アゼル
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レックス
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ティルテュ
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開会の言葉に送辞、つまらん訓話が流れる。
アズムール王のお言葉には背筋が伸びる思いだったが、いくつの長話を聞かなきゃならないんだ。
流石に寝るわけにもいかないが、陽気は強敵だ。
起きているためにこの後のことを考える。
式場を出た後は親父たちに改めて報告。参観してるのにする必要はあるのか。
その後は母さんの墓参り。今手元にある一端になった証を見せてやるんだ。
それから親戚筋や家臣たちに挨拶もせにゃならん。
皆集まっているだろうから探しに行く手間が無いのは楽でいいかもな。
その後は流石に自由だろう。
外国の奴らはみんなで集まってパーティーをするらしい。そっちに顔を出すのもいいかもしれない。
でも、あいつらと集まる方がそそるな。せっかくの門出の日なんだ、改めて管をまくのもいいだろう。
そんなことを考えているうちに閉式だ。
パパッと挨拶回りを終わらせて遊ぶ時間を増やさないとな。
――――――
昼前には式が終わり、
親父と兄貴たちと飯を食い、そのあと母さんに報告をした。
珍しく喧嘩にもならず穏やかに過ごせた。
「堅苦しい場に出て疲れた。
ダナン、酒を飲むぞ。
イザークのこともある。英気を養わなくてはな」
疲労の割には、声がデカすぎる。
「はい、父上。
式のおかげで皆時間があるのですから、
集めてとことん飲み比べしましょう。
卒業したとはいえお前はまだヒヨッ子。
ドズルの酒盛りにはまだ早い。
ジュースでも飲んで来い」
厭味ったらしさに磨きがかかってる。
兄貴でも卒業式にセンチな気分になった経験はあるみたいだ。
それにしたって不器用すぎる。
さっき昼飯食ったばっかなのに口実が酒盛りとは。
もうちっとスマートに遊んで来いと言えないもんかね。
ブリアン*1の時はもっと上手くやれよ。
――――――
家臣たちへの挨拶回りを終え、
息苦しい礼服から着替え、夕日に照らされながらいつものラウンジへ向かう。
甘味の質が他より飛びぬけてるからという理由でたまり場になったんだか。
甘党3人相手には流石俺でも分が悪かった。
だがここのミートパイとキッシュは悪くない。
デザートがうまい店はパイが得意なのかもな。
飲み物を頼み、待っていると見慣れた格好のアゼル達が来た。
最後にピカピカ娘がシワシワ顔で近づいてくる。
「難しい話ばっかでつまんなかったわ」
一堂にうなずき、不平不満の合戦だ。
からかう気になれない程あの時間は苦痛だった。
もしイザークのゴタゴタが無ければ、
グランベル六聖戦士家当主たちのありがたい話も追加されていたはずだ。
それを無くしたことだけは、あの蛮族国家に感謝してもいい。
一通り式とその後の挨拶回りの愚痴を吐き終わり、在学中の話に移る。
――――――
士官学校での思い出話はなかなか尽きない。
先輩3人が訓練用の剣と槍を全て壊した噂。
それを聞きつけ一人で全ての弦を使い切ろうとした同期。
誰もがこの時間を終わらせないよう記憶をほじくり返す。
そうしているうちに日は落ち切った。
外の喧騒が大きくなる。
「こうやって集まるのも難しくなっちゃうね」
無駄話で蓋をしていた感情があふれた。
皆口に出さずとも気持ちは一つだ。
だから、他人のどうでもいいことまで持ち出した。
末裔が性差を超えてつるむのは、若輩者だから許されていた。
力を未来に繋ぐ役割を果たせなければならない者達にとって、
邪推されかねない交流は控えるべきだ。
だが、第三者から大人と十分に見なされるだけの証を、手に入れてしまった。
この証書さえなければ、もう少しだけ、許される気がする。
入学する前は、輝いて見えたこの紙切れが恨めしい。
「明日から執務室詰めの日々が始まるのかな……。
それとも嫁ぎ先探し?
