その名は時間管理局   作:クライングフリーマン

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「五十嵐、鉄棒は好きか?」
俺は間髪入れず答えた。
「好きです。」
「『大車輪』って技、知ってるよな?」



18.大車輪

 

============== これは、勿論フィクションです。 =======

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。

今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 

午前9時。時間管理局。

出勤するなり、ボスは言った。

「五十嵐、鉄棒は好きか?」

俺は間髪入れず答えた。

「好きです。」

「『大車輪』って技、知ってるよな?」

「勿論です。また、選手の妨害しようとした奴がいたんんですね。」

「お前は、優秀な部下だ。差異は『迷の国』。お前が無理心中を助けた次元だ。時間軸は、1984年と推測される。何故なら、3026年の『迷の国』五輪博物館のスター名鑑の写真が変っているからだ。大車輪で有名になった、スター選手の林原選手の記録は変っていない。だが、これを見ろ。左がシステムのデータベースの名鑑の写真。右が、3026年の『迷の国』の名鑑の写真。」

「別人じゃないですかあ。林原一郎選手の横の人。」

「横の人は、選手引退後結婚した奥さん、の筈だ。」

 

MRIに似た移送装置の睡眠学習も慣れた。

林原選手は五輪で金メダルを取った。そして、約束通り婚約者と結婚した。名鑑に2人が載っているのは、元になった写真が五輪の後結婚披露した時のもの。

 

何かがあった?

 

1984年。『迷の国』。

俺は、図書館の新聞をタイムリープしながら比較して行った。

あった。五輪の半年前、婚約予定だった女性道上凛子さんが、交通事故で亡くなった。

懸命に励ました新マネージャー新田加世子さんは、交際を始めた。

間違いない。右側の写真の女性だ。

 

交通事故の時間軸に俺は跳んだ。

道上家のガレージ。

深夜である。

クルマに細工して出てきた、女性に声をかけた。

「そんなに好きなんですか、林原選手が。未来人の新田さん。」

新田は、金縛りにあった。

いや、俺が『見えない鎖』で縛ったのだ。

「人生を、他人が変えていい権利はない。まして、未来人にはね。林原選手は、誰が婚約者になっても金メダルを取っただろうね。」

俺は、『保安檻』に新田を跳ばした。

 

3026年某月某日。午後5時。時間管理局。

俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。

『タイムオーバーです』機械的な声が言った。

「普通の会社なら残業だが、残念だが罰金だ。来月が楽しみだな。」

酷い話だ。重労働したのに罰金だなんて。

 

午後7時。帰ると、斧が跳んできた。

「罰金?どこで道草食ってたの?体に聞いてやる!!」

 

ひょっとしたら、晩飯は・・・。

 

―完―

 

 

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