オレカバトル2 ストーリーズ   作:セッツァー

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前回、バンドを結成した時の思い出に浸っていたヴェッチ達。
今でこそ順風満帆のバンド活動を謳歌しているヴェッチ達ですが、ここに至るまでには、様々な苦難があったのです。


第5章 3rd Live 巡り合いのなかで生きてく

鏡の城への道にて…

ヴェッチ「大冒険か…。確かに、ここまでで色んなヤツに会ったよな。みんな個性的だった。」

チューン「個性的で済んだらそれでよかったけどね…。あたし達が歌の参考にした奴ら、軒並みやばかったでしょ?忘れた?あの時だって…。」

 

時は遡り、二ヶ月前、遺跡群にて…。

ヴェッチ「たまにここから歌声が聴こえてくるって近くの村人が言ってたけど…本当かな?」

バンドを結成したばかりのヴェッチ達が訪れたのは、寂れた遺跡群。なんでも、ここから不思議な歌声が聴こえるという噂があるらしく、曲の参考にならないか視察に来ていた。

チューン「ねぇ…ここ本当に入って大丈夫な場所?ちょっと不気味なんだけど…。人もモンスターの気配も全くないし…。」

ヴェッチ「……正直、それは思ってる。それに……さっきから視線を感じるんだ。不思だろ?おれ達以外、誰もいないはずなのに…。」

チューン「えっ!?な…何言ってるの!?冗談はやめてくれない…?」

02拍子型「ピーッ!ピーッ!モンスターノ ハンノウヲ ケンチ!イッパイイマス!」

突如として、02のセンサーがモンスターを捉える。ヴェッチ達が周囲を見渡すと、いつの間にか沢山の石像に囲まれていた。

ヴェッチ「なんだ、コイツら…!いつの間に…」

モアイ「シンニュウシャヨ…。ワレラノリョウチニ、ナニヨウカ…?」

チューン「参った…コイツら、モアイだ…!早く逃げないと、洒落にならないことになるよ!」

02拍子型「デモ、カコマレテテ ニゲラレナサソウ…。ドウシマス?」

ヴェッチ「何とか説得してみよう。すまない、君たちの領地だとは知らなくて…何とかここを通してくれないかな?」

モアイ達「「………。」」

モアイ達は無言を貫いており、一切の感情が読み取れなかった。

ヴェッチ「…駄目…かな?」

モアイ達「「………。」」

ゴゴゴゴ…

チューン「な…何!?」

しばらく静寂が続くと、突如としてそれを破るように地響きが起こる。

02拍子型「ナ…ナンダカ、ヤバソウデス…!」

ドガァァン!

遺跡の地中から、轟音と共に軽く50m以上はありそうな巨体が姿を現す。見たところ、モアイ達のリーダーのようだ。

ヴェッチ「き…君は?」

???「ワタシハ、カミニシテヘイキ…。タタカイヲオワラセルモノ…。古代兵器モアイ……。」

ヴェッチ「そ…そうか…。なぁ、何とかここを通してもらいたいんだが、駄目か?」

古代兵器モアイ「ワタシハ、タタカイヲオワラセルモノ…。ソナタタチハ、タタカイヲノゾムモノカ…?」

チューン「全然!ここから歌声が聴こえるから来てみただけ!もしかして、この遺跡から聴こえてきた歌って、あんたが?」

古代兵器モアイ「ウタ…?ワレハ、シンニュウシャニタイシ、カンコクヲヒビカセルノミ。ソナタラニトウ。ウタトハ…ナンダ?タタカイヲヨブモノカ…?」

02拍子型「チガウゼ!ウタハ、タノシイモノ!ココロヲ アツクスルモノダゼ!」ベーン!