そろそろはっきりさせてほしい……」
赤髪を指先で毛先を弄ぶ。
ヴェルトマー家でないのに、聖痕が現れてしまったからこその悩みだろうな。
先代の件もあり人材がかなり減っているそうだ。
そんな中信頼できる聖痕持ちを遊ばせている余裕はないのだろう。
あの家は、諜報みたいな後ろ暗いことまでやってる。
その役目についたら、もう外へ嫁げない。
炎の紋章を戴く者が漏洩なんてしない。
だが、邪推すら引き起こさない清廉さがある。
だから、あのエムブレムに誰もが畏怖と尊敬を抱いちまう。
……母さんを燃やした光景は忘れられない。
それでも、すげぇと素直に思う。
こいつは、婿を取るのも難しい。
選択肢が限られてる。
バランサーのヴェルトマーから、すでにフリージに主家筋の女性が嫁いでいる。
あそこはうちと合わせては反王子派の両巨頭だ。
だから、その派閥から新たに婿を取ることは好ましくない。
おかげでこいつとくっつけられずに済んでる。
まあ、そこらのご令嬢よりはマシだが。
対立派閥で目ぼしいのはシグルド先輩と弓野郎。
二人とも次期当主で、嫁入りはあり得ても逆はありえない。
内部での婚姻もあり得ない。
俺たちにとって同族同士で血を濃くし直系を生み出すのは禁忌だ。*2
あのロプト帝国と同類なんて悍ましい。
つまり、家業なら独り身確定。
だが、ファラの血にとってあまりにも勿体ない。
現在ファラの聖痕が確認されている者は4人しかいない。
そのうち1名はフリージ家へ嫁いでいる。
既に子供を生んでいるが、まだ聖痕が出てない*3。
トード直系の子供だから、ファラの血は押しのけられるのかもな。
……正直、年齢的にもキツイだろう。
こいつらにあれほど慕われる人だ、幸せになってほしい。
アルヴィス卿は、なかなか細君を持たない。
こいつにはアゼルの前で口にするなと言われている。
……何かしらあるんだろう。
怖い人だが正しい人だ。いい人と結ばれてほしい。
アゼルはまだ片思いの最中。
つまり、あの家は婚姻による外部との繋がりは薄く、
ファラの血脈は消えちまいそうになってる。
こいつはあんなだが、家同士にとっては魅力的な外交カードだ。
聖痕を持ち、
ヴェルトマー家家督継承順位2位と乳兄弟、
そして代々主家の側近を務める家柄だ。
調べようと思えば、士官学校にいた生徒経由で人柄だって知れるだろう。
……良くも悪くも。
賢く器量良しで、突然みょうちきりんなことをするが善良だ。
あの家にとっても、メリットが多い。
嫁ぎ先から口出しはされないで、家同士のつながりを強められる。
それに、アルヴィス卿もあいつには情を抱いている。
女としての幸せをあきらめさせるのは、忍びないのだろう。
だが、イザークの侵略、それに伴う反王子派台頭が起きちまった。
痛し痒しといった状況で、彼の辣腕当主でさえも決めかねていると見た。
「思い出させないでよ。明日から花嫁修業なんだから」
頬杖つき足をプラプラさせながら憂鬱な未来を嘆く。
フリージ家は反王子派の中核だ。
王子を戴くシアルフィ家*4とユングヴィ家が形成する王子派と、
拮抗状態に持ち込めるほどの権勢を築いている。
天秤がどちらに傾くのか分からない。
両派閥が赴くイザーク遠征での結果次第で、確実にどちらかの勢力が伸長する。
もし縁戚を結んだ後反王子派が弱体化してしまうと、
頼りない味方と共に覇権国家次期元首と敵対的な立場を取ることになる。
他家にとって今動き出すのは時期が悪い。
遠征の見通しがついてからでも遅くない。
なにより、あの家は身内同士の仲が良いことで有名だがあの宰相は娘にとことん甘い。
悲しませるような相手は絶対に選ばない。
案外これが一番厄介なポイントかもな。
こんな事情からお相手探しは難航しているのだろう。
「兄貴たちとはそりが合わねえんだ。旅先をきめるかね」
未来のことははっきりしないのに、環境が変わる。
どこに行くのがいいか、家を出てやっていけるのかって不安がある。
