相手はただのカイザーの兵士達だ。ゴリアテは警戒する必要があるかもしれないがそれ以外は雑魚だ。先に始末してしまおう。そうだ、練習していた新技でも使ってみようか。
指で鉄砲を作り敵に向ける。小学生がよくやってるやつだ。
「……ハッ。何をやるかと思えば……貴様は遊びにでも来たのか?」
「バン」
指を向けられていた兵士の頭が吹き飛び、膝から崩れ落ちていった。
「……は?」
「ほら、こんなに脆い。このくらいならすぐ全滅させられるよ」
「ッ……!化け物がぁ……!」
「酷いな。人にそんな事言っちゃいけませんって習ってないの?」
「……あの化け物を撃ち殺せッ!」
ちなみに今使ったのは某生姜焼きの人が使ってた奴を真似してみた技だ。指先の細胞を増殖させて撃ち出す。威力に不安があったがオートマタ如きなら問題なく破壊出来るようだ。でも破壊範囲が狭いのでどちらかというと怪獣8号に出てたキノコみたいな頭してる怪獣が使ってた技の方が近いかも。まぁ使えてるのでどっちでもいい。
敵の攻撃を防御したり回避しながらバンと撃っていく。少しづつ敵の数を削れているのでこのまま戦えば勝てるだろう。
その時、カイザー理事が乗っているゴリアテが動き出す。
両腕に付いているガトリングガンをこちらに向けて来ている。
「どうだ!いくら貴様といえどコレには耐えられまい!」
……確かに、まともに喰らえば大ダメージは避けられない。だが、僕は防御用の技だって考えてあるのだ。
「死ねぇぇぇっ‼︎」
銃弾の雨が僕目掛けて降り注ぐ。更に周りの兵士も攻撃をして来ている。どうやらこれで僕を仕留め切るつもりのようだ。
しばらく銃撃は続き、ようやく止めた頃には辺りが酷い事になっていた。
「……ふん。死んだか。やはりあのゲマトリアの言う事は信用ならんな……」
「……誰が、死んだって?」
「なっ!?嘘だ、有り得ない!先程の攻撃を耐えたのか!?」
土埃の中からゆっくりと歩いて出る。僕の体には黄色い何かが纏まりついていた。
「……なんちゃってイエローテンパランスって感じかな」
「何を言っている……!」
元ネタはもちろんジョジョ3部に出てくる敵スタンド使いだ。この体になった時から真似出来ないか試していたのだ。これが使えればキモい本体を晒さなくても戦えるようになるしほぼ無敵の防御も出来る。
「この防御に弱点はない!だから僕がダメージを喰らう事はないんだ。さぁ、どうする?僕も暇じゃないからね、降参してくれるなら見逃すかもよ」
ちなみに嘘だ。降参したら普通に嬲ってからスクラップにしようと思う。
「……舐めるなぁっ!おい、お前!アレを持って来い!」
?なんだ?今更新しい兵器なんて使ってきてもなんちゃってイエローテンパランスさえあれば傷一つつかないが。まだカイザー理事は勝てると思っているのか?だとしたら滑稽だな。
「……弱点はねーといっとるだろーが。人の話聞いてんのか?」
「……それはどうかな?」
……やけに自信があるな。早めに仕留めるか。
「……なら、アレとやらを使う前に倒してやるよ」
「フハハッ!貴様にこの強靭な装甲が破れるかな?」
「……なら、こうしよう」
右腕を異常な程まで膨張させる。これで殴ればゴリアテだろうもタダでは済まないだろう。これの元ネタは顔面梅干しの魔王(笑)だ。
「君を殴る」
「そうか、やってみろ」
その時、ふと横の方を見た。何か聞こえたとかそういう事じゃない。なんとなく、ヤバい気がしたのだ。
そこには、カイザーの兵士が狙撃銃の様なものを構えていた。
まさかあんなので僕が殺れると思っているのか?いや、そんな訳ない。だが、だとしたらアレはなんだ?
ッ、撃って来た!とりあえず防がねば。なんちゃってイエローテンパランスを出して防御する。これさえあれば平気だろう。そうだ、何を不安になっていたんだ。これは無敵の防御だ。どんな攻撃だって通用しない。
そんな事を考えつつ、防御に弾が当たった感覚がする。その瞬間。
当たった部分の周辺が弾けた。更にその周りもドロっと溶けて行く。
……は?何が起こって……
「……フフッ、フハハハハッ‼︎やはり貴様もただの生物に過ぎない!無敵の生命体など存在しないのだよ!空乃スイ!」
「……な繧薙□?縺ェにを繧った?」
マズイ、擬態も解けかかっている……!
