しかし、アスタロトの強さはクラスチェンジを果たしたマクス以上であり、戦いはアスタロトが終始優位に立つ。そして、マクスが追い詰められたその時、宮殿の天窓をぶち破って魔王リヴィエールが襲来。
彼女はアスタロトも巻き込んで、自分との勝負を持ち掛ける。果たして、リヴィエールを退けることはできるのか…。
リヴィエール「さぁ、まとめてかかっていらっしゃい!せいぜいこのわたしを楽しませることね!!」
クラン「なら僕から行かせてもらう!そりゃぁぁ!!」ブォンッ!
クランはリヴィエールに向けてメイスで殴りかかるが…。
リヴィエール「遅い遅い!!」フッ…
クラン「消えた…!(速さはアスタロトと同等かそれ以上…!)」
リヴィエール「わたしはここよ!!」
クラン「しまった!?後ろ…!?」
バキィッ!!
クランにリヴィエールの蹴りが浴びせられそうになった瞬間、素早く動いたアスタロトが同じく蹴りで相殺する。
アスタロト「ハッ!オマエ、見かけ通りの遅さだな…!これじゃあリヴィエールどころか…オレでも後ろ取れるぜ?」
クラン「ありがとう…でも、僕は堅さがウリだからね…!アレくらいなら…!」
リヴィエール「チッ!でもやるじゃない!まだまだ勝負はここからよ!」ダッ!
アスタロト「やっぱり次はオレ狙いかよ…!」
クラン「ハァァァ!」
ガキィィィン!
リヴィエール「あの盾硬いわね…。少し痺れたわ…。」
アスタロト「ほぅ、中々やるじゃないか?」
クラン「だから言っただろう?これくらいなら大したことないって!さぁ、僕達はあくまで時間稼ぎと行こうじゃないか!」
アスタロト「はぁ?時間稼ぎ…?」
アスタロトがふと後ろを見ると、クローゼットに入っていくエストリエの姿があった。
アスタロト「…なるほどな。そういう事なら、乗ってやろうじゃないか!」
アスタロトとクランがリヴィエールを止める一方、マクスの治療を進めるラプラの方は…。
マクス「ぐっ…まだか…?オレっちが…アイツ倒さなきゃ…ならねぇのに…!」
ラプラ「大丈夫…!絶対治すからね!」
マクス「…なぁ。今更だけどさ…ラプラは、なんでオレっちにこんなに優しくしてくれんだ…?オレっち悪魔だぞ?どっかのタイミングでラプラ達のこと、襲うかもしれないぞ?」
ラプラ「…そんなの関係ないよ。困っている人がいるから手を差し伸べる…。誰かが怪我しているから治す。僕は、自分にできることをやってるだけだよ。戦うの…苦手だし…。…それに、マクスくんはそんなことできるような悪魔じゃないでしょ?」
マクス「…へへっ、バレたか。…ラプラ。やっぱオマエのこと手下にして、正解だったぜ…!」
ラプラ「…そう言われると、なんか照れるなぁ…///……僕はさ、悪魔王になったマクスくんを見てみたいんだ。」
マクス「へ?どういうことだ?」
ラプラ「ほら…マクスくんって…こういうこと言うのアレだけど…他の悪魔とは違って優しいでしょ?もし、魔界を支配するのがマクスくんみたいな悪魔だったら…少しは平和な世界になったりするのかなぁ…なんて。」
マクス「平和…ねぇ…。オレっち一応悪魔だぜ?やっぱそういうのは性に合わないというか…。」
ラプラ「まぁ、僕の個人的なことだから、気にしなくていいよ。ほら!あと少しの辛抱だよ!」
ラプラはマクスに自分の思いを打ち明けると、再び手を動かし治療を再開する。すると…。
マクス「ん?なぁラプラ…なんか、身体光ってねぇか?」
ラプラ「へっ?あっ!?ホントだ…!」パァァァ…!
マクス「なぁ…それってもしかして……!!」
リヴィエール「オーッホッホッホッ!!貧弱貧弱!!まだまだ行けるはずでしょ?ねぇっ!!」ドガガガガガガ!!
クラン「ぐぅぅっ!!こ…これ以上は流石にまずいか…?魔王相手には…よく耐えた方かな?」
アスタロト「だ…だな…(こうなったら…オレ自身も被害受ける可能性はあるが、EX解禁と行くか…?」
リヴィエール「さぁ!そろそろフィナーレといきましょうか!」ブォンッ
ゴォォォォ…!!
クラン「ここでメテオか…!流石にアレは…!!」
リヴィエール「さあ…行くわよ!!」
リヴィエールがメテオを放とうとしたその時だった。
ヒュンヒュンヒュンヒュン…
カツンッ
リヴィエール「ん?何これ?」
リヴィエールに飛んできたのは、黒い粉が入ったビン。ビンはリヴィエールに軽くヒットすると…
カッ!
