原作3章の簡単な流れ
・シャガール王(盟主)、停戦期間を破り駐留していたシグルド軍を攻撃。
・シグルド軍とエルトシャンが戦うことになる。
・シグルド軍、北アグストリアの平定。
・北の小島を拠点とする海賊が火事場泥棒。
・シグルド軍、海賊討伐を実行←今ココ
略奪に向かった海賊たちは討伐済み。
後は根城に残る大将を討ち取れば終わり。
シグルド様を早く休ませてやりたい。
親友のエルトシャン様が死に、嫁さんが突然行方不明*1。
あの人には不幸が襲い掛かり過ぎだ。
この戦争が終われば探しやすくなる。
その手伝いのためにもさっさと終わらせないとな。
だが、悲しいことだけじゃない。
アンドレイの姉貴が見つかった。
エーディン様が神器イチイバル*2を渡したことで記憶を取り戻したらしい。
神器ってのは何でもありだな。
まさか、海賊の親分をやってるとは思わなかったぜ*3。
「ドバール、これで終わりだよ!!」
ブリギッドの掛け声で、仲間と城から離れる。
巻き込まれたら溜まったもんじゃない。
後方から轟音が聞こえたと思ったら、横からの爆風に煽られる。
聖弓の一条が城壁ごと抉る。
海賊の頭目らしき男の原形すら残っていない。
俺でも2発耐えられればいい方だな。
神器はおっかないぜ。
立ち向かうなんて馬鹿がすることだ。
皆、開いた口が塞がらない。
仲間になったってのに、ブリギッドに近づこうとする奴はいない*4。
―――――
アグストリア住民を刺激しないよう、
制圧したばかりのオーガヒル城にシグルド軍が集められる*5。
シャガール王どころか、エルトシャン先輩までやっちまったんだ。
この国の民はさぞ俺たちを怖がっているだろう。
半年間滞在した南の村々は俺たちの事を知っている。
だが、今回征服した北半分にとっては恐ろしい集団だろう。
……シグルド様たちにあの誓いを破らせちまった。
エルトシャン先輩、あんた馬鹿だ。
だが、命を賭して主君に諫言する。
その姿勢は騎士だった。
自分の道を貫き通す、格好良かったぜ。
貴方は間違いなくいい男だった。*6
「一体なんなのよ~!!
もう、やんなっちゃう!!」
場違いな叫びだ。
聞き覚えがある。
だが、ここにいるはずが無い。
―――――
周りの奴らと声の方へ顔を向ける。
長い銀髪を上で結わえた女。
魔法兵らしい薄手の格好だ。
やっぱりだ。
「あ~!!
レックス!!」
こちらに大きく手を振って駆けてくる。
仲間たちは武器に手をかける。
ジャムカ*7は既に弓をつがえている。
「大丈夫だ。俺の同期だよ。
シグルド様だって知ってる」
皆武器を下ろしてくれた。
このタイミングで来るということは、使者かなにかだろう。
ユリスに付いてきたってとこか。
「エーディン先輩もいる!!
なんかワイルド!!」
俺からブリギッドに対象を変えた。
走って跳び着こうとするティルテュ。
頭を引っぱたかれた。
「あたしはブリギッドだ!!」*8
双子なせいで見分けがつきづらい。
しかも数年ぶりの再開だ。
間違えるのは仕方ない。
誰だってそうなる。
「痛い!!
海賊の次は何よ!!」
近づいてフォローしてやるか。
「双子の姉貴だってよ。
学園で聞いただろ*9。
神器を受け取って思い出したんだってよ」
雷娘は思い出すように空を見つめる。
ブリギッドは拳を構えている。
突然、ブリギッドの拳を両手で握りしめた。
「良かったね!!
エーディン先輩も心配してたのよ!!」
風切り音を立てながら、上下に振る。
神器持ちに気圧されないのかよ。
お前すごいな。
「う、うん」
元海賊の棟梁が押されてる。
こいつはストレートで警戒するのも馬鹿らしくなる。
ま、こんな時に居れば空気も和らぐな。
「ティルテュ!?
