オレカバトル2 ストーリーズ   作:セッツァー

69 / 69
真実を知ったヴェッチは一人でライブを開くが、クラスチェンジを果たした03弦楽型と再会する。
その後、ファン達に裏方で話を聞かれてしまい、真実を話すことに。それを聞いたファン達との会話で、ヴェッチは本当にやりたかったことは何なのかを気付かされる。
決心を固めたヴェッチはファン達の協力を受け、最後のライブの準備を進め始めた。


第5章 9th Live 未来を決め付けないで

冬に閉ざされた北の大陸では今、そこら中にあるチラシがばら撒かれていた。

『ヴェッチ・ファイナルライブ!!Return of Spring』と書かれたそのチラシには、開催場所が『鏡の城』と書かれており、勘のいい者にはミードへの宣戦布告と読み取ることができた。この一大ニュースは、瞬く間に北の大陸1番の話題をかっさらうこととなった。

ファンの男「俺にできることはこのチラシ配りくらいだ。後は一人のファンとしてお前の勇姿、見届けさせてもらうぜ…!」バサァ!

そして……ついにその日はやってきたッ!!

 

鏡の城前……

ヴェッチ「ここに来るのは二度目だな…。」

03弦楽型「キンチョウ シマスカ?」

ヴェッチ「少し。でも…今は03がいるから大丈夫だ。いつも通りやるつもりさ。03こそ、間違いなくチューンと戦うことになるが、大丈夫か?」

03弦楽型「…エエ!ボクノジョウネツ、ブツケテヤルゼ!」

ヴェッチ「なら大丈夫そうだな。よし、行くぞ!」

そう言って鏡の城に足を踏み入れようとした、その時だった。

 

シュゥゥゥン!!

 

ヴェッチ「この光は…!」

鏡の城の壁から眩い光が迸る。そして、この出現方法をする相手をヴェッチ達は知っている。

ヴェッチ「…やっぱりいたんだな。トゥルース。」

トゥルース「やぁ、ヴェッチ!その姿、かっこいいよー!!今のヴェッチなら、この世界を変えられちゃうかもね!さすがだよ!」

ヴェッチとミードに降りかかった氷劇の元凶とも言えるトゥルースに対して、ヴェッチは静かに答える。

ヴェッチ「…なぁトゥルース。もう終わりにしないか?おれもミードも、こんな運命望んじゃいない。おれもアイツも…なんのしがらみもなく自由に唱いたいだけなんだ。」

トゥルース「終わらせるだって?ダメダメ!トゥルはキミたちのファン!もっとヴェッチの歌声もミードの歌声も聴きたいんだ!それに、キミはミードを倒して、本物になりたいんじゃないのー?」

ヴェッチ「"今までのおれ"だったらそうだったろうな。けど…"今のおれ"には、支えてくれる仲間がいてくれる。本当とか偽物とか、そんなのは今は後回しだ!今のおれは、たくさんの人を熱狂させるアーティスト・ヴェッチ。それ以外の何者でもない!

03弦楽型「ヴェッチハヴェッチ!ソレガコタエダゼ!」

ヴェッチと03はトゥルースに、これまでの運命を否定するという反論を突きつける。

ヴェッチ「そういうことだ。おれ達は1人のファンの我儘に付き合っていられる程、暇じゃないんだ。そこをどいてくれ。」

トゥルース「……そ。キミがそのつもりなら……」

ピカッ

03弦楽型「!?ヴェッチ、アブナイ!!」バッ!

ヴェッチ「えっ…うわっ!?」バシィ!

ピシュゥン!!

突如、城の壁が光ったと思いきや、そこから眩い光線が発射される。咄嗟に03がヴェッチを突き飛ばしたため無事だったが、着弾していた場所の雪はそこだけ綺麗に溶けていた。

03弦楽型「ダイジョウブデスカ、ヴェッチ!」

ヴェッチ「あぁ…でも今のは…!?」

ピカァァッ!!

