彼らは瞬く間にエラドーラの群勢を押し返していき、戦況を覆す。そして、かつてマクスを苦しめた悪魔達も成長したマクスの前に倒れ、残すところはエラドーラとの決着、そして…ラプラの救出!
マクスは戦いを終わらせ、友を救うべく、最終決戦に望むのだった…。
バビロア王国、城門への道…
マクス「おっ、間に合ったみてぇだな!」バサッ!
悪魔達との戦いを終わらせたマクスは、城へと向かうクラン達に飛んで追いつく。
エストリエ「マクス!?あんた、もう終わらせてきたの!?」
マクス「おう!これもクランの特訓のおかげだ!あんがとな!」
クラン「いや、それもあるかもしれないけど…何より君がこれまでの旅で強くなった証だ。誇っていい!」
マクス「そ…そっか!へへっ、また武勇伝が増えちまったぜ…///…っと!気を抜いてる場合じゃねぇな…。」
ロジェステ「ええ、何せこの先に待っているのは…。」
バビロア王国、城門前…
バルト「ぐ…ラプラ…どうして…キミが…」
ラプラ「た…隊長… 逃げ…て…。」
エラドーラ「いいだろう?オレ様の新しい駒だ。お仲間との感動の再会なんだ。もっと泣いていいんだぜ?ま、殆どオレ様の傀儡みてぇなモンだがな。」
バルト「ど…どこまでも卑怯な…!!」
バルトは絶命士と化したラプラを前に攻撃できずにいた。そして一方的に嬲られ続け、数多の脅威から女王を守り続けたバルトももはや虫の息。バビロア陥落も時間の問題だった。
エラドーラ「せっかくだ。トドメはオマエに譲ってやるよ。さぁ、母国を自分の手で終わらせな。」
ラプラ「い…嫌だ…。だ…誰か…止めて…。」ブォンッ!
バルト「くっ…最早ここまでか…!」
ラプラの変わり果てた凶悪な右腕が今まさに振り下ろされようとしていた、その時だった。
マクス「ラプラァァァァァァ!!!」ガキィィィン!!
ラプラ「ま…マクス…くん?…来て…くれたの…?」ギギギギ…
マクス「おうよ!…待たせちまったな…今助けてやる!」キィン!
マクスはラプラの爪を剣で受け止め、バルトから引き離す。
クラン「バルト隊長!!ご無事ですか!すぐに手当を…!」
バルト「クランか…かたじけない…!して、あの悪魔は…?」
クラン「話すと長くなりますが…とりあえず、我々の味方であり…ラプラの友人であると言っておきます!さぁ、後は我々に任せて下さい!」
バルト「…そうか。少しでも助けになりたいところだが…。ぐっ…!生憎この傷では戦えそうにない…。私は姫様を連れて城内へ避難するとしよう…。この場は任せたぞ…!」
クラン「はっ!」
バルト「さぁ姫様、こちらへ…!」
赤の女王「ええ…!皆、後は頼んだわ!!」ギィィィィ…バタン!!
バルトと赤の女王を入れた城門は重々しい音と共に閉じられ、門前にはマクス達が立ちはだかった。
エラドーラ「チッ!余計な真似しやがって…。まぁいい、オマエら全員皆殺しにすれば済む話だ。今度は手加減なんて生温いことはしねぇから覚悟しな?」
マクス「へっ!それはこっちの台詞だぜ!前回はちょ〜っと油断したけど、今回はそうはいかねぇ!テメェをぶっ倒して、オレっちの手下返してもらうぜ!!」
クラン「みんな!これが最後の戦いだ!!何としてもここで全部終わらせるんだ!!全員、突撃ーッ!!!」
マクス達「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」
エラドーラ「ハッ!ゴミ共が集ってきたか!ならまとめて掃除してやるよ!」スゥー…
クラン「嫌な予感がする!みんな!僕の後ろに!!」
エラドーラ「モルテンブレス!!」ゴォォォォ!!