それでも今までは、嫌なことがあれば集まって慰め、
からかい、笑いあってそんなのを吹き飛ばしてきた。
明日から、出来なくなる。
そんな日々を過ごしていたら俺たちは今の俺たちで無くなっちまうような気がする。
俺が親父たちみたいながめつくなってないのは、お前らがいるからなんだよ。
このまま変わりたくない。
一緒にいさせてくれよ。
「僕は何を、どうすればいいんだろう……」
壁の燭台を見つめながら悩みを吐露した。
兄貴と違いアルヴィス卿が完璧すぎるからそんな風に思うんだ。
在学中に炎中位魔法を使いこなせる奴なんて、滅多にいるもんじゃない。
同じファラ傍系のユリスだってコントロールしきれてないんだぜ。
そもそも直系の卿と比べること自体がおかしいんだ。
王家から絶対の信頼だって寄せられてる。
そんな立派な兄貴に肩を並べようとするなんて非合理的だ。
背が遠すぎて、追いつく道筋すら見えなくなっちまうんだ。
こんな時はユリスの出番だ。
だが動いてくれそうにない。
こりゃ深刻だな、気晴らしが必要だ。
いい男の出番だな。
立ち上がり、元気を振り絞る。
「卒業記念に酒でも飲まないか?
親父の酒蔵には世界各地の逸品があるんだ。
740年の1本をそれぞれ選んで飲もう。
そして二十歳になる780年にそれを持ち寄って、もう一度酌み交わそうぜ」
「許可とってないよね。勝手に取る気でしょ」
「卒業祝いのイタズラってわけね‼
行くわよ赤コンビ‼」
お転婆と目配せし、同性の赤髪を引っ張っていく。
間抜けな声を上げているが気にしない。
「世界ひろしといえど親父程の酒収集家はいねえ。イザークのだってあるんだぜ」
「あたしはレンスターのね。ワインが有名でしょ。あたしは詳しいんだ」
「私はシレジア産の醸造酒。高いらしいからきっとおいしいはず」
「アゼルはどこのにするんだ?
くすねるんだからとっとと終わらせにゃならん。
あらかじめどこのか決めておけよ」
「しかたないなぁ……。
僕は持ち寄るときにちょうどよくなるのがいいな。
どんなのがいいか教えてよ、レックス」
――――――
俺は少しだけ別れ、使用人から4つグラスと照明をもらっておいた。
いつもの調子が戻った3人と、こそこそとグランベル随一の酒蔵に忍び込む。
日光を避け温度湿度を管理しなければならないらしく、わざわざ地下に誂えられている。
あの雑な親父が唯一繊細な気配りを見せるのがこの地下室だ。
普段はいるはずのソムリエや警備員がおらず無事忍び込むことに成功。
気を引く手間が省けたな。
手持ちのランタンで照らし、足音を抑え階段を下りる。
明かりを頼りに目を凝らし、極上の一瓶を探す。
まさにおとぎ話にあるダンジョン探索だ。
恐ろしいドラゴンは待ち構えていないが館には熊親父。
バレたら命の危険があることには違いがない。
各々至宝を選び取り、後ろめたさに胸を弾ませ階段を駆け上る。
地上に戻ると、手元以外にも光源があり生還できた実感が湧く。
手近な小部屋に移動しそれぞれが思う同い年の逸品を取り出す。
早速杯を傾けた。
「これトロトロしてるんだけど...」
「えぐい‼苦い‼不味い‼」
「これ酒じゃなくて薬じゃないか?」
「思ってたのと違う‼」
回し飲みしたが、どれも全く旨くない。
折角の記念日がこんな残念なものであって良いはずが無い。
冒険の果てには必ず素晴らしいお宝があると相場は決まっているもんだ。
誰からともなく立ち上がる。
「いい男ってのは、めげないもんだぜ」
――――――
今度こそ最高の逸品を選ぶべく、再び地下室へと赴いた。
もしかして17年も熟成させた酒は不味いのではと思いながらも、
アタリを各々の理論から予想する。
直観の雷女。
外装の凝り具合を手掛かりにする炎女。
置いてある位置から予想する優男。
先ほどのものが口に合わなかったのだから別の産地を選ぶのが合理的なはずだ。
「今度はざらざらしてる...」
「カビ味‼」
「海水なのか⁉」
