黒服の所から帰って来た。ちょっとの時間だったのになんだか疲れた気がする。
まぁこれでホシノの居場所も分かったことだし助けに行くことができる。
「"ホシノを助けに行こう!"」
「……ん、行こう」
「"ホシノを助けて、ここに連れ戻す!"」
「はい、そう言ってくださると思っていました!」
「"助けて、その後は厳しく叱ってあげないと!"」
「うんうん!自分で言ったことを守れなかったんですから、お仕置きです!きちんと叱ってあげないと!」
確かにそうだ。ホシノは一回ちゃんと叱られた方がいいと思う。ホシノって偶に暴走するし。
「"『おかえり』って言って、『ただいま』って言わせよう!"」
「うん…… えっ!?何それ、恥ずかしい!青春っぽい!!背筋がぞわっとする!」
「私はする」
「え、え!?」
「セリカちゃんがしなくても、私もします!」
「えっ、ええっ!?」
「わ、私も。ちょっと恥ずかしいけど……」
「じゃあ僕もやろうかな。反応が面白そうだし」
「か、勝手にして!私は絶対、そんな恥ずかしいこと言わないから!!」
某アメリカ合衆国大統領が言っていた。
誰かが最初に右のナプキンを取ったら全員が「右」を取らざるを得ない。もし左なら全員が左側のナプキンだ。そうせざるを得ない。これが「社会」だ…………
つまりみんながやると言った時点でセリカもやらなければいけないのだ。それにどうせセリカもホシノに会ったらやるだろう。
「あ、あはは……ではそれはそうとして、救出のための準備を……」
「でも、今の私たちだけじゃ勝てない。誰か協力者を……」
「便利屋は?」
「確かに私たちのことを助けてくれましたが……もう一度お願いしても良いのでしょうか?」
「んー……あそこの社長はかっこいいアウトロー(笑)だしラーメンでも奢るって言ったら来ると思うよ」
「なんかアウトローって言った所に悪意を感じるんだけど……」
「"……私に考えがある"」
「え……?えっと、それはどういった……?」
……あっ、この後確か……
──という事でやって来ましたゲヘナ学園。ゲヘナは治安が悪いから護衛をやると先生に頼んで連れて来てもらった。
ちなみにここに来た本当の理由はもちろんあの名シーンを見る為だ。
今僕たちはゲヘナの風紀委員長……つまりヒナに会いたいとイオリに頼んでいるが、反応は良くない。
「はあ?風紀委員長に会いたい?ゲヘナの風紀委員長に、そんなに容易く会えるとでも思ってるのか?……そうだな、じゃあ土下座して私の足でも舐めたら……」
ッ!先生がイオリの足を舐めた!……待て、靴はどこに……なっ!?いつの間にか靴と靴下が外されて居るだと!?しかも靴下は丁寧に折りたたまれている!
「ひゃんっ!?ちょっ、まだ話しの途中……んっ!ちょっと!?大人としてのプライドとか、人としての迷いとかは無いのか!?」
「"そんなものは無い"」
そうだ。それがないからこそ先生は先生なんだ。このくらいイカれていないとキヴォトスではやっていけない。……とりあえず写真撮っとくか。
僕がスマホを取り出して写真を撮影している間にも先生は足を舐め続けたいる。
「おかしい!ヘンタイ!歪んでる!あっ!そこのお前!写真撮ってないでこのヘンタイを止めて……」
「何だか楽しそうね?」
ハッ!この声は……!
「い、委員長……?」
「……自分の望みのために膝をつく姿なら、これまで何度も見てきた。でも、生徒のために跪く先生を見たのは初めて。顔を上げてちょうだい、先生。言ってみて、私に何をしてほしい?」
「いや、その、委員長……先生は跪いてるんじゃなくて、その、足を、舐め……」
「……?」
「あっ、見ない方が……」
「!!!!????」
……間に合わなかったか……
──結局ちゃんと協力はしてもらえる事になり、僕たちはアビドスへ帰って来た。
みんなは既に準備万端の様だ。僕もちゃんと準備した。これでいつでも戦える。
「先生に教えていただいた情報ですと、ホシノ先輩はカイザーPMCの第51地区の中央あたりにいるはずです。一番安全なルートで案内します、行きましょう!」
「"それじゃ、出発!"」
「はい!ホシノ先輩救出作戦……!開始です!!」
……ホシノ。今、助けに行くよ。
くねくねと踊ってない夜を知らない無名の司祭って似てる気がする。どっちも白いし踊ってるみたいに見えるし。