これには訳があるんです。
YouTubeでトモコ○を見ていたら時間が溶けていました。
「"……や、やあ、スイ"」
……?いつもよりも元気が無さそうだ。何かあったのだろうか?少し心配になる。
「先生、どうかしたんですか?」
「"じ、実は……最近あんまりご飯食べて無くて……"」
「はい?いくら激務なシャーレと言えど食事を摂る時間くらいはあるのでは?」
「"……時間が足りないんじゃなくて……お金が無くなっちゃって……"」
「……シャーレの先生のお給料ってそんな少ないんですか?」
「"……いや、ちゃんと生活出来る額は貰ってるよ"」
「じゃあなんで……」
そこで何気なく先生の机の上が目に入った。すると、机の上には見た事の無いフィギュアが置いてあった。ロボットのやつだ。
…… (눈_눈)こんな感じのジトッとした視線を向けると、先生は気まずそうに顔を逸らす。
「"……ずっと買いたかった限定品だったんだよ!ここで買わなきゃもう買えるか分からなくて……!"」
「分かりました先生。セミナーの会計でも呼んで叱ってもらいましょう。あの人ならキッチリお説教してくれる筈です」
「"待って!もうやらないから!"ユウカを呼ぶのだけは!"」
「……はぁ、分かりました。でも、どうするんですか?結局食事を摂ってなかったら誰かに心配されると思うんですが」
「"うっ、それは………そうだ!副業をやろう!"」
「……先生にそんな時間あるんですか?」
「"……確かに……う〜ん……どうしよう……"」
ふたりで悩んでいた時、シャーレの扉が唐突に開く。
「話は聞かせてもらいました、先生」
あれは……コタマ!?なんでここに……?
「"こんにちは、コタマ。今日はどうしたの?"」
「こんにちは、先生。今日はシャーレに仕掛けてある盗聴機を聞いていたら、どうやら先生がお困りの様だったので来てみました」
「"……とりあえず盗聴機は撤去してくれるかな?"」
「……はい。分かりました」
うっわ。凄い不服そう。というかなんで当たり前の様に盗聴してんだよ。先生のプライバシーはどこ行ったんだ?あっ、そんなのキヴォトスにはないか。……というかシャーレとミレニアムってそんな一瞬で来れる距離じゃなくね?……まぁええか。
「……聞いてたんなら話は早いか。金稼ぎしたいんだけど何か案とかない?」
「はい。一つ、いい案があります」
おぉ!今までコタマの事をただの犯罪行為を繰り返す問題児だと思っていたがその認識は改めなくてはいけない様だ。
「それは……ASMRです」
「「"……ASMR?"」」
ASMRって……あの音聞くやつ?う〜ん……そんなに売れるのか……?
「"……私の声なんて聞いても喜ぶのコタマくらいなんじゃないの?"」
「いえ、先生の声なら間違いなく大好評の筈です。既に場所は確保してあるので今から行きましょう」
「"やけに準備がいいね……というか、今からはちょっと困るんだけど……"」
「大丈夫です、先生。今日の仕事はそこまで多くないので僕だけで十分です。安心して収録して来てください」
「"えっちょっ待っ"」
先生は言い切る前にドナドナされて行った。……先生のASMRか。先生のものなら少しは売れるかもしれないし、最悪売れなくても食事だけならフウカ辺りに頼めば喜んで作りに来てくれるだろう。可愛いし料理上手いし優しいし顔芸出来るし、やっぱりフウカは最高だな!……ちなみにここで間違ってもジュリとかに頼んではいけない。ジュリの
……とにかく、気楽に待っていよう。ASMRを発売するだけならどう転んでも酷い事態にはならないだろうし。
───先生がASMRを発売してから数日経過した。シャーレの仕事もお休みだったし忘れていたのだが、先ほどアビドスのみんなが話題に出していて思い出したので、確認してみようと思う。
……ふむ、お値段は結構安めなんだな。しかも安い料金で結構な種類が聞けるようだ。これで利益とか出るのか?
それで、ユーザーレビューは……は?…………は???
なんか凄い好評なんですけど?
レビューの数も多いし、ざっと見た感じ星5もたくさんある。……ちょっとレビューを読んでみるか。
・先生の優しい声に癒されました!
・種類も多くて最高!
・日々のストレスが吹き飛んだ!
・毎日聞いていられる
・仕事の疲れがなくなるけど、聞き終わった時先生がいなくなっちゃう感覚がして悲しくなる……
・ウチの社員が先生にお金あげなきゃとかおかしな事を言い出すようになった
・クックック……値段をもっと上げてもいいクオリティだと思います
……時々おかしなのが紛れてる気もするが、好評なのは間違いないだろう。……少し、興味が湧いて来た。値段も安いし買ってみようかな。
購入ボタンを押してダウンロードしてみる。
……よし、ダウンロードが終わった。見てみよう。
トラック数がそこそこあるな。適当に見てみよう。
……先生が甘やかしてくれるASMRや、先生がヒモになってるASMR、更には狭い部屋でふたりきりとか本当に教師が出しているのか疑問になってくるやつまで沢山ある。
そこでなんとなく一番下までスクロールしてみると、タイトルが書いていない物があった。
……なんだろうか?とりあえず聴いてみるか……
『"ここまで聴いてくれてありがとう。一番下まで聴いてくれたって事は、このASMRを気に入ってくれたって事だよね?もしそこまで気に入ってくれたんなら、私も嬉しいよ。……実は、このASMRを収録したのには理由があるんだ。……私はもうすぐ先生を辞めるんだ。だから、みんなにはもう会えなくなる。この作品は、寂しくなった時にでも聴いてくれると嬉しいな。じゃあ、ばいばい、みんな。今まで楽しかったよ!"』
…………
『"……まだこれを聴いている人がいたら聴いて欲しい。今のは全部冗談だよ!私はまだまだ先生を続けるからね!じゃあ、またね!"』
……あー、とりあえずシャーレに行くのは暫く止めるとしよう。お説教に巻き込まれるのだけは嫌だ。
「スイ〜?何聞いてるの〜?」
「あっ、ホシノ。さっき話してた先生のASMRだよ。僕も気になって買ってみたんだ」
「へぇ〜……シロコちゃん達もなんかハマってたし、そんなにいいの?」
「う〜ん……僕はあんまり分かんないけど、先生ガチ恋勢とかには良い作品なんじゃない?あ、そういえば黒服っぽいやつのコメントもあったよ」
「うへぇ、気持ち悪いね〜……まぁ、私はいいや。先生には感謝はしてるけど恋愛的に好きって訳でもないし〜……そうだ、スイ〜、お昼寝でもしない?おじさん眠くってさ〜」
「……そうだね!たまにはゆっくり休んでもいいでしょ!」
シャーレで怒られているであろう先生については気にしない事にした。
けど、せめて……『祈って』おこうかな………先生の無事を……
そんな事を考えつつ、ホシノとふたりでお昼寝をした。
今更ですが、この番外編はただのssみたいな感じです。スイ君が活躍したりしなかったりって感じなのであんまり合わない方もいると思います。なので広い心でなんでも許せる方だけ読んで頂ければ幸いです。