その名は時間管理局   作:クライングフリーマン

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「五十嵐、失踪事件をどう思う。」
「どう思うかって言われても・・・お蔵入りすることが多いんでしょう?」
「俺は、いい部下を持った。」
「それ、皮肉ですか?」



28.大失踪

 

============== これは、勿論フィクションです。 =======

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。

今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 

午前9時。時間管理局。

出勤するなり、ボスは言った。

「五十嵐、失踪事件をどう思う。」

「どう思うかって言われても・・・お蔵入りすることが多いんでしょう?」

「俺は、いい部下を持った。」

「それ、皮肉ですか?」

「嫌味だ。ところで、本題。差異が生じたのが、『廻の国』。お前が、香川俊子と出逢った次元だ。会いたいか?」

「はい、って言いません。で、時間軸は?」

「うむ。2022年に山中で女の子が行方不明になっている。失踪事件だ。お蔵入りだった。ところが、3026年。」

ボスは、ホワイトボードに2枚の写真を映し出した。

「3026年に突然、『廻の国』に女の子が現れている。右側が3026年。左が2022年。似ているが、同一人物ではない。」

「詰まり、シッパーあるいはシッパーに依頼された人物の仕業?」

「多分な。」

 

MRIに似た移送装置で睡眠学習をした。

家族でキャンプに行っていた最中、いなくなった。

目撃情報は集まらなかった。

外国に拉致された説もあったが、時間軸が変れば見つかる要素はない。

 

俺は、いなくなった前日にいた。

いた。

仲良くキャンプを楽しむ親子が数組。

その様子を伺う青年。

更に、その様子を伺う男。こいつがシッパーか。

俺は、有無を言わさず、男を『保安檻』に送った。

「事情がありそうだが、シッパーは帰した。君も送り返すことになる。」

「じゃ、さっさと送り返したら?時間のお巡りさん。」

「来るのが判っていたのか?」

「聞いたよ。僕も罪になるんだよね。僕は、もう長くない。そして、お婆ちゃん達は子供がいないまま、あの世に行くのは寂しい、と言った。そこに、あのシッパーがやってきた。歴史を変えてみないか、と。」

「失踪するのが1人でも2人でも同じじゃないかって?違うな。あの子の人生を決める資格は君にない。あるのは、あの子自身だ。」

俺は、彼を『保安檻』に送った。

 

3026年某月某日。午後5時。時間管理局。

「3026年に現れた女の子は消えた。失踪事件が起きなかったからな。」

「本命の子は、お蔵入りのままですか。」「そうなるな。」

 

午後7時。帰宅すると、かな子の身体検査が待っていた。

「浮気する暇なんかないよ。」

「そうかな?タイムリープすればいいじゃん。」

俺は体内時計の話をした。

「ふうん。時限爆弾みたいなものか。私は、いつも『地雷』だけどね。」

 

確かに、俺は『地雷』の上にいる。

 

―完―

 

 

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