スライム(?)で行くブルーアーカイブ   作:強酸性のTKG

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2話

とりあえず今の状況をまとめてみよう。

まずここが何処なのかだが、おそらくブルーアーカイブというゲームの舞台であるキヴォトスだろう。空にゲームでよく見た巨大な光輪が見えるため、間違いないはずだ。

そして目が覚めた廃墟の場所はアビドスだろう。

アビドスはかつてはキヴォトスでもトップクラスの生徒数や資金を誇る強大な学校だったが、大規模な砂嵐の影響により砂漠化が進み、生徒も殆ど出て行ってしまい残っているのはたった数名の生徒と約9億ほどの巨額の借金という酷い状況の学校である。

 

……改めて見ると本当に酷いな………

 

よくこれで何人か残った生徒がいるなと感心するレベルである。

残った彼女たちはそれだけアビドスを思う気持ちが強かったのだろうか。まぁ今はそれはいい。場所は分かったし次は自分の事だ。

もう一回自分をよく見てみる。

 

──ドス黒くてネバネバとしている2メートルほどの塊だ。

よく見ても気持ち悪い追加情報しかなかった。本当に泣きそうだ。

 

ネットサーフィンで得た知識と合わせて考えてみると、おそらく自分はスライムみたいな生命体になってしまったらしい。

 

……どうせスライムになるんだったら、某転生したスライムとかドラク○とかに出てくる可愛らしい見た目のスライムになりたかった。

今じゃどっちかというと、クトゥルフ神話のショゴスとかニョグタの方がよっぽど似ているだろう。

まぁ今までは人間だったし、今でも心は人間のつもりなので大体人間みたいなものと言っても過言ではないだろう。(狂気)

そういえばこの体はどんな事が出来るのだろうか?色々試してみよう。

 

──あれから色々な進捗があった。今まで2メートルほどの塊だったが、大きさと形はある程度自由に出来る様で、真っ黒のままだが人型にもなれる。

一部だけ大きくしたり、自由に触手を出したりなども出来た。そこそこのパワーはあるので中々に使えそうだ。

見つかる危険性があるのでやらないが、膨張すればかなり大きい姿にもなれるだろう。

また、生き物や物に擬態することもできる様になった。これが出来た時はとても嬉しかった。上手く隠しさえすれば、人として生きていくことも出来るだろう。声も意味不明な物では無くしっかり喋れるようになった。

だが、擬態中は一瞬で体を変えたり、触手を出すことが出来ないので注意が必要だろう。

 

──出来ることも増えたので、ついに外に出てみることにした。

中3くらいのいい感じの顔の人間に擬態し、裸だとマズいので服と銃も作る。

服はじっくり見てもわからないほど精巧に擬態したので、大きな傷をつけられない限りバレることはないはずだ。

銃の方はゲームとかでよく見る,グロック26という物を模してみたが、詳しい構造がわからないので撃つことは出来ない。ただのガラクタだが、このキヴォトスで銃を持たない人は、裸で出歩く人よりも珍しいという、狂っているとしか思えない設定がある。

なので、使えない銃でも持ち歩くのは大切だ。

 

──砂塗れの町を散策してみる。こういう景色を見ていると不思議な気持ちになってくる。廃れた町を見て寂しい感情になったり、本物のアビドスを見て感動が湧き上がってきたりする。

それにしても人がいない。本当に人がいない。本編でも砂漠化が進んで人が減っていったというのは言っていたが、ここまでとは思っていなかった。誰でもいいから人に会いたい。

そんなことを考えていたからか、向こうに誰かがいるのを見つける。

嬉しくて駆け出したい気持ちを抑え、ゆっくり歩いていく。

あっちを向いているので顔は見えないが、長い緑がかった薄めの水色の髪をしている。声が聞こえるくらいの距離まで近づいてもこちらに反応する様子はなく、向こうの通行人に声を掛けている。

……普通に人いるのかよ。さっきまでは僕の運が悪かっただけか。

そんなことを考えているとその人の声が聞こえてくる。

 

「アビドス治安維持強化方針の説明会を開催します!

皆さん、どうかご参加ください!」

 

……?

その言葉をゲームで聞いた気がする。だがこんな生徒いただろうか?

アビドスには現状五人しかいない為、ちゃんとその五名は覚えている。

そのタイミングでその人が振り向いてきて顔が見えるようになる。

 

──あっ

 

「説明会のプリントです!目を通していただくだけでもお願いします!」

 

──そこにいたのは。

ゲーム開始時点で居なくなっているはずの、梔子ユメだった。

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