その名は時間管理局   作:クライングフリーマン

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ボスは言った。「今日の任務は、場所が『混の国』。時間は、君が、もう一人の自分と接近遭遇した時間軸だ。嬉しいだろ?」
「ボス。冗談は、その頭だけにして下さい。」



3.もう一人の俺

 

============== これは、勿論フィクションです。 =======

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。

今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

愛妻かな子に見送られ、俺は今日も出勤。『タイムレコーダー』で管理されるサラリーマンだが、『タイムレコーダー』は、俺の『体内時計』で時間管理する。

早い話、俺の体内に埋め込まれたチップをスキャンして『出勤時間』『退勤時間』を測定する。詰まり、紙面で『ずる』することは出来ない。

 

ボスは言った。「今日の任務は、場所が『混の国』。時間は、君が、もう一人の自分と接近遭遇した時間軸だ。嬉しいだろ?」

「ボス。冗談は、その頭だけにして下さい。」

俺のボスは、『時間病』の後遺症で、絶えず揺れている。

 

俺は、MRIみたいな形の『時限移送装置』に頭を突っ込んだ。

元の職場、『次元管理局』にも『時限移送装置』はあるが、『次元移送装置』と呼ばれていた。こちらは旧タイプ。あちらは扉を通るが、ここのは何故かMRI型だ。

「この世界にいた、盗賊団『シッパー』は、この次元では、新政権後の『元総理』をタイムリープし、過去に送り込んだ。毎度のことだが、『シッパー』の工作員は、歴史を歪めるチャンスを作るのみで、隠れて見張っているか、どこかにトンズラする。工作員を見付けた場合は逮捕、未来に送り返せ。その前に、巻き込んだ人間を元の時間軸に送り返せ。君が失敗しても帰れなくなっても、当局は一切関知しないので、そのつもりで。かな子と君の子供は、局が面倒見る。成功を祈る。」

ボスは、昔の映画を趣味で観ている。影響を受けすぎだ。このMRIっぽいのも・・・。

 

『混の国』。層理大臣私邸。

層理大臣の島太蔵が自室に入る所だった。この時間軸の島太蔵ではなく、未来の島太蔵だ。

俺は、彼を追って、中に入った。

いた。もう一人の俺だ。

 

「お前は誰だ?」「お前達は誰だ?」

四人同時に言った。四人とは、今の俺、次元管理局の俺、この時間軸の島、そして、未来の島だ。

傍目には、まるでコメディだ。

 

次元管理局の俺は言った。

「あんたは、だれだ?俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だ。」

俺から名乗ると、もう一人の俺が返事をした。

「俺の名は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。」

「推測だが、俺が跳んで来た世界と、本来のあんたの世界は別々に存在している、何らかのアクシデントで・・・世界がクロスした。あぶくが混じるように。」

「すると、『融合世界』が出来たと言うより、元に戻る可能性があるな。」

「提案だが、お互いの時間軸や場所を変えるのはどうだろう?」

 

暫く考えた、もう一人の俺は応えた。

「いいだろう。これ以上お互いに干渉しない方が無難のような気がする。」

2人の『俺』は合意した。

正確に言うと、俺は『既に経験』した過去をなぞっただけだ。

 

俺は、この時間軸の島を任せ、未来の島を連れだした。

俺は、島を連れ、この近くの公園に跳んだ。

「お前を連れて来た奴は、どこへ行った?」

「さあな。昔の俺を亡き者にすれば、お前は新政権の層理を誕生させずに、もっと政治が出来て、隣国に『使える奴』と評価される、と言っていた。私の手脚が動かないのは何故だ?」

「さっき、連れだした時、身長鎖を付けた。それだけのことだ。今回はお前だけだな。」

俺は携帯銃を『移送用モード』にして、男の時間軸の未来に送り返した。

俺の『体内時計』は、まだ5時間あると感知させている。

中途半端だな。

帰ってから、ランチするか。

 

未来時間軸。3026年某月某日。時間管理局。

「あの男は、ラッキーだったな。まあ、被害者と言えば被害者か。でも、獄中生活だけどな。それに目を付けた奴こそ、犯人だ。」

 

定時になると、俺は帰宅した。

かな子は、大人しい性格に戻ってくれたが、食欲も性欲も貪欲だった。

「あなた。今日は、何ラウンドにする?スケベな妻でゴメンね。」

かな子は、意地でも子供を産む。

かつての『側室』に自慢する為に。

 

俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 

明日も仕事が待っている。悪人がいる限り、仕事は無くならない。

 

―完―

 

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