鏡のドラゴン「ギャシャァァァ!!

同じ場所から眩い光と共に、今度は鏡のようなものが身体中についた巨大な白いドラゴンが鏡の中から姿を現す。

ヴェッチ「さっきの光線、もしかしてアイツが…!」

トゥルース「ビックリした?この子はトゥルの友達、鏡竜リフレクドラゴン!!トゥルとリフレクドラゴンのコンビは強いよー?もしもキミ達がトゥルの邪魔をするって言うなら…トゥル達も全力で、キミを止めなきゃだ。」

トゥルースの軽快感のあった声色が、急に緊張感のある声に変わる。どうやらトゥルースは本気のようだ。

03弦楽型「ヤルシカ…ナサソウデス!」

ヴェッチ「あぁ…正直ファンに手を出すのは気が引けるけど…この厄介ファンにはちょっとだけ、反省してもらうことにしよう!!」

 

トゥルース「やるからには…容赦しないからね。キミみたいな真面目さんには〜…お仕置きのミラーズボール!」バシィン!

ヴェッチ「お前の攻撃、シンプルだな。その程度なら…打ち返せる!」パキィン…カーン!

トゥルースは光弾を飛ばしてくるが、ヴェッチは氷を纏わせたマイクで難なく打ち返す。そして打ち返された光弾はトゥルース目掛けて返ってくる。

ヴェッチ「よし、これで…。」

トゥルース「今さ、うまく行ったって思ったでしょ?トゥルにはそんなのお見通し!お願い!」

リフレクドラゴン「ギャシャァァァ!!」ピシィーン!!

リフレクドラゴンはバリアを展開し、トゥルースの光弾を防ぐ。そして、光弾はしばらくバリアで停滞し…。

キィィィ…

03弦楽型「ナ…ナンデショウ…イヤナヨカンガ……。」

カッ ドシュウン!!

ヴェッチ「なっ!?さっきより光弾の勢いが…うわっ!?」ドガァァン!

しばらく停滞した光弾は溜めていた勢いを一気に解放し、ヴェッチに襲いかかる。

03弦楽型「ヴェッチ!!イマ…ナニガ!?」

トゥルース「リフレクドラゴンのバリアはね、受けた攻撃を跳ね返すことができるんだよ!そしてトゥルがこれを使えば…」キラーン…

トゥルースが持っている手鏡に戦士のような紋様が浮かび上がる。

トゥルース「()()()()()()()()()()()()()。」

ヴェッチ「それはハッタリのつもりか?なら直接攻撃して…!」ダッ!

03弦楽型「イケマセン、ヴェッチ!!」

キィィィィン… 《

ヴェッチのマイクがトゥルースの手鏡に触れると、手鏡に映ったヴェッチの鏡像が動き出す。

ヴェッチ「なっ…これは…!?」

トゥルース「だから言ったでしょ?『キミはトゥルに攻撃できない』って。」

バキィィン!

ヴェッチ「ぐぅ…!!」ズザァ…

ヴェッチは咄嗟に反応して鏡像の攻撃を受け流す。

03弦楽型「ダイジョウブデスカ、ヴェッチ!」

ヴェッチ「ああ…だけど…まるで隙がない…。」

トゥルース「どう?トゥル達強いでしょ?降参するなら許してあげるよ?」

ヴェッチ「だ…誰が降参なんか…!」

トゥルース「強がっちゃってー!じゃあトゥル達をどうやって倒すのさ?」

ヴェッチ「ぐっ……。」

トゥルース「倒せないよね?じゃあまずは、そこのロボットさんから倒しちゃおうか!」

そう言ってトゥルースは手鏡を03の方へと向ける。

03弦楽型「エッ!?ボクカラデスカ!?」

トゥルース「うん!だってキミのせいでヴェッチが変わっちゃったからね。ならもうこういうことが起きないようにしなきゃ!ヴェッチはそこで見ててよ!」

ヴェッチ「03!お前だけでも逃げろ!」

03弦楽型「……イヤデス。コノママダト ヴェッチハ、マタ"ツライウンメイ"をタドルコトニナッテシマイマス…。ダカラ…ボクガヴェッチヲ ササエテアゲルンデス!!ツライウンメイヲ ノリコエラレルヨウニ!!」

そう言って03はヴェッチの前に立ち、彼を庇う形になる。

ヴェッチ「03…。」

トゥルース「ふーん、そう。まっ、トゥルには関係ないけどね!じゃあ、バイバ〜イ!」ピョン!