エラドーラは獄炎の息を吐いてきたが、間一髪全員がクランの巨盾に守られて無傷で済んだ。
エラドーラ「ほぅ…オマエら、少しはやるようになったみてぇだな。」
エストリエ「ねぇ、もしかして今のブレスって…。」
ロジェステ「十中八九サラマンダーを取り込んだ影響でしょうね…。みんな、アイツかサラマンダーを取り込んでる以上、何をしてくるか分からないわ!細心の注意を払って!!」
エラドーラ「ふん、いつまでも守ったままでいられると思うなよ?ラプラ、やれ。」
ラプラ「うヴっ…ごほ…ヴぉぇ…!」シュゥゥゥ…
苦しむラプラの口から瘴気のようなものが溢れ出す。
マクス「ラプラァァ!!テメェ、ラプラに何させやがった!?」
エラドーラ「見てわからねぇか?今のコイツは歩く病原体…。体内で生成したウィルスをばら撒いてもらったのさ。ちょっとでも吸えば猛毒は確定だぜ?」
マクス「マジかよ…!みんな!少しの間息止めてろ!オレっちがなんとかする!」
エストリエ「わ…わかったわ!ほら!みんなも!」バッ!
空を飛べるマクス以外のメンバーが手で口を塞ぎ、息を止める。
マクス「ラプラ…ちょっと熱いかもだけど我慢してくれよ…。マクス・ヘルマーク!!」ボォッ!
ボガァン!
炸裂したマクス・ヘルマークは周囲を焼き払い、ばら撒かれた瘴気を払いのける。
ラプラ「ヴァぁ…!」ドサァ!
エラドーラ「ほぉ…炎でウィルスを死滅させたか…。しかもラプラに攻撃してウィルスの発生を抑えるとは、なかなかやるじゃねぇか。」
マクス「ゴメンな、ラプラ…!でも、オマエも無傷じゃすまなかったみてぇだな!ほら腕見てみろよ!ガッツリ火傷してるぜ?」
エラドーラ「あん?」シュウウゥ…
そう言われエラドーラが腕をみると、マクス・ヘルマークの被弾したあとが火傷になっていた。
マクス「いくらテメェでも…火傷を負いさえすれば…」
ブォン バキィ!
マクス「が…ッ!?」ドカァァン!
クラン「マクスー!!」
マクスが槍の一撃で吹っ飛ばされる。だが、何より異様だったのは…。
ロジェステ「どういうこと!?火傷を負ったのに攻撃の勢いが止まらない…!?」
エストリエ「ねぇ、それどころか…アイツ、回復してない…!?」
そう言われたロジェステはエラドーラの腕の火傷痕を見ると、尋常じゃない早さで痕が塞がって回復しているという、本来ならあり得ない光景が目に飛び込んできた。
エラドーラ「ハッ!オレ様を誰だと思ってやがる?獄炎を司る邪帝が、この程度の火傷で傷つくとでも?むしろ気持ちいいくらいだなぁ!!」
マクス「クソッ!なんでもアリかよ…!」
クラン「怯むな!攻撃を続けろ!!攻撃しつづければ、いつかは倒れるはずだ!それまで絶対に攻撃の手を緩めるな!!」
マクス「クラン…あぁ、そうだな!!まだまだこっからだ!!」
その後もマクス達は攻撃を続けた。
しかし、エラドーラの勢いが落ちる気配はまるで無く、マクス達は疲弊していく一方。さらに、モルテンブレスやラプラの瘴気によりみるみるうちに体力を削られていっており、マクス達はじわじわと押されていった。
エラドーラ「どうした?まだこんなモンじゃねぇはずだろ?もっと来いよ。」
クラン「こ…こいつの体力は…底なしか…?まるで疲弊する気配がない…。」
エストリエ「それどころか、火傷負ったら回復する始末…。キリが無いったらありゃしない…。」
ロジェステ「しかも向こうはラプラくんが出す瘴気でじわじわ削られる一方…。大ピンチね…。」
マクス「はぁ…はぁ…ちくしょう…。またダメなのか…?」
エラドーラ「確かに前よりは楽しめたが…所詮この程度か。そろそろ終わりにしてやるか。」スッ…
エラドーラはトドメを刺そうと槍を振り上げる。その時だった。
ラプラ「だ…だめ…もう…やめて……。」
エラドーラの耳にラプラの悲痛な声が入ってくる。それを聞いたエラドーラは、しばらくの静寂の後、邪悪な笑みを浮かべた。
エラドーラ「…よし、気が変わった。今回はオマエに有終の美を飾らせてやろうじゃねぇか。その方が面白そうだしな。光栄に思いな。」
ラプラ「え…?そ…それは……どういう……」
ドクンッ!