ドガァァァン!!
ビンはリヴィエールの目の前で大爆発を起こし、リヴィエールは大ダメージを受ける。
リヴィエール「ぎゃあっ!?」
クラン「今のビン…。まさか!?」
クランが振り返ると、そこには…。
ラプラ「あ…あわわ…試しにやってみたけど…ホントに爆弾になっちゃった…!」
マクス「へぇー?オマエも、やりゃあできるじゃねぇか!!」
クラン「その姿…ラプラなのか?」
そこに立っていたのは、傷がすっかり完治したマクスと…クラスチェンジし大きくなったラプラだった。
ラプラ「はい!衛生兵改め、救命士ラプラ!マクスと共に、戦線復帰します!!」
マクス「そういうわけだぜ!リヴィエール!!こっからはオレっち達が相手してやるぜ!!」
リヴィエール「へぇ?ここで戦線復帰に加えてクラスチェンジだなんて…!面白くなってきたじゃないの!!」
アスタロト「ふむ…なぁ、頭巾頭。オマエ、状態異常とかは治せるか?」
ラプラ「へっ?まぁ…やろうと思えば…。」
アスタロト「なら今のうちに準備しておきな。……今からオレも切り札を使う…!」バッ!
ブォンッ!!
アスタロトが足元に巨大な魔法陣を作り出す。
アスタロト「それじゃあ始めようぜ!ゴミ虫共よ!オレを楽しませてみろ!!…魔公爵の晩餐会…開宴だ!!」ゴォォォォッ!!
マクス「これは…すげぇ…!力がみなぎってくる…!!それに…なんか気分がアガッてキタァー!!」
アスタロト「…こうなるからな。クローゼットに篭ってるあの女は対象外だったが…。ほら、やりな頭巾頭。」
ラプラ「は…はい!お薬、どうぞ!」ズボッ!
マクス「むぐっ!?……にげぇ〜〜!?ハッ!?オレっち何を…?」
ラプラは躊躇なくマクスの口に薬を突っ込み、混乱を治す。
クラン「安心してくれ。少しの間、最高にハイになってただけだ…。僕も薬を突っ込まれて元気になった…。ラプラ、感謝する!」
ラプラ「いやーそれほどでも…///」
クラン「さぁ…勝負はここからだ!!」
マクス「行くぜー!!オルァァッ!!」ズバッ!!
リヴィエール「ぎゃあ!?…なかなかやるじゃないの!!今度パーティに呼んじゃおうかしら!」
マクス「気に入ってもらえたようでどうも!でも…ちょーっと動くな…よ!!」ジャララ!ビシィ!
マクスは剣でリヴィエールを縛り上げる。
リヴィエール「これは…なんの真似かしら?」
アスタロト「これで動けないだろ?…なら一気に決めさせてもらうぜ?ハァッ!」ゴゴゴゴ…
アスタロトは再び天井に魔法陣を展開し、メテオの準備を整える。
アスタロト「さて…そろそろ準備できたか?」
リヴィエール「ん?何を狙って…」
ボォン!
クローゼットから煙が吹き出す。エストリエの変身が終わった合図だ。
ギィィィ…
そして、クローゼットの中から出てきたのは…。
ロジェステ(エストリエ)「さぁ、張り切って行くわよー!!(力借りるわよ、ロジェステ!)」
ロジェステにメイクアップしたエストリエ。彼女がこの状況で考えうる、最も有効打を与えることのできる者である。
アスタロト「変身能力…!あの女も、なかなかやるらしいな!」
マクス「へっ!んじゃあまぁ…!そろそろ決めさせてもらうぜ?」ゴォォォォ…!
マクスが剣に熱を集中させる。
リヴィエール「(この状況は流石にまずいかしら…?)ならサッサと脱出を…」
クラン「ハァァァッ!!」ガァン!!
リヴィエール「ぐぅっ…!!」
リヴィエールは脱出しようとするが、クランはそれを許さずメイスを脳天に叩き込む。
クラン「今だ!一気に決めろ!!」
アスタロト「オレに指図すんじゃ…ねぇ!!」ゴォォォォ!!
ロジェステ(エストリエ)「輪と渦の理、今全てを束ねん。我が指輪に集い、全てを飲み込む業火となれ…!アポカリッセ・インフェルノ!!」キィィィィ…!!
マクス「決めるぜー!!マキシム・スラスター!!」ギュォォォォ…ッ!!
3人は同時に最大出力を叩き込む。
リヴィエール(…へぇ。やるじゃない。)
ドグァァァァァンッ!!
