その名は時間管理局   作:クライングフリーマン

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「五十嵐、恐慌ってのを知っているか。」
良かった。好き嫌いの質問でなくて。
「昔、世界的な恐慌があった、と聞いたことがあります。」



25.大恐慌

 

============== これは、勿論フィクションです。 =======

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。

今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 

午前9時。時間管理局。

出勤するなり、ボスは言った。

「五十嵐、恐慌ってのを知っているか。」

良かった。好き嫌いの質問でなくて。

「昔、世界的な恐慌があった、と聞いたことがあります。」

「うん。今回は、珍しく依頼人がいる。その前にシステムが差異を見付けたんだが。場所は『素の国』。お前が白石教授と出逢った次元だ。時間軸は、1989年と思われる。差異の内容は、この年に、世界恐慌をルポした出版物があった。ところが、3026年の今日、その記録が消えている。依頼人というのは、その著者の子孫だ。誰もが記憶から消えているにも拘わらず、彼は覚えていた。先祖を尊敬していたんだな。誰も信じないので、『素の国』政府を通じて時間管理局に確認を求めて来た。で、今言ったように、システムは既に差異を確認している。そこで、君の使命だが・・・。」

「著書を葬った奴を捕まえ、著書を復活させることにある、ですね。」

「今、言おうと思ってたのにぃ。」

 

俺は、ボスを無視して、MRIに似た移送同地に寝転がった。

そのルポによる本は高く評価され、後世に影響を与えた。賞も取ったらしい。

 

1989年。『素の国』。

図書館巡りをし、出版された日から逆算して、その出版社を1日刻みで『訪問』した。

いた。

原稿を読んで、出版に回さなかった人物がいた。正確に言うと、責任者の代理と称する者が間に入って、違う原稿とすり替えてしまった。

もう1日前にリープして、その男が出版社の外から様子を伺っているのを確認した。

「成程。一緒にルポしたインタビュアか。お前を連れて来たシッパーは戻ってこないぞ。お前はこの時代に取り残され、一生を送ることになる。反省しろ。」と、俺は、彼を『保安檻』に送った。

 

3026年某月某日。午後5時。タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。15分オーバーだ。

減給か?厳しいな。

「減給はない、その罰則は無くなった。だが、程度を考えろ。残業手当はない。ああ。『素の国』の政府からも依頼人からも礼を言ってきた。著者の子孫と言っていた人物はいなかった。まあ、歴史は修復された。」

 

午後8時。帰宅すると、かな子は袴羽織を着ていた。

「今日、せいじんのひだから。」

衣装が違う気がしたが、「おめでとう。」と言った。

 

新しいクローゼットがあった。

開けて見て後悔した。

コスプレ衣装がずらり。

遠回しに「早く子供欲しい」と言っているのかも。

振り返ると、かな子はニンマリしていた。

 

神様!!

 

―完―

 

 

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