スライム(?)で行くブルーアーカイブ   作:強酸性のTKG

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期間空いて本当に申し訳ございません。
あと久しぶりの更新が本編じゃくてIFなのもごめんなさい。どうか許してください。


3話

今日も今日とてパトロールだ。昼間は平和になってきたので、夜もパトロールをする様にした。夜は誰も居ないと思うかもしれないが、これが案外変なのがいる。不良が屯してたり住民にカツアゲしたりだとか。なので最近は夜のパトロールの方に力を入れている。

しばらく歩き回って、異常が無いかを確認する。ここアビドスは街灯も無く、廃墟の様な薄暗い建物も多い。だから夜中に此処を歩いていると、なんだか荒廃した世界で自分だけが取り残された様な感覚になる。暗い世界で、ただひとり。

……なんだか変な事を考えてしまった。僕は別にひとりじゃないのに。ユメ先輩だってホシノだっている、なんなら柴大将だっているんだから。

……うん、パトロールはこの位でいいか。校舎に帰って少し休もう。

 

 

 

────朝になった。ふたりはまだ来ない。……何故かビリビリに破かれたポスターが嫌に気になった。

……ホシノが来た。ユメ先輩に用事があったらしい。なんとなくポスターについて聞いた。アビドス砂祭りのポスターらしい。昨日、ホシノが破ってしまったのだと。

……なんとなく、ユメ先輩が気になった。元気だろうかとか、不良に絡まれて無いかなとか。

……キヴォトス人は丈夫だし大丈夫だろう。きっともう直ぐ登校してくる筈だ。

───結局、ユメ先輩はその日来なかった。…… 今日は用事があったんだろう。きっと、明日は来る筈だ。

 

 

 

────今日も来なかった。この時点でようやくユメ先輩が死亡する場面じゃないかと気付き、僕は急いで砂漠まで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

───居ない。居ない、居ない、居ない居ない居ないッ!

なんで見つからないっ!?まだ今なら間に合うのにっ……!……クソッ、ひとまず落ち着かないと。

………探し始めてから、何日経った?いや、何十日か?僕だってホシノだってずっと必死に探してる。なのに、見つからない。

飲まず食わず、睡眠すら取らず砂漠を駆け回り続けて尚、ユメ先輩を見つけるには至っていない。

……突発的に発生する砂嵐も、見つける事が出来ていない要因のひとつだろう。今は起きていないが、また発生すれば自分が何処から来たのかさえ分からなくなる。……僕は平気だけどホシノも心配だ。遭難したユメ先輩を探していて自分まで遭難しましたじゃ笑い話にもならない。

……ん?アレホシノか?何か背負って……?

 

 

 

嘘だ。違う。あれは違う。そんな訳が無い。あれがユメ先輩な訳っ───

 

「………スイ。ユメ先輩、見つかりました」

 

 

 

 

────薄暗い教室で、ふたりで座り込んでいた。

会話はない。ただ、ぼんやりと虚空を眺めるだけの時間だった。

……僕には、知識と力があった筈だ。ユメ先輩が死ぬって事も知っていた。なのに、助けられなかった。

……僕は、なんだ?なんで、此処に来たんだ?ユメ先輩ひとりすら助けられなかった分際で、何をすればいいんだ?

……もう、いいか。どうせ変えられないのなら、もう関わるのを辞めよう。……別に良いだろう。あと2年で"先生"が来る。そうすれば、アビドスだって良い方向に向かっていく。……僕はただ、この物語(ブルーアーカイブ)に居座る邪魔者だったんだ。さっさとこの学校からも出て行こう。

 

「………スイ?何処かに行くんですか?」

 

……もう学校から出て行く事をホシノに伝える。

 

「……え……ま、待ってください……スイまで居なくなったら私は……」

 

……その言葉を無視し、教室から出て行く。窓を開け、飛び降りて学校からも出て、そのままアビドスの廃墟が立ち並んでいる場所へと向かう。

……じゃあね、ホシノ。

 

 

 

 

 

────それから僕は、廃墟の中で何もせず過ごす様になった。ユメ先輩を思い出して、自分の無能さに胸が痛くなる。アビドスから逃げた自分の醜悪さに、吐き気がしてくる。

……それでも、何かを変えようとは思わなかった。今更変えられるとも思わないし、変えようとする勇気もない。だから僕は、此処でずっと蹲っている。

 

 

 

────2年ほど、経っただろうか。あの日と同じ、天気はどんよりとした曇りだった。こういう日は普段よりも気分が悪くなる。

 

「………ようやく見つけた」

 

……は?誰……え?

……シロコ?いや……シロコ・テラー?もしかしてもう最終編が終わったのか?

 

「………スイ、だよね。……これ、ホシノ先輩から」

 

手紙を目の前に差し出され、開けろと促される。

……開けたく無い。きっと中身は、僕を非難するものだろう。あの時、アビドスから逃げた僕を。……でも、開けるしか無い。

 

『スイへ……まずは、謝らせてほしい。きっとスイは私を嫌っていると思う。だけど、この手紙は最後まで読んでくれると嬉しい』

 

……は?なんで……

 

『私のせいでユメ先輩が居なくなっちゃったから、あの時スイは出て行ったんだよね?謝ってどうにかなる事じゃないけど、本当にごめんなさい』

 

ち、違っ……!

 

『……私ね、ずっとスカウトを受けてたんだ。カイザーPMCの傭兵として働く代わりに、アビドスの借金を肩代わりする……だから、この手紙をスイが読む頃、私はPMCで働いてるか、シロコちゃん達の敵になって、ヘイローを壊してもらってると思う』

 

…………は?

 

『……もし、アビドスの皆んなが危ない状況になってたら、助けてあげてほしい。私の頼みなんて聞きたく無いと思うけど、どうか、お願い。……改めて、ごめん。皆んなをよろしく。じゃあ、ばいばい』

 

……手紙はこれで終わっている。

 

「……ホシノ先輩が最後に、この手紙をスイに渡して欲しいって言い遺した。だから私は、これを届けに来た」

 

……まるで、ホシノがもう居ないみたいな言い方じゃないか。

 

「……ホシノ先輩は、もう居ない。他の皆んなも、全員……」

 

…………は?嘘だ、そんな訳がない。"先生"が居ればそんな事には……

 

……違う。そうだ、此処は本当に本編の世界か?何故、思い込んでいた?

……此処が、プレナパテスの世界では無いなど、そんな確証なんて何処にも無いじゃないか。

 

「……私は、世界を滅ぼす。それが私の使命だから。……貴方も来る?」

 

……そうだ、ホシノの手紙に書いてあった。それがホシノの願いだというのなら、僕はそれを守らなければ。だから……

 

「……ん、そっか。じゃあ、行こうか」

 

僕は、シロコを助ける。だから、共にあちらの世界を滅亡させる。……"先生"だろうがなんだろうが滅ぼしてみせよう。……例え、あちらにも"僕"が居ようとも。僕らは所詮この物語を邪魔する害虫に過ぎないのだから。

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