なんでここに!?」
アゼルも来たみたいだ。
シグルド様たちも側にいる。
皆の前で説明させるか。
―――――
ティルテュがアゼルに駆け寄る。
アゼルも走って近づく。
幼馴染なんだ、心配してたんだろう。
「ユリスの分!!」
そのまま跳び蹴りを食らわせた。
両足がアゼルの腹に刺さっている。
こいつも体力が付いたんだな。
卒業後も訓練をサボってなさそうだ。
「っうぐ!!」
アゼルは汚い声を上げて倒れた。
周りの奴らが扱いに困ってる。
仕方ない、俺が場をまとめるか。
ティルテュの横を通る。
倒れたアゼルに近づき、屈んで手を差し出す。
アゼルが俺の手を掴む。
「家出のバチが、ついに当たったな」
顔を逸らされた。
「諸悪の根源!!
成敗!!」
ケツが蹴り上げられる。
不意打ちで、息がもれそうになる。
「痛ったい!!
固すぎんのよ斧野郎!!」
アゼルを押しつぶしそうになっちまった。
地面に背中を預け、ティルテュに向かう。
「随分なご挨拶じゃねえかパチパチ娘!!
なんでこんなとこにいんだよ!!」
腰に手を当て、踏ん反りかえって宣告しやがる。
「真実探求の護衛よ!!」
何言ってんだ、こいつ。
だが、こんなやり取りも久しぶりだ。
暗くなった軍には、ちょうどいい。
―――――
後ろから声がする。
「ティルテュ、君が来ているとはな」
首脳陣が揃っていたか。
「キュアン先輩!!」
俺たちだと分が悪い。
他の奴に事情を聞いてもらうとしよう。
アゼルとアイコンタクトをし、身を縮める。
「一体何があった。
君は理由もなく暴れる女性ではなかったはず。
ここにいる理由も含めて説明してくれ」
助け船を出してくれたな。
頃合いを見て、さり気なく逃げよう。
ゆったりと這ってティルテュから離れる。
「シグルド先輩の冤罪を晴らすために、神父様と聖地に行ってました。
そこで真実と神器を授かったみたい。きたない杖だけど*10。
帰りに海賊たちが襲ってきたのであたしがやっつけちゃいました」
俺たちのマントが踏みつけられる。バレたか。
それにしても、なんか色々ヤバイこと言ってないか?
「なんだか城が騒がしかったから来たら、脱走兵を見つけて制裁しました」
俺たちを睨みつけ、踏みにじってくる。
「……君は相変わらずだな。
つまり、エッダ家の当主と共に来たということか。
ユリスはいるのか?」
仲間たちのざわめきが聞こえる。
……ああ、クロード神父のことか。
確かに、教会の頂点がこんな所にいたら驚くよな。
しかもここには、聖地ブラギの塔がある。
そのお方を間接的にでも守れた。
これ以上の名誉は滅多にない。
「ユリスは居ません。お仕事で忙しいみたい。
最近はなんか家から出られないらしいよ。
お茶会する時間もないみたい」
あいつは王の使者として飛び回っていたはず。
それなのに、ヴェルトマー家に居続ける。
なにかがあったに違いない。
普通なら妊娠を疑うところだが、
こいつが知らないのはあり得ない。
隠せるはずもない。
でっかい失敗をしたか。
いや、そんな奴じゃない。
第一、失敗した使者は命で償う。
あの家は怖すぎるぜ。
アゼルを見てると忘れちまう。
「あたしは神父様の護衛をかって出たの。
……お姉さまには内緒にして。
今度の巡礼祭には、絶対参加しようね」*11
「おめえも家出じゃねえか!!」
勢いよく立ち上がる。
マントに足を取られたティルテュが尻もちをつく。
形勢逆転だな。
俺たちは変わんねえな。
毎回祭りになると抜け出してる気がする。
あとはユリスと弓野郎が居れば、大脱出-エクソダス-の再演だ。
「流石にそれは……まずいよ。
姉さんも心配してる。
シグルド様に頼んで伝令だけはだそう」
アゼルが正論でなだめながら、立ち上がらせる。
クロード神父が誘拐犯と間違われかねない。
最悪、駆け落ち扱いで嫁の貰い手がなくなる。
「アゼルもやったじゃん!!」
それを言われたら立つ瀬がない。
俺たちは顔を逸らすしかできねえ。
「それはともかく、神父様を守ってくれたのね。
よく頑張ったわね。初陣もまだだったでしょう?」
ティルテュに近づき、頭を撫でるエスリン様。
レンスター夫婦には助けられっぱなしだ。
「うん!!