トゥルースは飛び上がると、さながら手鏡をテニスラケットのように振りかぶり、光弾の発射体制に入る。

03弦楽型「ヴェッチ…!!」

03が大破を覚悟した…その時だった。

 

バキィィィィィィ!!!

 

トゥルース「……へ?」ピシ…ピシ…

突如、トゥルースの横顔に強い衝撃が叩きこまれる。

???「ぱーふぉーーー!!!」バキィィ!!

トゥルース「ぎゃん!?」ドサァ…!

そのまま大きな拳は鳴き声と共にトゥルースの顔を殴り抜け、トゥルースを大きくぶっ飛ばした。

???「ふぅ…なんとか間に合った〜…。お待たせ、ヴェッチ!」

ヴェッチ「その声…まさか、来てくれたのか!?スノー!イエイエティ!!

イエイエティ「ぱふぉー!」グッ!(サムズアップ)

そこにやってきたのは、イエイエティとそれに乗ってきたスノー。ヴェッチ達を助けにきてくれたらしい。

スノー「君はチラシ配りだけでいいって言ってくれたけど…やっぱり君らのこと、ほっとけなくてね…。悪いけど手伝わせてもらうよ!」

03弦楽型「ア…アリガトウゴザイマス!」

トゥルース「ら…乱暴だなぁ…キミは…。顔にちょっとヒビが入っちゃったよ…。」ピシ…

スノー「おっと…驚いたなぁ。イエイエティのパンチを喰らって立っていられるなんて…。なら僕も…久しぶりに暴れてみようかな?」

スノーはそう言うとロッドを構えて臨戦体制に入る。

スノー「この鏡コンビは僕らに任せて、ヴェッチさんは先に行ってください!」

ヴェッチ「い…いいのか?」

スノー「あぁ!君はこれからミードとの最後の戦いがあるんだろ?ならここで油を売ってる暇はないよ!さぁ、行って!」

イエイエティ「イェーイ!」イエイエティはマッスルポーズをとって、「ここは任せろ」と言わんばかりにアピールしている。

03弦楽型「ヴェッチ…。イキマショウ!」

ヴェッチ「……わかった!この後のライブ…必ず見届けてくれよ!」ダッ!

そう言ってヴェッチは鏡の城へと駆け出す。ミードと決着をつけるために…。

スノー「うん、しっかりとかぶりつきで見させてもらうよ。」

トゥルース「あー!待ってよー!トゥルを無視しないでー!!」

スノー「君の相手は…僕たちだ!絶対に行かせない!!」ザッ…

イエイエティ「ぱふぉぱふぉぱふぉぱふぉー!!」ドンドンドンドン!!

スノーはトゥルースの前に立ち塞がり、イエイエティもドラミングでトゥルース達を威圧する。

トゥルース「はぁ〜…。仕方ないなぁ。ヴェッチ達には手加減してあげてたけど、キミみたいな良い子ちゃんはトゥル大っ嫌いだから…本気で行くよ。」

スノー「ふふん…僕らのこと、甘く見ない方がいいよ?こう見えて、けっこう強いからね!」




お詫び
本日の投稿について、作者の不注意で日付を間違えていたことにより投稿時間が遅れてしまいました。誠に申し訳ございませんでした。
次回はしっかり時間通り投稿させていただきますので、よろしくお願い致します。
-作者

P.S.
ちょっとミード様に氷漬けにされてきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。