら大したことないわね。」
クラン「僕も。昔いたから慣れてるのかな?」
ラプラ「み…みんなすごいや…。僕は…ちょっとどこかで休憩したい…。」
クラン「あっ…なら、この近くに知り合いが研究所を開いてるんだ。寄り道にはなるけど、そこで休むとしよう。」
ラプラ「あ…ありがとうございます…クランさん…。」
マクス「おいおい、オレっちの手下ならこれくらい…」
ラプラ「あっ!マクスくん前!!」
ゴチーン!!
よそ見していたマクスは岩壁に思いっきり体をぶつける。
マクス「いってぇぇえ!?…って、行き止まりじゃねぇか!ホントにこっちで合ってんのか?」
エストリエ「おかしいわね…?確かにデメララのいる場所はこっちの方だったと思ったんだけど…。」
クラン「はぁ…仕方ない。一度引き返して…おや?」
クランが振り返ると、先程まで通っていた道も岩壁で塞がれていた。まるで…
クラン「どうやら、何者かに閉じ込められたみたいだね…。誰だ!近くにいるんだろ?姿くらい見せたらどうだ?」
???「おやおやつれないですねー。折角皆様に私のイリュージョンをお見せしたと言うのに…無粋な方です、ね!」
ボォン!
カラフルな爆煙がどこからか照らされたスポットライトに影が写る。
ラプラ「ゲホッゲホッ…何!?」
???「私こそは……魔皇エラドーラ様に仕える宮廷道化師…。欺瞞・狂乱・狂魔アルルカン!でございます!!」
クラン「アルルカン…エスティが話してた悪魔の一体だな。何しに来た!」
アルルカン「まぁまぁ落ち着いてください、Mr.クラン。ほら、紅茶でも飲んでゆっくり話でも。」
アルルカンはどこからともなく取り出した紅茶をクランに手渡す。
クラン「あぁ、これはどうも……。(ごくごく…)じゃなくて!?何で名前まで知ってる!?」
ラプラ(飲むんだ…。)
アルルカン「まぁ私、先程から部下のアルレッキーノにあなたがたのことは視察させてましたので。皆様のことは大体把握済みです。オシャレな貴女がMs.エストリエ。薬箱の貴方がMr.ラプラ。そして…そこのオラオラ系悪魔の貴方が、Mr.マクスです、ね?」
マクス「すげ〜…マジで把握してんのか…。じゃなかった!オマエ、エラドーラの部下だよな?ならここで再起不能になってもらうけど、いいよな?」
アルルカン「おやおや…私はあくまでMr.ベルゼブブを倒したあなたがたの視察に駆り出されただけ。戦う意志はないと言うのに…血の気が多い方だ。でも貴方様がその気ならば…。」
…ボンッ!
アルルカン「この私のショーに、付き合っていただきましょう!It's Show Time!!」
アルルカン「それではまずは簡単な手品から!では、素敵なMs.エストリエに、こちらの箱をプレゼント!」ポーイッ
エストリエ「ちょっ!?いきなり怪しげな箱渡さないでくれる!?で、この箱何が…」
Bom!!
エストリエ「きゃあっ!?」
箱からアルレッキーノの頭(オモチャ)が飛び出し、エストリエは思わず腰を抜かす。
アルルカン「こちら、開けてビックリ魔法の箱でございます!お気に召しましたかな?」
エストリエ「舐めた真似してくれるじゃない…!お仕置きよ!!ハイファッション・ビーム!!」ビーッ!!
エストリエは手にした魔智針から魔法のビームを発射するが……。
マクス「アババババババ!?」バリバリバリバリ…
ラプラ「マクスくーん!?」
マクス「いってー…。どこ狙ってやがんだエスティ!?危うく死ぬとこだったぞ!?」プシュー…
エストリエ「あ…あら?アタシ間違えちゃった?」
クラン「あの箱、混乱の効果があるのか…。厄介な……。」
アルルカン「さぁさぁ、ショーはまだまだ始まったばかり!意味なんてゴミ箱にポイ!頭を空っぽにして、お楽しみくださいませ!!」バララッ
そう言いながらアルルカンはびっくり箱を大量にばら撒く。
マクス「げっ!?やば……」
Boooooom!!
びっくり箱から放たれた煙が辺りを包み込む。
クラン「ゲホッゲホッ…みんな…大丈夫かい?僕の方は…ちょっと目をやられて攻撃できそうにない…!」
エストリエ「んー!んー!!(「アイツのせいで声が出せない」と言っている。)」
ラプラ「うげ〜…毒に麻痺にもう滅茶苦茶だよ…。」
マクス「ぶぇっくしょん!!ぶぇっくしょん!!わ…技撃ってねぇのに持病の風邪が…ぶぇーっくしょん!!」
クラン「オーケー。みんなやばいことはわかった!」
アルルカン「如何でしょう?もう盤面はしっちゃかめっちゃか!どうしようもないです…オロロロロ……!」パァァァ…
アルルカンは毒のダメージを受けた!
マクス「オマエも毒で思いっきり吐いてるじゃねぇか!?…ぶぇっくしょん!!」
アルルカン「し…失礼…。ちょっと大盤振る舞いしすぎましたか…。で・は!ここまで見せましたので、しばしばお捻りをいただきましょう!!」ギュオオオオ!
アルルカンは帽子でマクス達の所持金を吸い取ってきた!!
エストリエ「んー!!ん"ー!!(「勝手にアタシのファッション予算取るな!」と言っている。)」
アルルカン「おやおや、お気に召しませんでしたか?なら倍にして返金致しましょう!」
そういうとアルルカンは帽子をマクス達の方に向ける。
クラン「まさか…!?みんな!急いで僕の後ろに!!」ガシャン!
