僕とユメ先輩はその後、ホシノにこれまでの経緯を説明した。
「ユメ先輩!怪し過ぎますよソイツ!絶対何か騙そうとしてますって!」
「で、でも……スイ君は本当に困ってそうだったし……」
「ユメ先輩が騙されている時いつもそう言ってるじゃ無いですか!例え本当に困ってたとしても怪し過ぎます!記憶も無くて、男でヘイローも無くて、銃以外何も持ってない!完全に不審者です!」
困った。ホシノの言っている事は1つも間違ってない。
嘘ついて騙してるのも合ってるし、その他の要素も怪し過ぎる。
僕が自分で考えても自らを不審者としか思えない。
だが、ここの高校に入学させてもらえなければ、僕は行く宛が無くなる。 何としても入学しなければならないのだ。
「信じて下さいよぉ〜ホシノさ〜ん。足でも靴でも舐めるからさぁ〜」
「何言ってるんですか!?自分が今どういう立場か分かってるんですか!?」
怒られてしまった。悲しい。だか今の僕には土下座と足ペロ以外に取れる交渉のカードが無いのだ。
「お願いだよぉ〜、頑張って働くからさぁ〜」
「……はぁ………」
駄目か……?
「……分かりました。とりあえずはいいでしょう。ですが、何かやったらすぐに追い出しますからね!」
「! やったー!ありがとうホシノさん!」
「はぁ………」
何とか許可してもらえた。やったぜ。ぱっと見この時のホシノはキツそうに見えるが、普通に結構優しいのである。そうでなければいつも騙されている馬鹿なユメ先輩に付き合ったりしないだろう。
それにしても今のツンツンしてるホシノかわいい。
生でこのホシノを見れてなんだか感動してきた。あ〜ホシノ……。僕、涙が出そうだよ……。
「ありがとう!ホシノちゃん!」
「……コイツが何かやらかしたらユメ先輩にも責任取ってもらいますからね」
「……だそうですよユメ先輩。なんかあったらよろしくお願いしますね」
「何もしないでね!?」
──あの後校舎を案内してもらった。
使っていない空き教室がほとんどで、ちゃんと使っているのは生徒会室や保健室などの一部の場所だけだ。ちなみに僕は家なき子なので、空き教室の1部屋を使わせてもらえる事になった。学校で寝泊まり出来るなんて何だかワクワクする。
そしてアビドスについての説明も受けた。
前は栄えていたが、砂漠化により衰退していった事。
それにより人が出て行き、全校生徒がとても少ない数しかいない事。
9億円ほどの借金がある事。
ユメ先輩は説明中僕が「入学するのやっぱり止めます」と言わないか心配していたようだが、そんな事はしない。
僕はそれを知った上で此処に来て、入学したいと思っているのだ。
確かにアビドスに入学したら、他の学校よりも多くの困難が訪れるだろう。
だが、僕はその困難を「覚悟」している。とある時間を加速する系の神父だって、"覚悟した者は『幸福』であるッ!"と言っていた。詳しい意味は忘れたが、つまりアビドスに入学する事で訪れる困難を覚悟しておけば、いつでもハッピーでいられる的な感じだろう。いつでもハッピーってまるでヤク中みたいだ。あの神父は危ないクスリでもやっていたのだろうか?
「じゃあ……改めて入学おめでとう!生徒会長の梔子ユメだよ!これからよろしく!」
「……小鳥遊ホシノです。よろしくお願いします」
「今日からアビドスに入学させて頂く空乃スイです!頑張って働くのでどうかよろしくお願いします!」
フレンドリーなユメ先輩と無愛想なホシノに向けて、僕は挨拶をする。
──これでようやくスタートだ。ここに来るまでも中々に大変だったが,アビドスの様々な問題の解決や、ユメ先輩を死なせないようにする為のスタートに立ったに過ぎない。
絶対にハッピーエンドに辿り着いて見せると僕は心の中で固く誓う。ここでの学園生活が楽しいものになるように願いながら。
最近花粉がすごいですよね。くしゃみが止まりません。皆さんも健康に気をつけてお過ごしください。
明日も投稿出来るように頑張ります!