ライフ減少がリアルダメージになる世界で自傷デッキを拾ってしまった 作:七夕茸
設定の破綻がないかたまに自分で読み直した結果、二話のアサドの踏み倒しライフが1足りてなかったり(一応うさぎの献身を使えば足りる)、部長のカード名ミスってたり(森長可だよヨシナリって誰だよ、あとおそらく4コスなのに何で打点2の上で墓地肥やしと回収効果もってるんだよスペック盛りすぎだよ)、クレアの一人称(この作品唯一のボクっ子なのに)が安定してなかったりガバが見つかりすぎて怖い。
クレアとマキアをした日から数日、私は夏雲なぐもと一緒に遊びに街に繰り出していた。現在は夏雲の要望でショッピングモールの服屋に来たところだ。
「春陽は強情だね~いい加減ミニスカ履きなよ~」
「履かないってスカートは履いてロングだけだから!」
なぜわざわざ足を晒すのか分からない。風の通りがいい?ただ風邪を引きやすくなるだけだ。タイツとか履けばマシになるかもしれない、でも何故自分で着る服に手間をかけなければならないのか。納得できない。
そもそも私は身長がある方ではないから見栄えなんか気にしたところで無駄だ。メリハリのある体の持ち主である目の前の女巨乳ギャルには理解されないだろうけど。
「じゃあ~トップスの方見る?」
「そっちも要らない。私、パーカー沢山持ってるから」
「沢山ってそれしか持ってないでしょ~!?春陽の私服でパーカー以外見たことないし!」
「でもパーカーは便利」
まずフードがついてる。急に雨に降られても頭部が濡れることを避けることが出来るのだ。それにポケットもついているものも多い。小物がいくつも入れられてバックの容量を圧迫しないとても機能的だ。そしてカラーバリエーションは豊富だ、主に白や黒、グレーそしてそのほか沢山だ。
それに今日着てきたグレーのパーカーにはコアラと胸の辺りに英字で書かれてたり左脇腹の辺りにはリアル調のイラストもある。基本無地のものしか買わない私からすれば多分一番オシャレなパーカーではある。
「ダサいよ~!前から思ってたけどないよ~!」
「え……」
「もう春陽の要望聞かないからね~今日1日は私の着せ替え人形になってもらうよ~!ミニスカも履かせるから!」
「ええ……」
……まあ、今日は夏雲に付き合うって言ったししょうがない。ゲームセンターのUFOキャッチャーに新しい景品が入ったから一緒に行こうと思っていたんだけど。
「まずはね~春陽~服のサイズいくつ~?分かんないなら最近測った身長でもいいよ~」
「基本Sサイズのものを買ってる」
「うんうん想像通り~じゃあまずはこれ着てみて~」
私は試着室に押し込まれながら夏雲に手渡された服を受け取る。……うん、いや存在自体は知ってるし前世でも見たことあるけどまさか私がこれを着るなんて。
「とりあえず着てみたけど、どう?」
「うん、かわいい~!」
彼女が一着目に用意したのは暗いピンク色の襟にフリルのついたブラウスと真っ黒なかぼちゃみたいな形に膨らんだミニスカ……所謂地雷コーデだった。初手からか、初手からこれなのか私は後に来る
「……撮っていいとは言ってないんだけど」
「春陽は私が褒めても信じないでしょ~?でも
「それはそうだけど……」
「あ、もしかして~私以外に見せたくないとか~?かわいい~」
「違うから、恥を共有すんなって話」
「いやいや~私も大切に保存したいけど、春陽のオシャレ意識改革には必要なことだから~」
夏雲がスマホを操作して送信ボタンを押す。ご丁寧にマキア部のグループに共有したので私の恥ずかしい姿が私のスマホにも残ってしまった。
「お、早速二人からも既読が付いたよ~」
「終わった……」
