……よし、少し見失ってしまったが、ちゃんと追いついた。あちらはこっちの接近に気が付いているようで、覆面を被り銃を構えて戦えるようになっていた。
「……正体には気付いてるからそんなの被らなくてもいいよ」
「……なんでスイがここにいるの?」
「こっちのセリフだよ、なんで銀行強盗なんてしたの?」
「そ、それは訳があって……」
「金に困ったって事?それでも銀行強盗は駄目でしょ。ユメ先輩も犯罪をしてアビドスを守っても意味ないって言ってたじゃん」
「いや、だから違くて……私たちが取ったのは銀行の集金記録だけだよ?」
「……そのバッグに大量に現金詰めてたのに?」
「……え?」
「……ん」
そういってシロコが気まずそうにバッグを開けた。すると中には沢山の札束が入っていた。ほら、やっぱりやってるじゃないか。
「……へ?なんじゃこりゃ!?カバンの中に……札束が……!?」
「うえええええっ!?シロコ先輩、現金を盗んじゃったの!?」
……ん?やろうと思ってやった訳じゃないのか?
「ち、違う……目当ての書類はちゃんとある。このお金は、銀行の人が勝手に勘違いして入れただけで……」
……なんだ、そういう事か。はー、良かった。てっきりホシノ達が金に困ってやってしまったのかと……
「……なんだ、勘違いか。じゃあ、僕は帰るね。邪魔してごめん」
「あぁ、うん……いや、ちょっと待ってね〜」
ん?なんだ?ホシノ達が何かコソコソと喋り始めた。……待っとかないと駄目かな?……お、終わったみたい。
……ん?なんかこっちに銃構えて……?
「みんな〜、あの人捕まえれば在校生がひとり増えるよー!」
……おっと?
「ん、大人しく捕まれば痛い目に遭わなくて済む」
「うんうん☆大人しくして下さいね!」
「……嘘だッ‼︎」
最悪の場合戦う事も想定していたが、こんなふざけたノリでやられるのは嫌過ぎる。というか、ホシノとの一対一でも勝てなかったし、普通に負ける気がする。なんで僕止めるとか言ってたんだ?普通に無理だろ。バカなのか?この前みたいに狭い空間じゃないから触手で壁を造って逃げるのも出来ない。
……コレ詰んでないか?いや、そうだ!話し合いだ!
「……我々には言葉があります。どうか話し合いの機会を」
「う〜ん……無理かな!さぁみんな、やるよー!」
…………オレのそばに近寄るなああーーーーッ‼︎
──せっかく補充したグレネード類も全て使ってしまったし、背中の触手に取り付けてあった機械も破壊された。触手の方はシロコとセリカに銃で出して直ぐ壊されたが、僕本人には銃弾は撃って来なかった。マジでありがたい。けど凄い殴られたり蹴られたりしたからやっぱり痛い。特にホシノからの暴力が痛かった。途中骨折れたかと思った。
発煙弾や閃光弾を使いつつ攻撃から逃げ続けていたがあのままではジリ貧だった。身代わ……アルが来てくれて助かった。彼女の行く末がいい方に行くように祈ろう。凄いキラキラした顔からいつもの白目顔に変わる様子が見ていて面白かった。
……はぁ、もう一回グレネード補充しに行かないと。
今日は味噌ラーメンを食べました。野菜と一緒に食べると美味しかったです。