その名は時間管理局   作:クライングフリーマン

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出勤するなり、ボスは言った。
「五十嵐、シロアリは好きか?」
「好きな人、います?」



22.大誤算

 

============== これは、勿論フィクションです。 =======

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。

今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 

午前9時。時間管理局。

出勤するなり、ボスは言った。

「五十嵐、シロアリは好きか?」

「好きな人、います?」

「差異は『涯の国』。お前がある女性に素麺を奢って貰った次元、だ。時間軸は1972年。1970年代には、システムのデータベースによると、『点検商法』と言う詐欺が流行った。所謂『特殊詐欺』だな。後世で免許無しで点検出来ない法律が出来て激減したが、当時は『無料点検』に飛びついた高齢者が詐欺に遭ったケースが多かった。ところで、3026年、この次元で『シロアリ退治王』なる者が現れた。シロアリ自体も流行っていたが、法律が出来る前に、『法律』を作った人物だ。彼は、『シロアリ商法』の業者も摘発、業者が要求する金額をキャンセルさせ、『お礼』の金品を貰っている。」

「怪しいなあ。マッチポンプじゃないんですか?」

「五十嵐。お前は優秀な捜査官だ。褒めるだけならタダだ。」

 

俺は何か納得出来ない気がしたが、MRIに似た移送装置で睡眠学習を受けた。

成程。被害者が訴えない方法をとれば、警察の厄介にはならない。

手が込んでいるなあ。あ、こいつ国会議員にまでなったのか。次元管理局にいた時は、問題にならなかったか。

 

1972年。『涯の国』。

新聞記事を元に回っていると、シロアリ商法やっている奴らを見付けた。

「無料ですから」と笑顔で言い、軒下に潜り込んで、すぐ出てくる業者まがい。

そこへ、『正義の味方』登場。

「騙されてはいけません。」

「確かにね。」と、俺はその男白滝新造の横に立った。そして、間髪入れずに『保安檻』に送った。

「そいつら、こいつの手下だから。」と、老夫婦に言い、警察官を最寄りの警察署から『出前』した。

俺は、偽の身分証を出した。

「公安の者だが、別件で移動中、『シロアリ商法』しているのを見付けた。後は、君に任せていいかな?」

警察官が敬礼したので敬礼で返し、俺は近くの店の裏手で未来に帰った。

 

3026年某月某日。午後5時。タイムレコーダーシステムで体内時計をスキャンさせた。

何故か、ボスは何も言わない。

 

午後7時。帰宅するなり、かな子に殺鼠剤をかけられた。

俺は、のたうち回った。

 

「行商の殺鼠剤でも効くのね。」

 

俺はねずみか!

 

―完―

 

 

 

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