ゼノゴン「ゼノ♪ゼノ♪ゴン♪ゴン♪」
スタン「本当に可愛いなぁー、ゼノゴン。しかもこれで強いんだから驚きだ。本当に凄いヤツなんだな、ゼノゴン!」
ゼノゴン「ゼノッ!(ドヤっ)」
前回、ゼノゴンを誕生させ、仲間に加えたスタン一行。今日も今日とて魔王討伐の旅の真っ最中。
マナナ「ねぇ、なんかこの辺、寒くない…?」
スタン「うん?…ゼノゴンが暖かいからかな?オレは特に何も感じないけど…02、今の気温は?」
ボット02「計測中…計測中…デマシタ!タダイマノ気温ハ、2℃デス!」
マナナ「に…2℃ぉ!?どおりで寒いわけだよ…ブルル…。ここら辺は雪原地帯なのかな…」
スタン「みたいだな…。ん?あそこに誰か…。あ…アイツって!?」
マナナ「ちょ、ちょっとスタン!?」
スタンが駆け出した先には、一人の剣士がいた。彼の名は…
スタン「おーい!グレーン!!」
グレン「うん?…誰かと思えばスタンか。」
彼は剣士グレン。物語の始まりで、スタンより一足先に旅に出ていた王国剣士である。すごくクールで、剣術の腕も一流だ。スタンとは、同じ時期に王国剣士に任命された戦友であり、彼にとってグレンは、最大のライバルだ。
スタン「一人で旅に出るなんて水臭いぞ!オレに言ってくれれば、ついて行ったのに…。」
グレン「フン、弱いお前を連れて行ってなんになる?弱いヤツを連れて行くくらいなら、一人で旅した方がずっといい。」
スタン「なんだとぅ、やるかー!?(怒)」
マナナ「まぁまぁ落ち着いて…。そう言えば、グレンはこんなところで何やってるのさ?」
グレン「……お前らには関係ない。」
スタン「えー?辛気臭いこと言うなよー?なぁー?オレ達の仲だろー?」
グレン「はぁ……。今夜、ここに"あるモンスター"が現れる。オレの狙いはソイツだ。ソイツは吹雪の夜に現れると言われていてな、この辺りに出没してると情報があった。辺りの気温が低いのも、そのせいだ。オレは個人的にヤツとは因縁があってな…ここでヤツを待って、討ち取る。」
スタン「ふーん、そうかー。じゃあ、オレもここで待つ!」
グレン「はぁ…お前らには関係ない……と言って聞くヤツじゃなかったな。好きにしろ。」
スタン「ありがとう!丁度グレンの強さも見てみたかったし、いい機会だ!それに、何かあった時は、オレが助けてやるから、いつでも頼ってくれ!」
グレン「……。」
マナナ(グレンって、基本的に他人に冷たいけど、なんやかんやでスタンには甘いんだよなぁー……。)
ゼノゴン「ゼノ?」
そして吹雪の夜…その時は訪れた。
マナナ「さ…寒い…動けそうにない…。02は大丈夫?」
02「ピー、ピー、エラー発生。エラー発生。タダチニコオッタ箇所ヲナオシテクダサイ。」
マナナ「あらら…。寒冷地対応とかしてないからエラー吐いちゃってる…これは朝まで動かないなぁ…。ごめん…スタン!ボク達動けそうにない!」
スタン「マジか…。おーい、グレーン…。お前が狙ってるモンスターはまだかー…?こんな吹雪じゃあ、流石にゼノゴンカイロも持ちそうにないぞー…。」
ゼノゴン「ゼノノノ…(ガクブル)」
グレン「……来る。」
ザッザッザッ…
???「グルルル…」
スタン「アイツが、グレンの狙ってたモンスター?」
グレン「ああ、雪狼ガルム。やはり来たか。オレはこの時を待っていたんだ。」
フッ…
スタン「消えた!?」
グレン「油断するな、吹雪の夜で視界は最悪だ。どこからヤツの攻撃が来るか、わからんぞ。」
スタン「ガルムの独壇場ってワケか…厄介だな…」
ビュゥゥゥ……
グレン「……そこか!」
スタン「へ?うわっ!?」
キンッ!
