全身から大量に触手を出しホシノへ向かわせる。
ほとんどは避けられて、当たりそうだった物も盾で弾き飛ばされてひとつも命中しなかった。だが、その無意味に思える攻撃をし続ける。
ホシノにこんな攻撃をしても全て意味が無いのは既に学んでいる。
僕は頭はあまり良く無いが、ちゃんと学習はするタイプなのだ。
ボォン‼︎
ホシノに盾で弾かれていた触手のひとつが突如として爆発する。こっそり盗んでおいた手榴弾をピンを抜いた状態で触手に持たせていたのだ。前も似た様な事をやったが、上手く通じた様だ。
ホシノは盾を構えていた為ダメージこそないものの、衝撃で一瞬体勢が崩れた。僕はその一瞬でホシノに近づき、盾に向かって殴りかかる。
「繧ェ繝ゥ繧ェ繝ゥ繧ェ繝ゥ繧ェ繝ゥ繧ェ繝ゥ繧ェ繝ゥ繧ェ繝ゥ繧ェ繝ゥ繧「繧。繧「繝?シ?シ」(オラオラオラオラオラオラオラオラアァアッ!!)
「くぅ……っ」
ラッシュの最後にホシノを向こうに殴り飛ばし、さらに間髪入れずに触手を飛ばし追撃する。
それに対し、ホシノは回避を選択した。だが、今度は避けきれずに触手が掠り始め、ついにまともにヒットした。
「ぐはっ!」
触手に殴りつけられ、ホシノは後ろの壁まで吹き飛んだ。
そのタイミングで、声帯と口だけを擬態し作り出す。
だいぶ気持ち悪い見た目だが、まぁ自分が今戦っているのはそういうモノだとちゃんと認識して貰おう。
「……ホシノさ、僕の事ナメてたでしょ。僕程度いつでも倒せるし、余裕だって」
「……そんなこと……」
「いいよ、事実だし。人間の「空乃スイ」のままだったら手も足も出なかった」
「……」
「まぁそれでさ。手加減してるよね、明らかに。なんで銃撃たないの?」
そう。ホシノはこの戦いで一回も発砲していない。それどころか今までの戦い全てでホシノは僕自身に向かって一度も銃を撃っていないのだ。まぁ理由はどうせ使わなくても倒せるとか僕が弱いから手加減してくれたとかだろう。
「……それは……」
「言えないんならそれでいいけどさ。僕に銃を撃つ覚悟もしてない様な人間が自分を犠牲にしようとするんじゃない。その程度の覚悟なら絶対に後悔する事になる」
「……っ」
これでやめてくれると嬉しいんだが……
「……それでも私は……」
「……ここまで言っても分からないんならまだやるしか無いみたいだね」
再び触手を構え、ホシノへ向ける。
ホシノもショットガンを構えるが、どうせただのポーズだろう。今のホシノが撃ってくる筈無い。
今度はホシノを包囲するように触手を動かしてみる。
最初のうちは上手く隙間から避けれていたが、どんどんと動ける空間が少なくなって行き、そしてついに壁際までホシノを追い詰めた。
動けないホシノに向かって触手で攻撃を繰り出す。
少しづつホシノは傷ついて行く。自分でやっておいてなんだが、あまり気分が良く無い。早く終わらせてしまおう。
直接頭部を殴って気絶させようとする。だが、その時。ホシノの瞳が見えた。
覚悟の決まった、とても綺麗な目だった。
その瞬間、僕の体は吹き飛ばされた。ホシノが銃を撃ったのだ。ダメージはそこそこ大きめだが、まだ動ける。
だが、連続してショットガンを撃ち込んでくる。僕の体と触手達の接続部分も千切れ、体がボロボロになって行く。
「……スイを撃って、取り返しがつかない事になったらどうしようとか、2年前みたいにいなくなっちゃったら嫌だとか、そんな事を考えてた。スイがまたいなくなっちゃったらって考えると、怖かった。だから撃てなかったんだ。でも、それよりも。スイとアビドスのみんなの居場所が無くなる事の方が嫌なんだ。だから、私はもう迷わない」
……迷ったら撃つな、だがもう迷いは無いってやつか。こういう覚悟キマってる人間は強いし、怖い。
「……そっか。ごめんね、ホシノさん。そんな思いをさせて」
「ううん、こちらこそごめんね。それよりもこれからはみんなを守ってあげて。私はもう、ここに居れないからさ」
「……もう勝った気でいるの?流石に早いんじゃ無い?」
「……もう、私の勝ちだよ」
「は?」
ホシノは、僕の足元に目線を向ける。慌ててそこをみると、いくつかの手榴弾が転がっていた。
防御。いや、間に合わな──
視界が白い光に包まれ、辺り一面が爆発に広がる。
防御出来なかった僕は、それに耐える事ができず意識を手放す。
最後に、ホシノがバイバイと言った気がした。
スイ君は巨人モードでギリ最強格に勝てるかどうかって感じです。
なのでちっちゃい状態で覚悟ガンギマリホシノに勝てるはずもなく、負けてしまいました。