私は通知が届かないことを祈ったが二人とも連絡はマメに返してくれるのですぐに通知が来てしまった。ちなみに秋雨も確認しているだろうけど常に冬雪と一緒にいるので大体連絡は冬雪経由でやってくる。
冬雪からは【そういう春陽は初めて見るけどいいと思うよ。秋雨も頷いてる】、四季神部長からは【紙山部員、趣味は人それぞれだが流石に肌の露出が激しいようにも感じる。似合うかどうかなら似合うとは思うが】と来ていた。
「ほら~似合ってるって~」
「いや四季神部長は肌の露出が激しいって言ってるし、別のにして」
「これから夏本番だよ~暑いと思うよ~?」
「半袖のパーカーは持ってるから別に買わなくても……」
「ダメだって~!とりあえず他の服見繕ってくるからちょっと待ってて~!」
風のように服を物色しに行ってしまった。……元の服に着替えとくか。
そういえば、冬雪で思い出したけどあのゴスロリ?の女の子はあの後冬雪の家にたどり着いたのだろうか。できれば彼女が使っていたカードについて詳細を聞きたいからもう一度会いたいが……まあマキアスでもないのに濃い外見だったし、冬雪の関係者なんだし会えるだろう。
「春陽~追加で持ってきたよ~」
「ありがと」
次に彼女が持ってきたのは……なんだ?あ、なんか持ちにくいと思ったら肩の辺りに布がない服だ。スタイルのいい人間が着れば多分胸が強調されたりするんだろうけど最低限の膨らみすらない私だとストンとしてしまい見栄えが悪い。
「ど、どうかな?」
「うん、すっごい、いい……」
パシャシャシャと夏雲の連写が止まらない……いや一体何枚とる気だこいつ。手持ち無沙汰なので膝までしかないスカートをつまんでピラピラとさせてみる。なんか気持ち連射速度が上がったような。
「はぁ……夏雲の態度的にお眼鏡に叶ったようで何よりだよ」
「叶うもんじゃないよ~!想像を超えてきてヤバ~い!」
「だったらその写真消して」
「それは無理~」
そう言いながら彼女はまた私たちのグループに写真をあげた。あんだけ連写していたのに共有されたのはたったの1枚だけだ。なら他の写真なんて容量を圧迫するだけの
「あれ~二人とも返信来ないね~」
「いや即レス来るほうがおかしいでしょ。二人にだって用事はあるんだし」
「じゃあ、待ってる間に3着目も行ってみよ~!」
「おー」
そうして私の夏雲のためのファッションショーは続いた。服を変える度に夏雲がグループに共有していくのですごい恥ずかしい。言うなれば《魅了なんてされない狂気の跡》だ。
そういえば《
「ふ~春陽~気に入ったのあった~?」
「不承不承ながら気に入るのは何着かあったよ」
「素直じゃないな~でもあったようで何よりだよ~それ買って次の店に行こ~」
「次って、まだ服を!?」
「いやいや普通にご飯屋さんに行こうって話だよ~」
「よかった……じゃあ私会計済ませてくるから、って何でついてくるの?」
「え~?私が選んだんだからどれがお気に召したのかな~って」
「それもそうだ」
私が購入した服は普段の私なら手に取ろうともしないタイプの服だ。足元まで丈が長いカーディガンとショートパンツ、後はシンプルな無地の半袖のシャツだ。
ショートパンツなんて食わず嫌いしていたが案外性に合っていた。ロングパンツの方は身長の問題から似合わないとわかっていたがショートパンツの安心感がすごい。
「春陽って~オーバーサイズの服が好きだったりする?」
「……そう言われればそうかも」
「春陽は小っちゃいから大きく見せたいの?」
「うっさい」
軽いローキックを夏雲に向けて放つが彼女は一歩引いただけでひらりと躱されてしまった。足のリーチ差っ……!