怖かったけど、頑張った!!」
満面の笑顔だ。
よく見れば、ローブの所々に切り傷がある。
胴には深い切り込みまである。
神父が杖で直してくれたんだろうが、踏ん張ったんだな。
というか、こいつ初の実戦が護衛かよ。
なかなか重いな。
「すごいじゃないか。
教主をよく守り切った」
キュアン様の発言で、仲間たちも湧き立つ。
「すごいねティルテュ!!」
アゼルが素直に褒める。
なら、俺は戦士らしくやってやる。
気づかれないよう、照れているティルテュの背後に回る。
手を下から上に上げるジェスチャーで周りの奴らに伝える。
アゼルも気づいたか。
少ない語彙で褒めちぎって、注意を引いている。
仲間たちも足音を立てず、にじり寄る。
それを確認し、俺はゆっくりとしゃがむ。
アゼルはさり気なく、ティルテュの横へまわる。
「お祝いだ。飛んで来い!!」
膝裏と肩を捕まえ、そのまま真上に放り上げる。
跳び上がる勢いも乗せたおかげで、想像より高い。
「うぇ〜え!!
なんで!!なんで!!なんでぇ~!!」
なっさけない。
キュアン様も駆け寄ってきた。
胴上げに参加するつもりだ。
いつの間にかシグルド様も横にいる。
周りには投げだされた武器が転がっている。
ゲイボルグまで大地に刺さってる。
剣、槍、斧、弓まるで激戦の跡地だ。
何度も悲鳴を上げさせているうちに、
楽し気な声になってきた。
どんどん仲間たちも集まってくる。
ジャムカも受け止めるのに参加してる。
こいつ、結構ノリいいよな。
他の奴らも俺たちを見て笑ってる。
レヴィン*12なんて楽器まで持ち出して囃し立ててくる。
壁を作りがちなアイラ*13も、エーディン様と微笑んでる。
沈んでいたラケシスも楽しそうだ。
ブリギッドも困惑混じりだが、まんざらではなさそうだ。
血なんて関係ない、こんな緩さが気に入ってる。
家を出て正解だったな。
「皆さん……楽しいのは分かります。
ですが、肝心のクロード様はどちらに?」
うちのチビ軍師、オイフェ*14の発言で思い出す。
投げ飛ばす手が固まる。
皆、周りを見渡す。
あの長い金髪を持つ男性は見つからない。
最重要人物が居ない。
地面との衝突音。
鈍い音と汚い声。
うめき声だけが聞こえる。
遠くから、声変わり前の高い声が聞こえてくる。
「おぉ~い。
おいら、お客さんを連れて来たよ~。
シグルド様に用があるんだって~」
こいつ、護衛対象を置いてきやがった。
デュー*15が居なきゃ放置のままだったのかよ。
靴先で小突くとうめき声が帰って来る。
原作では物理威力が同率トップ。
彼女は義父の方針を継ぎ義賊らしい行動を部下に課したせいで、反逆された。
さもなくば、大量の騎兵と魔剣ミストルティンを相手にしなければならない。
本作ではあたしを採用。
ユングヴィ一家は海賊に攫われたと思っていた。
唯一ステータスにボーナスがかからない神器。
国を飛び出していた所、流れでシグルド軍に加入。
ティルテュ虐は用法容量を守りましょう。
全員載せると多すぎるので一部だけです。
ブリギッド
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シグルド
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キュアン
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レヴィン(シレジアの王子)
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ジャムカ(ヴェルダンの王子)
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