あれは嘘だ。
最悪だ。この状態でホシノに会ってしまった。今戦ったら普通に死ぬし、何よりホシノとは戦いたくない。
再びホシノが弾丸を放って来る。慌てて触手を出してガードするが、威力が高く触手が全てちぎれる。強すぎるだろホシノ。
その時、ホシノがこちらを見て動きを止める。……?見られているのは顔の辺り……あっ、そういえば人間に擬態してる途中だった。……ヤバくね?
「──え?スイ……?」
ホシノが僕の顔を見て完全に固まってる。今だっ!逃げるんだよォ!スモーキーーーーッ‼︎……でもまぁ、最後に一言くらい言っておこう。
「縺倥c縺ゅ?縲ゅ?繧キ繝弱&繧薙?」
……声帯部分の擬態が出来ていなかった。この体は別れの挨拶ひとつ出来ないのか。もういい。逃げよう。
「……えっ。待っ」
──校舎へと逃げ帰り、手紙を一通残す。ユメ先輩とは話せなかったし、ホシノとは罵倒されてこっちからは意味のわからない言葉しか言えなかった。だから手紙は必要だろう。
最低限の荷物を持ってブラックマーケットへ向かう。僕がアビドス高校に居る事が出来たのは、人数がとても少ない事と、生徒会長のユメ先輩に許可してもらえたお陰な部分が大きい。
他の学校でも生徒会の強い権力があれば入学する事が出来るだろうが、生徒会の知り合いは僕には居ない。つまり、他の学校には行けない。これからはブラックマーケットで働いて生きていこう。
……ビナーを倒した興奮が冷め、冷静になってくる。ホシノに言われた言葉を思い出し、悲しくなってくる。僕が化け物になっていたというのは分かっていたが、それをホシノに言われると結構ショックだった。
……ユメ先輩はちゃんと助けてもらえただろうか?これからは僕は助けに行けないので、もう少し疑い深くなって欲しい。
ホシノは僕の正体に気付いただろうが、あまり気にせず過ごして欲しい。
あーあ。生でちびシロコとかアヤネ=サンとか会いたかった。
ユメ先輩の卒業も祝いたかったし、ホシノがアビドスオジサンユメモドキに進化する過程も見たかった。
……ふたりともっと一緒に居たかった。
駄目だ。思考がネガティブな方に行ってしまう。もっと楽しそうな事を考えよう。
そうだ、ブラックマーケットに行ったら、便利屋でも開こう。アルに頼んで便利屋68に入れてもらってもいいが、またバレて同じような事になりそうで嫌だ。
……いい事を思いついた。僕はもうアビドスの為に何かすることは出来ないから、せめて最後に役に立とう。
スマホを取り出し、以前黒服が落としていった紙に書かれていた番号に掛かる。
『……どうされましたか?』
『……黒服。体の一部をあげるから、借金半額返済して』
『おや、よろしいのですか?』
『いいから』
『クックック……分かりました。ここに来て下さい』
スマホに位置情報が送られてくる。……はぁ、行きたくない。黒服の思い通りになっている気がして、気分が悪い。でも行くしかないだろう。黒服を呼び出して自分は行かないってのもやってみたいが。
──指定された場所へ行き、腕ひとつ分くらいをくれてやった。
腕を貰って喜んでいる黒服が、某スタンドが使える綺麗な手が大好きな変態に見えた。スーツ着てるし変態だし、黒服と吉良吉影って案外似ているのだろうか。
あと借金については、キリよく5億払って貰った。ちょっと量を増やしたら了承してくれた。コイツってどっから金持ってきてんだろ。実はどっかで働いているんだろうか?
「……では、私はこれで」
「じゃあね。あっ、そうだ」
「?」
「5億払ってくれたサービスで教えてあげる。あと2年でキヴォトスにとある人がやって来る。その人は、僕なんかよりもっと面白いと思うよ」
「……なるほど。ありがとうございます」
そういうと、黒服は消えてしまった。よし。これでおそらく黒服の興味は2年後に来る先生に移るはず。先生には悪いが、身代わりになってもらおう。
……ちゃんと来るよな?ちょっと不安になって来た。あれだけカッコつけて来なかったら凄い恥ずかしい。
……まぁこれで、僕が出来る事は全部やった。後はふたりが頑張るだろう。これで気にせずにアビドスを去る事が出来る。
そう思っていたが、ブラックマーケットへ向かう足取りは重かった。
ホシノの曇らせっていいよね。
今日は旅行先でホタテと牡蠣を食べました。とても美味しかったです。
あとシマエナガのデカめのぬいぐるみを買いました。かわいい。
夜調子に乗ってドリンク飲み放題で5杯飲んだら料理が多くてとてもキツかったです。でも美味しかったです。