「もーいっかい‼」
――――――
何度繰り返しても美酒が見つからない。
同い年の酒が不味いはずが無い。きっとまだ青いだけだ。
次に持ち寄るとき花開くような奴らなんだ。
最初の1瓶を持ち寄ることに決め、口直しを選ぶことにする。
飲みやすく、女ウケがいいらしいデザートワインだ。
母さんがそう言ってた。
親父は飲みも、飲ませもしないのに大量に保存し続けている。
アタリハズレの博打がないつまらない選択だが仕方ない。
いい加減まともなものが飲みたい。
上に戻るのも面倒だ、ここで開けちまえ。
床で飲むぞ。
ひんやりしてて気持ちいい。
「前の味と混ざっちゃった」
「カクテルね‼」
「つまみ用意しとけばよかったな」
「こういうのでいいんだよ、こういうので」
これまでハズレだったんだから、もう少し飲んでもバチは当たらんだろ。
とっとと一瓶飲み干し、手近なものを空けていく。
ほんのり赤くなったアゼルが、どこまで赤くなるのか見届けるのも良いだろう。
――――――
尽きたはずの思い出が、また湧き出してきた。
炊事を手早く終わらせようとファイヤーを使い、こっぴどく絞められた野外行軍訓練。
時間の節約になり多くのメリットを得られるのではないかと述べたら魔導書が勿体ないと説得された。
教官はうるさくていかついが、
頭ごなしに叱るんじゃなく、生徒と向き合ってくれる良い指導者だったのかもしれない。
「ハゲだからあり得ないわ‼」
ノディオン出身の騎士たちの見分け方の発明。
実践によってはかなく理論は崩れてしまったが、
彼らに兄弟だから判別がつき辛くて当然だと諭された。
伊達に騎士の国と呼ばれていないことが証明された。
逆に彼らから、ある程度の役職に就く男性に七三分けが多い理由を聞かれてしまい、
身近に該当者がいるためなぜか気まずくなった。
グランベル・アグスティ・トラキアにも似たのがいるらしい。
世界中に遍在するということはエッダ教*5がかかわっている可能性が高いと俺は睨んでいる。
「あの髪型がその世代で流行ったんじゃないかな」
斧イメージアップ運動中、槍使いから蛮族っぽいと喧嘩を売られた思い出。
でも魔法斧と魔法槍、ついでに魔法弓はないよね。*6
ちなみに剣には3種の神器*7があるけど。
なんて首を突っ込んできた剣士を斧・槍・弓のトライアングルアタック*8でしばいた。
相性有利なのだからそのまま他もぶっ飛ばせばよかった。
だが、戦友との絆は悪くないと知った。
「魔法が一番上!!ナーガ*9だって魔法なんだから!!」
魔法使いの上級クラスに剣の腕前が要求されることへの論戦。
近距離戦でも魔法を使うのになんで剣がいるんですか?
使わないのに勉強する意味ないじゃんと講師を論破してやった思い出。
顔真っ赤で魔法剣があるじゃん‼と反論してきたが、勝者は確定的に明らか。
これが雷使いが頭脳派である証明よ。*10
その程度で頭脳派かよ。
家族の前でその話をして姉貴に注意されたって言ってたよな。
「やっぱ剣より斧、はっきりわかんだね」
飲み、語り、考え、笑い、叫び、
声が枯れ水が欲しくなったころ天井が揺れる。
流石に酔いすぎた。
地面も揺れている。
突如ランタンの届かない暗闇から巨体が現れる。
「喝ッ!!」
地下室を衝撃が走る。
見上げるとそこには野獣がいた。
ここは本当にダンジョンだったらしい。
「きゅ、きゅまおやじ~」
父親なのか⁉
子供がいると一瞬で分かるなんて、
女の恋愛に対する感度は恐ろしいものがあるな。
「らんぎょばうどきょう」
名前があるのか⁉
二つ名持ちの獣がうちに現れるなんて驚きだ。
それにしても害獣駆除まで担っているなんて、ヴェルトマー家はなんでも屋だな。
俺たち4人がいるんだぜ。
真っ青になるこたぁないだろ。
相変わらず突飛なくせに肝が小さいやつだ。
姿をしっかり確認すべくランタンを掲げる。
下からの光で全貌が明らかになる。
「目こぼししてやっていれば際限なく調子に乗りおって!!
