ライフ減少がリアルダメージになる世界で自傷デッキを拾ってしまった 作:七夕茸
「ではこちらのターンだ、ドロ-」
四季神部長がデッキからカードを1枚引きぬく。彼女のデッキ《
ちなみにこのデッキに墓地メタになるカードは入っていない。だからプランはいつも通り早期決着、すでに
「時に紙山部員、そのマキアスとの出会いについても聞いていいかな?」
「……え?」
「一応君たちがコンビということは認めることにするが、以前までと使っていたデッキとあまりに傾向が違い過ぎる」
「それはそうですね……」
「カミヤマーつまりどういうこと?」
「通常マキアスとコンビとなる人は使っていたカードを出入口にしてやって来るか、パックを剥いた時に使っているデッキと同じテーマのカードから来ることが大半です。まあたまに同じ世界からくる別テーマの人とコンビになることはありますが」
「コンビの君だけならたまにのケースに該当すると思っていたんだが……今出てきた二体のシルエットが明らかにジャンルが違う。百歩譲ってウサギもヒキガエルもいたとしよう、だがなんだそのサイズは」
私は自分の盤面に並んだ二体のシルエットを見る。どちら頭の位置も1.5メートルくらいの大きさで私が使っていたテーマの世界にはまずいないだろう。だから四季神部長の言いたいこともわかる。……まあ隠すようなことでもないし伝えるか。
「クレアは拾ったんですよ」
「……ふむ」
「バイトからの帰り道路地裏にデッキごと捨てられているところを見つけまして、カードゲーム好きとしては見捨てられないなと思いまして……」
「カミヤマありがと-!」
感極まったようにクレアが抱きついてくるが別に私は普通のことをしただけだ。捨てた側が異常なだけで私じゃなくても誰かが拾っていたとは思う。
「なるほど、具体的な場所とかは覚えているか?」
「バイト先からの帰り道のビルとビルの間ですけど……これそんなに重要な情報ですかね?」
「カードが捨てられるなんて言語道断なのでな。その周辺に不届きものがいるならば成敗しなければならない」
「物騒ですね……」
「紙山部員もこちら側だと思うが」
「え?」
こちら側ってなんだ、私は転生者ではあるけど前世でも今世でも一般人でしかない。不審者がいればすぐに逃げるし、危険なところにわざわざ突っ込む気はない。
「自覚がないのは少し危ういな……まあいいマキアに戻ろう。《木瓜隊・森林のランマル》を召喚、登場時にデッキからカードを一枚引き、一枚捨てる。さらにスペル発動《三段撃ち》山札の上から3枚を墓地に落とす、その後相手のシルエット一体を選びパワーを墓地のカードの枚数×200マイナスする。私はチンウーを対象に選ぶ」
「チンウーはパワーが0以下になったので破壊されます」
「バトルだ、ナガヨシで紙山部員に攻撃だ」
「ライフで受けます!っ!!」
「ターンエンドだ」
じりじりと追い詰められていくのが実感できる。盤面にいるシルエットは互いに2体だがヨシナリにパワー負けするゲットとパワーは上回っているが自身の効果で常に
さて回答札は何があるだろうか……。
「私のターンドロー!……《観測されるモノ・チンウー》を召喚、効果は破棄してバトル!チンウーで攻撃!」
「ランマルでブロック」
ヒキガエルが若そうな同じくらいの身長の落ち武者ゾンビを丸飲みにする。絵面としてR-15モノだが、まあマキアだと事案みたいな絵面が発生するのはよく見るので気にしない。
「ターンエンドです」
ライフを削れなかったか……まあいいどうせ守れないから投げやり気味に攻撃しただけだ。ブロッカーとして残したところであまり意味がないが万が一引いていなかった場合の保険だ。
「万策尽きたか?紙山部員……ならここで一気に行かせてもらう!《木瓜隊・
「インタラプトスペル発動!《うさぎの献身》!私はゲットを破壊することで、そのシルエットが与えられるダメージ分ライフを回復しつつデッキからカードを一枚ドローする」
「だがチンウーは破壊させてもらう」
ノブナガの乗るバイクから排気されるガスで互いの盤面が包み込まれる。そうして残ったのはノブナガ、ナガヨシそしてプロフィールだけだ。
「出た~四季神先輩の切り札だ~私あれ出されるの結構つら~い」
「
「バトルだ、ノブナガで攻撃」
「ライフで……っくう!だけどライフ減少時に半分以下になったのでプロフィールの効果発動!このシルエットを|アクティブにして相手のシルエット一体……ナガヨシはこのターン攻撃できません!」
「一気に圧をかけたかったが……ターンエンドだ」
別に負けたところで四季神部長のことだ、よほどのことでもない限りクレアは受け入れてくれるだろう。だけどあそこまで啖呵をきったのだ、勝たないとかなり恥ずかしい!
「私のターンドロー!来た!」
「……カミヤマ何引いたの?」
「私は
「なんで~?ターンには自分のライフは削っていないのに~?」
「バトル!プロフィールで攻撃!」
「……ナガヨシでブロックだ」
「インタラプトスペル発動《狂戦士の特攻》!プロフィールを対象に発動し、パワーをプラス1500します!」
「すでにパワーは上回っているのに底上げだと!?しかしナガヨシが破壊されてバトルは終了だ!」
「《狂戦士の特攻》は付与したシルエットのバトル終了時、私は1ダメージ受けます。そしてライフ半分以下の時にライフが減ったのでプロフィールの効果発動!アクティブ状態になります!そのためもう一度プロフィールで攻撃!」
「まさか無限攻撃か!?」
「私のライフ尽きるまでですけどね!でもそれで十分!私のライフが減る事に《魅了せし狂気の跡》の効果で与えるダメージは加速する!」
プロフィール……もといクレアの姿をしたシルエットがサブミッションで四季神部長に攻撃する。……なんで関節技なんだろう、朝組み伏せられたクレアの怨念が宿ったりしたのだろうか。
「
フィールドが解除されてプレイマットに0と1が収納される。危なかった……残りライフ1だったから何らかの方法で一度でもダメージが通らなかったら終わってたし、除去耐性もないから危険すぎる綱渡りだった。
「カミヤマー!なんであんなスペル入れてるの!」
「えっと……なんで怒ってるんです?相性のいいカードはテーマ外のカードでも入れるべきだと思いますけど……」
「そんなのデッキに入れなくてもボクは強いよー!」
なんか怒られたけど別に抜くつもりもないけど、コンビ仲を悪くなりたいわけでもないし、なるべく元のデッキの純度を下げずに構築することにしよう。