同時に放たれた技により大爆発が起こり、ホールが壊れる。ホールだった場所の瓦礫の下からマクス達が飛び出す。
ガララ…
ラプラ「ケホッ…ケホッ…ど…どうなったの…?」
マクス「ぶぇ〜っくしょん!!ズビビ…さ…流石にやったろ?」
アスタロト「どうだかな…。」
ガッシャアァァン!
リヴィエール「オーッホッホッホッ!!最高!最高よ!!ここまでやられたのはいつ以来かしら!」
エストリエ「う…嘘でしょ…?あれだけやってもまだ倒れないの…!?」
リヴィエール「いいわいいわ!!もっと…って、あら?」
ふと、宮殿にあった時計の方に目をやる。
リヴィエール「嘘!?もうこんな時間!?もうすぐパーティを開く時間じゃないの!うーん、名残惜しいけど、ここでお別れね。」
ラプラ「パ…パーティって…別の開く予定あったんですか…?」
リヴィエール「ええ、そうよ。早くしないと招待者を待たせてしまうわ!!」
バサァァ!!
リヴィエールは大きな羽を羽ばたかせ、空へ飛び去っていく。
リヴィエール「またねー!今度パーティに招待してあげるから、絶対来てねー!!」
疲れ果てていた一同は、飛び去って行くリヴィエールを苦笑を交えながら見送った。
クラン「あはは…。(これ行かないと絶対殺されるやつだな…)」
アスタロト「ふぅー…助かったぜ。まさかこんなタルいことになるなんてな…。」
マクス「なぁアスタロト。勝負はどうする?オレっちはまだやれっけど…。」
アスタロト「いや、とりあえずここまでだ。その女も今は諦めよう。」
エストリエ「そうしてもらえると、こちらとしてもありがたいわね…。」
アスタロト「あっ、そうだ。オマエら、何か欲しいものはあるか?オレらしくもないが…何か礼をしておきたい。」
マクス「えっ!?いいのか!?」
アスタロト「あぁ。リヴィエールを追い払ってもらった礼だ。さ、言ってみな?」
クラン「なら、エラドーラについて知ってることを教えて欲しい!奴の目的について探っているんだが…何かわかるか?」
アスタロト「ハァ…よりにもよってアイツのことか…。まぁいいだろう。確かそうだな…『一番大きい火山に用がある』とか言ってたか?なんのことかオレにはわからんがな。」
クラン「火山…?」
アスタロト「オレが知ってんのはこれだけ、これで貸し借りナシだ。オレもパーティを開かなきゃなのでね、じゃあな。機会があれば、また会おう。」バサァ!
アスタロトはエラドーラの情報を伝えると自身の主催するパーティの会場へ飛び去っていった。
クラン「……。」
マクス「クランのやつ、どうしたんだ?さっきからずっとあの調子だぞ?」
ラプラ「何か考え事してるみたいだね…。エラドーラのことかな?」
クランは、これまでに手に入れたエラドーラの情報について頭の中で整理・そして推理をしていた。
《ベルゼブブ「それでいてまーだ何か企んでやがるときた。これ以上強くなってどうするんかね…?あれ以上の強さ求めたって、待ってるのは退屈だけなのになぁ?」》
《アスタロト「『一番大きい火山に用がある』とか言ってたか?なんのことかオレにはわからんがな。」》
クラン「企み…強さへの渇望…一番大きい火山…ここで一番大きな火山と言ったらダクラウ火山だが…。ん?確かあそこには……まさか奴の狙いは…!?」
エストリエ「ん?どうしたのよ?そんな青ざめた顔して?」
クラン「…みんな、集まってくれ…。奴の…エラドーラの狙いがわかった…!」
一方その頃、魔皇城…
アルルカン「なんと!?Mr.マクス一行が、アスタロトとリヴィエールを退けたと!?」
アルレッキーノ「キシシ…。」
アルルカン「報告ありがとうございます。…如何致しましょう、エラドーラ様?」
エラドーラ「…面白ぇじゃねぇか。ならオレも、そろそろ動くか…。ダクラウ火山へ出かけてくる!留守は任せたぞ!」
アルルカン「ダクラウ火山…ということは、いよいよですか。ついにアレを手に入れるおつもりなのですね?」
エラドーラ「おう、今度という今度は逃がさねぇぞ…。」
エストリエ「ねぇ…エラドーラの狙いってなんなのよ…?」
クラン「…ちょうど今くらいの時期にそこで目覚めるドラゴンがいてね…おそらく、エラドーラの狙いはそのドラゴンの力を得ることだ…。」
マクス「あるドラゴン?」
クラン「ああ。そのドラゴンの名前は……」
クラン・エラドーラ「「炎竜サラマンダー…!!」」