引き際を弁えぬ者に、明日は無い!!」
これ、親父だ。
光る斧はボトルを開けるのにはデカすぎる。
どうせならつまみと替えのグラス、
それに水を持ってきてくれればよかったのに。
拳骨よりそっちの方がよっぽど嬉しいぜ。
「すいませんでした!!ランゴバルト卿‼」
親父の前に飛び上がり、勢いよく頭を下げるアゼル。
そのままぶっ倒れた。
ぐぇと汚い声を上げる。
そのままごめんなさいを連呼している。
酒との付き合い方をまだまだ知らない奴だ。
酔ったときにいきなり動くと危ないんだぜ。
相変わらずかわいい奴だ。
「……先ずはここから出るぞ。肩を貸してやる。
上がったら水を持ってこさせるから一旦落ち着け。
話はそれからだ」
怒りの形相から関心、呆気にとられた間抜け面、そして気まずそうな顔。
親父がコロコロ表情を変えられるなんて新発見だ。
親父がアゼルを抱え階段へ向かう。
その背を明かりを持ったユリスが酒棚にぶつかりながらついていく。
俺は腰を抜かしたティルテュに肩を貸してやる。
「やっぱりアゼルはすごい。どんな時でも立ち向かうんだもん」
そんなの俺たちみんな知っている。
あいつはどれだけ無謀だろうが、成すべきと思ったら必ず成す。
放り投げた方が、楽だと分かっているだろうに。
「倒れなきゃ格好が付いたんだけどな。
あれじゃあバッタかカエルだぜ」
自分のことじゃないのに誇らしい。
あんな無様を見てそう思うあたり俺も相当風変わりだな。
苦しい状況でも変わらない奴がいる。
案外これから先どんなことがあっても大事な所は今のままなのかもしれない。
そんな風に思わせてくれるアゼルは、やっぱりいい男だ。
――――――
宣告通り水を飲み、赤ら顔が多少マシになった。
この後を思って青くなったともいうが。
使用人たちはこちらを微笑ましそうな目を向けてくる。見るな。
大広間に連れられて行く。
本当に酒宴を開いてやがった。
大広間で兄貴と家臣たちからの煽りが止まない。
「荒熊の酒蔵を荒らすとは。お前もドズルの漢だな」
「旨ぇ酒は高けぇって勉強になったねぇ~!!」
「坊ちゃんも飲み比べに加わりたかったんすか。
い~え~ば~よかったのに~」
うるせえ。
お前ら酔いすぎだろ。
まさか本当に昼から飲んでたわけでもないだろうに。
――――――
散々囃し立てられ、
親父にこってり絞られた後、俺以外は馬車に押し込められた。
俺は地下の後片付けを押し付けられた。
頭痛はするし親父の大声でまだ耳がキンキンする。
動きたくない。
瓶を仕分け、中身が残っているものは元の位置に戻す。
空瓶は上に運ぶため一か所に集める。
20本には届かなかったがそれなりに重い。
今のコンディションでは重労働だ。
床に零した酒をふき取り水拭きをする。
四つん這いになり腕を振るう度に頭が揺られるような感覚があり不快だ。
一通り後始末を終えた後、
最初に選んだ4つの瓶をばれないようにくすね、掃除用具に隠して運ぶ。
「いい男ってのは、失敗にめげないもんだぜ」
朝日に透かす。
次あいつらと会うときに配ってやるんだ。
3年後、再会するまでにお前たちも旨くなっておけよ。
俺も負けないくらい男を磨いておくからさ。
プレイヤーは普通にできる。
本作からFEに入ると変な先入観を植え付けられる。筆者はされた。
後は槍に2つ神器がある。他は各種に一つ。
聖戦の系譜では敵側しかできない。
最大43%で一方的に攻撃し続けられる。
次話から原作が始動します。