……なんか騒がしいな……今いい感じの夢見てたんだから静かに寝かしてほしい。プリンをふたつも食べれる夢だ。でもひとつしか食べられなかった。だからもう一度寝たいが、誰かの声がして上手く寝れない。
……これは誰の声だ?聞く覚えが……
「とりあえず死体を埋めないと……」
「だから死んで無いよ⁉︎……多分」
「でもここまで起きないと少し心配ですね……」
……僕埋められかけてる?まぁいいか。もう一回寝よ。そして今度こそプリンを食べ切るのだ。プリンをふたつも食べちゃいま……いやいやいやいや駄目だろ!早く起きなきゃ!
「僕は死んでな──!ウッ!」
なんか縛られてる!しかも全身痛い!なんだこの状況!?
「あっ、起きた。おはよ〜、気分はどう?」
「……控えめに言って最悪かな。全身痛いし縛られてるし」
ここは……アビドスの校舎か。なんで僕は捕まって……あぁ、そうだ。ホシノに腹パンされて気絶したんだ。だから腹も痛いのか。
ホシノの他には……ノノミとシロコ、先生が椅子に座っている。怪我をしているからか、少し心配そうな目でこっちを見ている。
「……とりあえず開放してもらえない?体が痛くて……」
「無理かな〜、だって離したら逃げるでしょ?」
「……」
当たり前だが装備品も取られている様だ。本当に詰んでいる。
怪我は……相変わらず酷いな。片腕はなんとか治っているが、マトモに使える状態か分からないし、他の部分も大分酷い。
うーん……どうしたものか。もう逃げられない気もする。
「……でも、コレにサインしてくれたら離してあげてもいいよ?」
!チャンスだ!適当にサインして後で用紙を処理すれば行ける!
……なんか紙黒くね?普通こういう紙って白じゃないか?
「……何それ?」
「サインしたら内容を絶対守らないといけなくなる契約書だよ〜」
は???
「……どこからそんなの持ってきたの?」
「知り合いから貰ったんだよ〜。あ、そうだ。その人から手紙も預かってたんだ。はいコレ」
ホシノがその手紙を開き、僕に見せてくる。
『大変ご無沙汰しております。お元気でお過ごしでしょうか?さて、その契約書についてですが内容を必ず守らないといけないという効力のある代物です。他の危険性は無いのでどうぞ安心してサインして下さい。それでは、怪我に気をつけてお過ごし下さい。また会える日を楽しみにしています。黒服より』
ふざけんなあの黒豆ブッ殺してやるッ!無駄に丁寧な文書きやがってッ!
「で、どうする?コレにサインしてくれるか、アビドス高校に閉じ込められるか。好きな方を選んでよ」
こっちを傍観している3人に視線を向ける。
(助けて)
みんなサッと目線を逸らした。非道いなぁ、人の心とかないんか?
いやほんとどうしよ。あっ、いや、契約書がマトモなこと書いてある可能性も……!
・学校がある日はしっかり来る事
・来ることが出来ない場合は必ず理由を説明する事
・小鳥遊ホシノの言う事に必ず従う事
・許可なくアビドス自治区から出ない事
・何か用事があって出たい場合はGPSを付けて、どこに・誰と・何時までを全て伝える事。
・戦闘などの危険な行為をしない事
……???上はともかく下がおかしい。言う事従って許可なく他の自治区行かないってイカれてんのか?あとGPSって本当に逃げ道無いじゃん。
そこでさすがにヤバいと思ったのか、先生が口を開く。
「"……ホシノ。これは厳し過ぎるんじゃ……"」
「スイはこうやってつかまえておかないと逃げちゃうんだよ?先生」
「"……"」
先生!もっと頑張ってくれよ!そして僕を無罪にしてくれ!
だが、そこで先生は黙ってしまった。役に立たないな。そんなんだからプレ先はキヴォトス救えなかったんだよ。
……万事休すかと思ったが、その時、ドアが開いてアヤネとセリカが入って来た。
「先輩たち、大変!!これ見て!」
「アビドス自治区の関係書類を持ってきました!これを……」
部屋の中に流れる空気を感じたのか,言葉が止まった。
「……?」
「……あれ?」
「……」
「な、何、この雰囲気?」
「何かあったんですか……?それにその人は……?」
「"とりあえず今は大丈夫。おかえり、ふたりとも"」
このまま有耶無耶にならないかな……
「……しょうがないな〜、後で答えを聞くから考えておいてね」
縛ったまま、僕を椅子に座らせる。あっ、僕もここ居ていいんだ。
ちょっと変な空気になりながら、会議が始まった。
今日は2日目のカレーを食べました。昨日とは違った美味しさがありました。