その名は時間管理局   作:クライングフリーマン

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「五十嵐、ハンタは好きか?」
「ハンタ?どこの次元でも見かけましたね。好きでも嫌いでもないですが。」
「これが、現在の『智の国』。お前が万引きGメンと爺さんに出逢った次元だ。変だと思わないか?『智の国』」の現在のニュースだ。」



5.大熊猫

 

============== これは、勿論フィクションです。 =======

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。

今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 

午前9時。時間管理局。

出勤するなり、ボスは言った。

「五十嵐、ハンタは好きか?」

「ハンタ?どこの次元でも見かけましたね。好きでも嫌いでもないですが。」

「これが、現在の『智の国』。お前が万引きGメンと爺さんに出逢った次元だ。変だと思わないか?『智の国』」の現在のニュースだ。」

「ん?あ。山から民家に降りて来て、食料を奪って食ってやがる。」

「繁殖、と言うより増殖をし始めた。データベースでは、昔、時の宗理が国交再開記念としてレンタルされてきた。『希少動物』としてな。だが、何者かが、大量に持ち込み、野に放った。動物を野に放って繁殖しすぎて失敗した例は沢山ある。この場合、大熊猫がクマに代わって棲息するようになった。そして、土地開発だ。何世代も前に住宅や太陽光パネルで失敗した教訓が生きていないらしい。食料が無くなって来たから、山から下りてきた。元々、『草食動物』ではなく、『肉食動物』だ。この国では、人を襲った場合のみ、『僚友会』が殺処分する。動物園では、熊は飼われているが、ハンタは飼われていない。」

「時間軸は?」「国交再開記念の年は、1972年だ。ハンタがレンタルされる事が決まった時に、密輸されたんだ。」

「熊が山から下りて被害が出た次元はあったけど、これ、逆パターンですね。」

「了解しました。」

飽きたのかな?当局は一切関知しない、は言わなくなった。

しかし、デカい『差異』だな。ジャイアントハンタだけに。

 

1971年。胃別途国。

方々探した。見つからなければ前年か翌年にタイムリープしようと思っていたが、運良く見付けた。

思ったより、小さな船だった。5頭の大熊猫が乗せられている。

胃別途の盗賊団と一緒にいるのが、シッパーの人間だろう。

身に着けた衣類から判断出来た。

「これで、全部かい?」

自動翻訳機で話したら、通じた。

「全部だが、あんた、誰だ?」シッパーの人間は逃げようとしたので、その場で『見えない網』で縛り、未来へ跳ばした。

「金を出せ。」「おい・・・。」と言いながら、首領はマジックを使った相手に怖じけづいて、財布を取り出した。

「あいつから貰った分だけでいい。あれは、偽物なんだ。」

首領は急いで子分達と選り分けた。どれがどれか分からなくて困っているから、俺は『センサー』を出して、取り出し、消した。

「あんたは一体?」

「神の使い、と言っておこうか。あいつは地獄行きだ。でも、あんたらは正直者だ。神様に報告しておく。その生き物は、元に返せ。獲物は他のものにしろ。俺は見張ってるからな。言うことを聞けば、神様に報告して、今の密輸は無かったことにしてやる。」

 

俺は、彼らが大熊猫を、奪ってきた山に返すのを見届けてから、「達者でな。」と捨て台詞を言って消えた。

正確には、消えたように見せた。

彼らは、数分、平伏し、元の姿勢に戻った。

「おかしら、どうします?」「山羊にしよう。船で運ぶのも止めだ。市場に売ろう。」

俺は、納得して、本当に消えた。

 

某月某日午後5時。時間管理局。

「お疲れさま。『差異』は修復しつつあるようだ。帰っていいぞ。女房孝行しろ。」

 

午後7時。

帰ると、かな子は、何かぐつぐつ煮ていた。

「今夜はなあに?」

「ハンタの、おでん。」

「勘弁して下さい。」俺は平伏した。

 

―完―

 

 

 

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