グレンはガルムの攻撃を読んで防いだ!
ガルム「……」
ガルムは再び吹雪の中に姿を消した!
スタン「アイツ、また…ぐっ!?」
ガキンっ!
スタンは咄嗟に盾で攻撃を防いだ!
グレン「これでは防戦一方だな…。攻撃しては吹雪の中に姿を消す…。見事なヒットアンドアウェイだ。なんとかして確実にヤツに攻撃を当てなければ…。」
スタン「うぅ…大丈夫かゼノゴン…。このまま、凍死するまで追い詰められちまうのかな…。」
ゼノゴン「ゼノー!?」
グレン「…スタン、無理するな。さっきからお前ばかりが狙われてる。ハッキリ言って足手纏いだ。」
スタン「な…なんだとー…。あぁダメだ…寒すぎて怒る気にもなれない…。ゼノゴン…頑張って暖めてくれ…。」
グレン「全く…。(……いや待て。そう言えば、さっきから何故ヤツはオレではなく、スタンの方ばかり狙ってきた?この吹雪の中だ。ヤツにも何か探知方法があるはず…。まさか…!)」
スタン「ん?…どうしたグレン?」
グレン「……スタン、オレに良い方法がある。おそらく、これで確実に倒せるだろう。」
スタン「ほ…ホントか…!?流石はグレンだな…!」
グレン「ただし、この作戦には、お前とそのドラゴンの協力が必要だ。頼めるか?」
スタン「あ…ああ!任せておけ!出来ることならなんでもやるぞ!」
グレン「そうか…頼りにしてるぞ。」
ガルムからの攻撃を凌ぎつつ、数分後…。
スタン「よし、作戦実行だ!ゼノゴン!」
ゼノゴン「ゴン!ゼーノー、ゴーン!!」ボォーっ!!
ゼノゴンの口から炎が吹き上がると同時に、スタンは叫ぶ。
スタン「オレはここだ!どこからでもかかって来い!!」
ガルム「……っ!」
ザッ!
スタン「今だ、グレン!」
ガルム「っ!?」
ガルムの背後から、突如としてグレンが現れ、ガルムを捉える。
グレン「この剣の真髄、見せてやる。
ザンッ!
ガルム「ギャウゥ……」ドサッ…
ガルムは倒れた!
グレン「思った通りだ。ヤツは熱でこっちの位置を把握していた。だからオレではなくスタン…正確には、この場で最も体温の高かったゼノゴンとやらを集中して狙ってきた。それさえわかれば簡単だ。後はオレのコールドブレードで体温を誤魔化し、スタン達に集中させる。助かったぞ、スタン。」
スタン「なぁ…、これ結局囮作戦だろ!?何で誇らしげな顔してるんだ!?下手したら死ぬとこだったんだぞ!?」
グレン「フン、倒せたのだから別にいいだろう?」
スタン「なんだとー!?」
マナナ「う…うるさい…」
吹雪が止みつつある中ケンカし続けた2人だが、彼らの表情には、笑顔があった。
そして、夜が明けた。
スタン「なぁ、本当にまた一人で旅を続けるのか?」
グレン「オレの考えは変わらん。強さが手に入るなら、一人でも旅を続けるさ。」
スタン「そっか…。なぁグレン!また、どこかで会えるかな?もしまた会えたらさ、今度はオレとグレンで勝負しないか?お前と再会するまでに、オレも強くなるから!」
グレン「……フッ、期待しているぞ。」
スタン「こちらこそ!じゃあ、またなー!」
そして、グレンは再び一人で歩みを進める。そしてスタン達も、グレンを見送った後、再び出発する。「また会ったら勝負しよう」という約束を残して。
……だが、次のグレンとの再会があまりにも残酷なものになろうとは、この時のスタンはまだ、知る由もなかった…。