ラプラ「あッ、ああぁっ!?な…なんだこれ……身体が…熱い……!それに…身体が…言うことを……聞かない……!?」ザッ…ザッ…
次の瞬間、ラプラは突如として苦しみ出し、ジリジリとマクス達に近づいていく。
マクス「ラプラ、どうしたんだ!!エラドーラ、テメェ…ラプラに何しやがった!?」
エラドーラ「簡単なこった。超EX技滅命の終劇を強制的に発動させたのさ。これを使えば最後、ソイツは大爆発を起こしてオマエらはソイツ諸共吹っ飛ぶって寸法だ。」
ラプラ「だ…ダメ…クラン…さん……マクスくん……逃げ…て…!!」ドスッ!ドスッ!!
ラプラがマクス達の前に近づくと同時に、ラプラの身体から痛々しく棘が生えてくる。大爆発まで残りわずかという合図だ。
マクス「ラプラ!!クソッ!!何か…何かラプラを助ける方法は…!!」
クラン「くっ…エラドーラ…貴様ァァァァァァ!!!!」
エラドーラ「ハッハッハァ!!お友達にトドメを刺してもらえるんだ。もっと感謝してほしいところだがなぁ!!」
エストリエ「コイツ…どこまで腐ってんのよ…!!」
マクス「ラプラ!しっかりしろ!今すぐオレっちが助け…」
スッ……
マクスは声を荒げるが、ラプラが左腕をだしてそれを制止する。
マクス「ラ…ラプラ…?」
ラプラ「ご…ごめん…僕はもう…ダメみたいだ…もう助からない………。」
マクス「な…何言ってんだよ!?オレっち達が必ず助けてやるから…!だから……!!」
ラプラは静かに首を横に振る。
ラプラ「もう…いいんだ……。気持ちは嬉しいけど…このままじゃ…みんなを…傷つけちゃう……それだけは…嫌なんだ…!」
ラプラは血涙を流しながらそう答える。
マクス「ラプラ……。」
ラプラ「クランさん……あなたの盾は誰よりも堅く…優しかった…。ずっと、その優しさに…憧れて…ました。…これからも、王国を護って下さい……。」
クラン「ラプラ……。あぁ…わかった…ッ!!」
ラプラ「エスティさん……あなたのファッションセンスは…魔界イチ…いや、オレカ界…イチです。トップコーディネーターになれること、心の底から祈って…ます…。」
エストリエ「ラプラ…やめなさいよ…!そんな…そんな今生の別れみたいなこと言うのは!!」
ラプラ「ロジェステさん……マクスくん達のこと、ありがとう…ございました…。これからもみんなのこと、頼みます……。」
ロジェステ「…えぇ。任せてちょうだい。」
ラプラ「そして……マクス…くん。」
マクス「……おう。」
ラプラ「僕…悪魔王になった君の姿…見たかったなぁ……。それだけが心残りだよ…。……マクスくん。……こんなヤツ、絶対ぶっ飛ばして… 悪魔王になって…!約束だ…!」
マクス「……ラプラ…。…ああ。オレっち…絶対悪魔王になってやる!!なってやるから…そんな…そんな悲しいこと…言うんじゃねぇ!!」
ラプラは身体から棘が生えつつも、弱々しくマクス達に激励をおくる。
エラドーラ「そろそろお涙頂戴の時間は終わりか?ならそろそろ吹っ飛んでもらうか。」
ラプラ「……ッ!!」ダッ!
マクス「ら…ラプラッ!!」
エラドーラ「何ッ!?コイツまだ……!」
ラプラは自分の死期を悟り、最後の力を振り絞りエラドーラに急接近する。
ラプラ「マ…マクス…くん…みんな……迷惑かけ…ちゃって…ごめ…… あり…が………」
カッ
ドガァァァァァァァァン!!!!
ラプラはエラドーラを中心に大爆発を起こし…その場に倒れた。
マクス「───ら…ラプ…ラ……?」
エラドーラ「チィッ!アイツ…最後の最後に余計な真似しやがって…!まぁいい!どのみちアイツは捨て駒にする予定だったんだ!コイツらをぶっ殺すのには変わりねぇ!」
さしものエラドーラも、ゼロ距離での自爆を受けたことで重傷を負っており、彼の最後の抵抗が無駄ではなかったことの証左だった。
そして…
マクス「……さねぇ。」
エラドーラ「あ?なんか言ったか?」
マクス「………テメェは…テメェだけは…!!マックス許さねぇぇぇぇぇ!!!!!」ゴォォォォォォ!!!!
怒りと共にマクスの炎が燃え上がる。戦いは、佳境へと迫っていた。
続く