会計を済ませた後、私たち二人はショッピングモールのフードコードにやってきた。チェーン店しかないが、安定して美味しい食べ物が食べられるわけだしとてもありがたい。
「春陽は何食べる~?私はクレープ!」
「え、それお昼ご飯にするつもり?私はえっと……ハンバーガーにしようかな」
先に席だけ確保しておいて各々昼食を買いにいくことになったが、ハンバーガーの方はさっさとできたのだがクレープの方は列が長くまだまだ時間がかかりそうだ。
……さっきの夏雲は納得ができるものだった。他の人に褒めてもらえた方が自信がつく。だから私はグループ共有された画像から先ほど私が買ったセットの画像を保存して、
十数秒待った後間さんからはサムズアップのスタンプが送られてきた。もっと文章で褒めてほしい気持ちも強かったが今日は午後からシフト入ってるしそうすれば生の声で聴くことが出来る。早くバイトの時間にならないかな……。
「春陽~お待たせ~いや~クレープ長くってさ~」
「待ってる間にシェイク飲み終えたんだけど」
「ごめんって~ほら一口」
「許す……美味しい」
夏雲が買って来たのは季節限定春のフルーツ盛り合わせクレープというらしい。私が食べたのは桃の部分だが他にもいちごとかゴロゴロ入ってる。
「お返しにポテトどうぞ」
「わ~い、あ。食べさせてくれてもいいんだよ~」
そう言って彼女は口を開けてポテトを迎え入れる準備をする。今日の服を選ぶことができたのは夏雲のおかげだしこれくらいの恩返しはすべきだろうと思って、私はポテトを一本手に取って彼女の口に運ぶ。
「春陽の手から渡されたからすごっく美味しい~!」
「手汗とか出てた?」
「違うって~も~春陽はそれを本気で言ってるのが怖いよ~」
その後雑談をしながら昼食を終えた。ちなみにポテトを夏雲の口に運ぶ作業は5回目あたりからめんどくさくなったので残りを夏雲にあげることにした。
「ごちそうさまでした。この後だけど前から伝えてたけど私バイトあるから解散ね」
「バイトバックレる気とかない~?」
「ないない、オリンピアに向けてデッキを強化したいし軍資金はあった方がいいし」
「あ~オリンピア~私も勝ちたいけどデッキどう強化しよ~」
「ミグラトリーはやることシンプルだから強化の方向性悩むのはわかる」
あのデッキはスワローの効果で全員にアンブロッカブルを付与して一斉突撃、受けはインタラプトスペルに頼る中速除去ビートデッキだ。私のFIと動きは近いが私の方は能動的な除去は全てシルエットだよりで相手のライフを詰めるターンとシルエットを取りにいくターン両方必要になってくる。そのため結構立ち回りが異なる。
強化案だが防御を薄くして打点を上げる効果のスペルを入れてもいいし、逆に除去札を増やしてロングゲームを視野に入れてもいい。その人の方向性で如何様二も伸ばせるいいデッキだ。しかし夏雲がそこまで悩むなら……。
「いっそ私みたいに別のデッキを握るとかは?」
「デッキ動き覚えるの苦手だから~春陽みたいにそう簡単に乗り換えはちょっと難しいかも~」
「そっか……」
会話が途切れてしまった。私と夏雲はマキアがなければ関わり合いにならなかった人間だ。そのマキアの話題が尽きると何を話せばいいのか途端んい分からなくなってくる。
そうして話題を考えていると不意に私たちのスマホが同時に着信をメッセージを受け取った。
「あ、冬雪からだ~」
「四季神部長からもだ」
「同時ってことは一緒になんかやってたのかな~」
「かもね」
送られてきた内容は先ほどとそう変わらない内容だったがなぜか四季神部長の方からは露出についての言及がなくなっていた。あれだけミニスカとか履いていたから感覚がマヒったのかもしれない。まあ何にせよ今度50勝先取の命令権で間さんと遊びに行く時の服は決定して何よりだ。