マクス「わ…わかった!ほら!ラプラも!」
クランは声の聞こえた方を向いて盾を構える。それと同時に全員何とかクランの後ろに隠れる。麻痺で動けなかったラプラはマクスが抱えて退避させる。
アルルカン「お受け取りくださいませ!!」ジャラララ……!!
先程の帽子から勢いよくゴールドを発射してきた!!
クラン「ぐ…うぉぉぉぉぉ!!」ドドドドドド!!
クランは止めどなく放たれるゴールドを必死に受け止めるが…。
クラン「はぁ…はぁ…。」
アルルカン「おやおや、イメージ通りの鉄壁ぶり!まさか返金完了まで耐えてしまうとは!でも…いくらMr.クランといえど、そろそろ限界では?」
マクス「こいつ…強いというより、ひたすら面倒くせぇな…!!ぶぇっくしょん!!散々引っ掻き回しやがって…!真面目に戦えー!!」
アルルカン「不真面目結構!私は取り繕うのは嫌いですので!人生これだけ滅茶苦茶な方がスリルがあって面白いでしょう?ねぇ?」
マクス「そ…そういう問題じゃ…ぶぇっくしょん!!」
アルルカン「では皆様、もう結構ボロボロのようですし、そろそろフィナーレといきましょうか…!」
そう言ってアルルカンは再び帽子を構える。
クラン「まずいな…流石にもう持ち堪えられないぞ…!」
アルルカンがゴールドを発射しようとした…その時だった。
???「わっしょーい!!」ボンッ!!
ドガァァン!!
突如として放たれた火の玉がアルルカンの頭に直撃する。
アルルカン「オヨヨ!?だ…誰です!?ショーに水を差すのは!?」
???「ここまで耐えるなんて…立派になったじゃなーい、クラン!」
クラン「その声…もしやロジェステか!?どうやってここに!?」
そこにやってきたのは、クランの旧友である大魔女ロジェステ。クランの先程言っていた知り合いとは、彼女のことだったのである。
ロジェステ「妙な結界が張られてたけど、これくらい私の渦の魔法ならちょちょいのちょい⭐︎簡単に侵入できちゃったわ!」
アルルカン「な…なんと滅茶苦茶な…!こうなったら…私も切り札を使うしかないようですね…!見せてあげましょう!!世紀の大魔術!ハッピーファニーマジックショー!!開演!!」
パッ!
アルルカンがそう言うと、スポットライトに照らされ、ショーが始まる。
ロジェステ「あら?何かしら?」
クラン「気をつけろ…!おそらく超EXだ!!何が起こるかわからないぞ!!」
アルルカン「皆様ご注目!これより世紀の大逆転をお見せしま…オヨヨ〜!?」
アルルカンが箱に入ったかと思えば、どこからともなく巨大なアルルカンが箱を振り始める。
アルルカン「さぁさぁ今より、そこの魔女の体力と私の体力をBet!この箱の中で私が無事脱出できれば、貴女の体力を1にして差し上げましょう!!」
ロジェステ「はぁ!?そんなのズルじゃない!?」
アルルカン「言い訳ご無用!ご破算で願いましては、丁か半か甲か乙か、チンチロ…リン!」デレレレレレレ……バン!!
パァァァ!!
ラプラ「うっ!眩し…って、アレ?」
アルルカン「ん?あらら?あららら!?これは!?」
次の瞬間、マクス達の目に映ったのは…頭だけになったアルルカンの姿だった。
アルルカン「あららこれは…失敗です…ね。」
ザッザッザッ…
頭だけになり身動きの取れなくなったアルルカンの前に、マクスが移動する。
アルルカン「えっと……Mr.マクス?一体…何をするおつもりで…?」
マクス(……にやり)
アルルカン「ひっ…!」
マクス「空の彼方まで…飛んでいきやがれー!!」バッキィィン!!
アルルカン「ホギョギョ〜〜〜〜!?それでは皆様、近いうちにまたお会い致しましょう〜〜〜〜……」……キラン⭐︎
アルルカンはマクスにサッカーボールのごとく思いっきり蹴飛ばされ、星になった。
マクス「ハァ…ハァ…何だったんだ、アイツ……。」
しばらくして…
クラン「ふぅ…ようやく目が見えるようになった…。目薬ありがとうラプラ。」
ラプラ「いえいえ…ようやく痺れが取れたので、自分で解毒薬飲んでなんとか…。あっ、エスティさんには沈黙に効くのど薬を。」
エストリエ「んーんー。(「ありがとね。」と言っている。)」
マクス「いやー、助かったぜ!ロジェステ…だっけか?あの炎魔法すげぇな!参考にさせてもらうぜ!!」
ロジェステ「あらー、随分可愛い子ね?今度弟子にしちゃおうかしら?…っと冗談は置いておいて…。貴方たち、この道を通ってたってことは、もしかしてこれからデメララの所に向かう所だったの?それなのに、あんな変なのに絡まれるなんて災難だったわね…。」
クラン「あぁ…そうだった!ロジェステ、良ければ君の研究所で僕たちを休ませてくれないか?丁度寄ろうと思ってて…。」
ロジェステ「もちろん良いわよ!さっきのバトルでみんな疲れてるでしょうし、ゆっくり休んでいきなさいな!」
こうして、ただひたすらに面倒くさかったアルルカンを退けたマクス達は、ロジェステの研究所で休ませてもらうのだった。