「気になるか?教えてやろう!今貴様に撃った弾丸は特別な物だ!貴様が2年前ゲマトリアに提供した細胞から開発したという物を譲り受けていたのだ!」
……クソッ、そういうことか。やっぱり黒服なんかと関わらなきゃ良かった。
「どうだ!空乃スイ!先程まで圧倒していた相手から見下される気分は!」
「……さい縺ゅ¥だ繧」
……本当にマズイな。なんちゃってイエローテンパランスを過信していた。
「フハハッ!無様だな!そうだ!死にかけている貴様を持って対策委員どもを蹴散らしてやろう!貴様のその姿を見たやつらがどんな顔をするか楽しみだ!」
……ホシノ達に、手を出そうとしている?駄目だ。守らないと。僕が、みんなを守らないと、いけないのに。からだがうごかない。いしきもおかしくなってきたきがする。
……?だれかのこえがする。かいざーりじじゃない、だれ?
「スイッ!無事!?」
あれは……ホシノさん?あぁ、よかった。ちゃんとたすけられたんだね。
「……副生徒会長か。空乃スイはここだぞ」
「ッ……!スイに何をしたんだッ!」
「フフっ、いい顔をするじゃないか。そんなにこの化け物が大切か?」
「黙れッ!スイは化け物なんかじゃない!」
「そうか。そんなに大切なのか……なら、こんなのはどうだ?」
からだがもちあげられるかんかくがした。あとあたまになにかがあたってる。
「銃を捨てて降伏しろ。さもなければコイツを殺す」
「ッ……分かった」
がちゃんとなにかをおくおとがした。ほしのがじゅうをおとしたのか?
「……お願い、スイを離して。代わりに私を人質にしていいから」
「それは私の気分次第だな。誠意を見せてくれれば考えてやるぞ?」
「……お願いします。スイを離してください」
「フハハッ!実にいい気分だ!だが、まだ足りないな」
「ッ……」
ほしのがじめんにひざをつこうとしているのがみえる。それは……嫌だな。そうだ、僕は何をしていたんだ?僕がホシノに助けて貰ってどうする。僕が助けるんだろ。
体の力を精一杯振り絞り触手で辺りを手当たり次第に切り裂く。すると、僕を掴んでいた腕も切れた様だった。
「なっ!?貴様まだ動けるのか……!?」
「うるさい。死ね」
カイザー理事に向かって思いっきり触手を振り切る。カイザー理事の胸部に斜めの大きな傷が出来る。袈裟斬りってやつだ。
「ぐあぁっ!?き、貴様ぁ……!」
「……よくもスイにあんな事してくれたね。おじさん、ちょっと怒ってるよ?」
「な──」
カイザー理事が至近距離でホシノの銃撃を喰らう。相当大きなダメージをもらったようだ。
「げぶぁぁっ!?」
「理事長!」
カイザーの兵士達がカイザー理事に駆け寄る。だがそれとは別に数十名の兵士が攻撃を仕掛けて来る。どうやら時間稼ぎをするつもりの様だ。
「……ハァッ、ハァッ……空乃スイ、小鳥遊ホシノ……!覚えていろよ!貴様らは必ず殺してやる!」
そんなチンピラみないな捨て台詞を吐きながらカイザー理事は逃げていく。それに合わせて他の兵士も撤退していった。正真正銘、僕たちの勝ちだ。
「……助けてくれてありがとう、ホシノ」
「……スイも私を助けに来てくれたんでしょ?ありがとうね。……ねぇ、スイ。私、ずっと言いたくて言えなかった事があるんだ」
……なんだろう?お前肝心な時いつも役に立たないよなとかじゃないよな?それだったら本気で泣くぞ?
「……あの時、ユメ先輩を助けてくれてありがとう。スイのお陰で、ユメ先輩は元気に過ごしてたよ。スイがいなくて寂しそうだったけどね」
「──あ。いや、でも、僕は変な化け物で……」
「スイは──化け物なんかじゃないよ。アビドスの生徒で、生徒会の役員で、私の大切な同級生。スイは、人間だよ」
──そうだ。ただ僕は、ホシノにそう言ってもらえるだけで良かったんだ。化け物じゃないと。ただの人間だと。
目から涙が溢れてくる。この体って泣くんだ。初めて知った。……いや、人間なんだから泣く事だってあるだろう。
「……ホシノ……ありがとう」
「……うん。じゃあ、帰ろっか!」
「……!うん!」
もう怖くもないし、逃げたいとも思わない。今はただ、ホシノと2人で歩ける事が嬉しい。
そんな事を考えながら、僕たちはみんなの所へ歩き出して行った。
これにて対策委員編は終了です。次の1話(番外編)を投稿する時までをアンケートの期間とさせていただきます。
ちなみにスイ君がホシノに技を使わなかったのは意味が無かったor使う暇が無かったとかです。
パヴァーヌ編にスイ君は関わる?
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関わらない。次に書くのはエデン条約編。
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関わる。ちゃんと2章とも。
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そんなことよりおうどんたべたい