拍子型はベースを響かせながらアピールする。

古代兵器モアイ「タノシイ…?」

ヴェッチ「あぁ。おれ達はバンド活動をしてて、歌を奏でるんだ。何だったら、ここで聴かせてやるけど…構わないか?」

古代兵器モアイ「………イイダロウ。」

ヴェッチ「ふぅ…。よし、2人とも、即興ライブだけど、行けそうか?」

チューン「無茶言ってくれるじゃん…。でもそういうことなら、やってやるわよ!」ギューン!

02拍子型「イアツカンガ スゴイケド…ハリキッチャウゼ!」ベーン!

ヴェッチ「よし…。そういうわけで一曲歌わせてもらうぜ!じゃあマイクのテストを…。」

マイクテストのために、軽くマイクに声出しをするヴェッチ。だが……。

バチンッ!

ヴェッチ「うわっ!?」

キーーーン……

突如、マイクテスト中に電流が走り、超音波が鳴り響く。

チューン「ちょっと…マイク調整ミスったんじゃないの?ちゃんとメンテしてる?」

ヴェッチ「ご…ごめん。モアイ達も、大丈夫だったか?気を取り直して…。」

古代兵器モアイ「…………………。」

ヴェッチ「あ…あれ?どうしたんだろう?」

チューン「ねぇ、あたし…ものすごく嫌な予感がするんだけど…。」

古代兵器モアイ「………コウゲキコウドウヲカクニン。シンニュウシャヨ、ワガカンコクニシタガエ。」

02拍子型「アワワ…モシヤオコッテマスカ!?」

チューン「マズイ!早く逃げ……!」

モアイ達「「「〜〜〜〜〜〜〜♪」」」

直後、モアイ達が歌声にも聴こえる音を鳴り響かせる。すると…。

ヴェッチ「あれ…?なんだか……身体が…………重く……………」カチーン!

ヴェッチは石になった。

チューン「ヴェッチー!?02!ヴェッチを運んで!早くこっから逃げるよ!」

02拍子型「ワカッタゼ!」

スタコラサッサー!

こうして、チューン達は石にされたヴェッチを連れて遺跡を去っていった。

古代兵器モアイ「…………ウタ、キキタカッタ……。」

 

そして現在。

ヴェッチ「そうだった…。おれ、あの時石にされて…。迷惑かけてごめん……。」

チューン「全く!あの遺跡通るのはもうごめんだからね!」

02拍子型「アノモアイ、イマドウシテルデショウカ…?」

ヴェッチ「そういえばアイツ、自分から"神"を名乗ってたけど、この辺ってそういうの多いのかな?ほら、夜の森を抜けようとした時も…。」

チューン「あー。そういえばそんなこともあったわね…。」

 

再び時は遡り、二ヶ月前、夜の森にて。

ヴェッチ「ここを抜ければ、すぐに村があるんだな?」

チューン「たしかそのはず…。もう夜も遅いし、さっさと森を抜けて休みましょ。」

02拍子木「ブ…ブキミデス…。オバケハ デナイデショウカ…?」

チューン「ロボットがお化け怖がってどうすんのよ…。」

そうしてしばらく森を進んでいたのだが、ふと拍子型が"あること"に気づく。

02拍子型「フタリトモ スミマセン、コノミチ…サッキモトオリマセンデシタカ?」

チューン「えっ…な、何言ってるの…?ずっと一直線に進んでるのよ?そんなことあるわけ…。」

ヴェッチ「いや、待ってくれ。……この木、さっきも見たな。枝が腕みたいになってたからよく覚えてる。」

そう言ってヴェッチは特徴的な枝の木を指差す。

チューン「えっ…。ということはもしかして……迷った!?」

狼狽えるチューンだったが、それをよそにヴェッチは周囲に睨みを効かせる。

ヴェッチ「……誰だ?さっきからずっとおれ達を見てるだろ?気配を感じる…。姿を現したらどうだ?」

???「あら?勘が鋭いのね。この夜闇の中で私の存在に気づくなんて…。」

どこからともなく声が響くと、ヴェッチ達の前に全身黒づくめの女性が姿を現す。

ヴェッチ「おれ達を閉じ込めたのはきみか?」

???「おまえ、随分と馴れ馴れしいじゃない。私は女神ノート。この森の主のようなもの。私の許可なく夜の森を通ろうとなどとは…不敬にも程があるわ。おまえ達を閉じ込めたのは、その罰よ。」

チューン「罰って…理不尽にも程がない!?私たちはただここを通ろうとしただけで…。」

ノート「問答無用。私の夜を穢した罪は重いわよ。…おまえたちには、永遠に明けない夜を送ってやろう!ノート・インフェステーション!!ズォォォ…!

ノートはそう言って3人を威圧すると、黒い影のような魍魎を呼び出し、3人を囲い込む。

02拍子型「ヤ…ヤルシカナサソウデス!」

ヴェッチ「……だったら、その夜明かしてやるよ。」

ノート「……なに?気でも触れたか?」

チューン「ヴェッチ…あんたまさか…。」

ヴェッチ「あぁ、幸い沢山の観客がいるんだ。…おれ達の実力を試すのにはピッタリのステージじゃないか!」

チューン「はぁ…わかったわよ!やってやろうじゃないの!」

02拍子型「ボクタチノビート、ソノムネニキザンデヤルゼ!!」

 

〜♪〜♪

 

ヴェッチは2人を鼓舞し、即興ライブを始める。心躍らせるビートは、たちまち影の魍魎達をも熱狂させ、さながら夜の音楽会のように賑やかになった。

ヴェッチ「ふぅ……。どうだ?おれ達の唱は?おまえの胸に、響いたか?」

ノート「………。」

チューン「な…何とか言ったらどうなの…?」

ノート「……静寂とは程遠いほどの賑やかな音、そんなものは私の夜には必要ない。正直不愉快ね。」

02拍子型「ソ…ソンナ……。」

ノート「でも……魍魎達はおまえ達の音が気に入ったようね。いいわ、今回は彼らに免じて赦してやるわ。」

周囲の魍魎達は笑顔で喜んでおり、それを咎める気はノートにもなかった。

ヴェッチ「いいのか?」

ノート「ええ。ただし、これ以降夜には魍魎達がおまえ達の音を聴きに来るでしょう。彼らの気を損ねようものなら…今度こそ命はないと思いなさい。」

ノートはそう言って、森を閉じていた闇を解く。

ヴェッチ「すまなかった。なぁ、今度きみもライブに来てみないか?」

ノート「断る。」

チューン「そ…即答……。」

ノート「だが…子守唄のような優しい曲があるならば…夜だけは姿を見せるとしよう。さぁ、行くがいい。」

ヴェッチ「……わかった。必ずそういう曲も用意しよう!アーティストはオーディエンスの声に応えるものだからな!」

 

そして現在。

ヴェッチ「今思えば、ノートのおかげでおれ達の曲のレパートリーも増えた。ある意味ではいい出会いだったかもな。」

チューン「そうね。……夜のライブには毎回あの魍魎達が来るようになったけど。」

02拍子型「サイショハ ブキミデシタガ、ナレタラ カワイイモノデス!」

ヴェッチ「だな。思えば、色んな巡り合いがあったな。」

チューン「そうね。あんたは、どの出会いが一番印象に残ってる?」

ヴェッチ「おれか?そうだな…。やっぱり、彼女との出会いだろう。魔海で彼女に会ってから…おれ達が進むべき道は定まったようなものだしな……。」

そう言うとヴェッチは、その時の出来事を追憶し始める。…嫉妬に塗れて落ちぶれた人魚との出会いを。




作者よりお知らせ
7月22日より、chevonがオレカバトル2のために手がけた楽曲である「Lamipus」が配信スタートしました!これを聴けば、この章も深みが増すかも?ぜひ聞いていただければと思います!
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