ライフ減少がリアルダメージになる世界で自傷デッキを拾ってしまった   作:七夕茸

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十七話です。ヴァイスシュヴァルツに東方が登場したので一ボックスだけ購入。対応スペカで強力な効果発動ってコンセプト滅茶苦茶いい。
デュエマのライオネルのアタックチャンスがめちゃくちゃ便利なこと書いてて驚き、ザゼゼーンが攻撃する時に無敵化かワンドローかタップの効果使えるようになるのありがたすぎる……!
似たようなのはDDD効果であったけど、アグロよりのうちのザゼゼーンデッキだとコスト踏み倒して使えるの嬉しすぎる。
森可成(よしなり)という人物は実際に織田家家臣にいたんですね、自分の不勉強でした。作者的には森長可の方イメージで書いていたので修正は覆らないです。


十七話

「やっぱり必要だと思うんだよね~」

「何が?」

 

 マキア部にて私と夏雲(なぐも)は対面に座って夏雲のデッキを改良するにはどうすればいいかを相談していると夏雲が急に話題を振ってきた。

 ちなみに冬雪は予定があるとかで休みで四季神部長は用事を済ませてから遅れて来るらしい。

 

「新入部員だよ~!」

「もう5月だから無理なんじゃないかな」

「それはわかってるけどさ~あ~なんで4月のうちに勧誘頑張らなかったんだろ過去の私~!」

 

 ……机に頭をこすりつけながら後悔しているが前髪が崩れたりしないのだろうか。彼女が懸念していることは部全体の話なのでとりあえず顔上げさせるために彼女の顔を両手で持ち上げしっかりと目を合わせる。

 

「落ち着いて、そして思い出してみて4月の間私たちが何してたのか」

「え?あ~……マキアしてた~?」

「そう、私たちはマキアをしてた。去年同様の活動を普段通り、部活勧誘期間であっても……つまりその風景を見て誰も入部希望が来なかったということは勧誘しても無駄だったということで、夏雲が気にやむことはないよ」

 

 ちなみに去年は冬雪が入部すると知ったファンの子たちが殺到したせいでうちの部のキャパを大幅に超えてしまった。結果四季神部長の鶴の一声でファンの子たちは入部拒否になり、私と夏雲しかマキア部に残らなかったのだ。

 だから多分今年もファンの子が入部しようとしてたのかもしれないけど四季神部長が落としているだろうし、私や夏雲みたいな人材はいなかったんだろう。

 

「私も新入部員はいた方が嬉しいから夏雲の気持ちはわかるから解決策は一応ある」

「おお~!それは~?」

「ショップの大会に参加しよう。うちの店でも毎週末にはあるし、まあ私はバイトで参加できないけど……」

「……何もわかってな~い!」

 

 夏雲はうちの部員が少ないため仮想敵の相手に不足していることを嘆いていると思っていたのに違うのか……。

 色んな相手と戦うのはこの世界においても重要な経験だ、なぜならデッキテーマによってキルターンはまるで違うからだ。

 クレアのいる観測されるモノは2~4ターン目には決着が着くことが多い一方、夏雲のミグラトリーはそこから3~4ターンは決着に時間がかかる。では観測されるモノの方が強いかと言われると別にそうでもない。

 このマキアというカードゲームも前世の数多あるカードゲーム同様しっかりバランス調整されているからだ。例えば観測されるモノはその早いキルターンという武器を持つ代わりに滅法撃たれ弱い。シルエットのほとんどは同コスト帯でもあまり突出したパワーのものはおらず、アサドはブロッカー一枚立っているだけで機能不全を起こし、プロフィールは自信含めた3枚コンボで安定感はあまりない。そして時間をかけると観測されるモノの共通(自傷)効果で自滅してしまう。

 だから自分のキルターンで相手を倒せなければ相手のキルターンが追い付いて敗北してしまう。

 逆にミグラトリー側からすればいい感じのところまで耐えるて最後に小突くだけで勝ててしまうのだ。

 では初見のデッキ相手にどう実践すればいいのかという話になるが、そこで先ほどの色んな相手と戦った経験というのが重要になってくる。

 相手の初動を見てどんなコンセプトのデッキかを、相手が攻撃するかしないのかを見て速度を学んでいく。

 

「春陽~?」

「ごめん、話聞いてなかった」

「だから部員を集めるって話だよ~!」

「それって対戦相手がもっと欲しいってわけじゃないの?」

「違うよ~!新入生いないと来年とか今年の部活に支障きたすでしょ~!」

「……そうなの?」

 

 何分前世では高校は帰宅部だったのだ。高校の部活事情など漫画やアニメの知識くらいでしかない。今世のマキア部についても副部長は冬雪が務めているのであまり詳しいことは知らない。

 

「そうなの~!部員は4人いれば問題ないけど来年以降は部長はいないわけだし今年の内に安心したいの~」

「そうなんだ」

 

 夏雲が必死そうでも実感がわかない。所謂正常性バイアスなのだろうか?でも来年部長がいなくなるのは困るはわかる。

 そう考えていると件の四季神部長が部室にやってきた。

 

「部長~やっぱり新入部員欲しいですよ~」

「鹿渡部員と紙山部員か、実はこちらもその話で朗報がある」

「えっと~?」

「入ってくれ」

 

 四季神部長が部室のドアを開けるとうちの制服を着た生徒が入室してくる。学校指定のリボンを見た感じ一年生……そしてとんでもない金髪の美人だ。

 

「こんにちは……あ、この前の」

 

 何やらこちらを見ているが私は人の顔を覚えるのが苦手なのでなんのことやらさっぱりだ。ただ記憶にひっかかりはあるので多分会ったことではあるはずだ。

 

「春陽あれだよ~この前春陽が負けた人だよ~」

「……ああ!あの子!」

 

 ゴスロリを着ていなかったからわからなかった。というより服装の方が印象に残りすぎていて顔の方は覚えていなかった。

 

「あの後冬雪の家無事に着きましたか?」

「うん、道案内助かった。ありがと」

「顔見知りだったか、話を続けるがこちらのカルテ・ヤーレスツァイテン・ヴェッター一年が部員になることになった」

「お~やった~!」

「今の時期に新入部員なんて珍しいですね」

「ヴェッター一年はGW(ゴールデンウィーク)にこっちの方に来たからまだ部活動に所属していなかったらしい、実力も確かで冬雪のファンクラブの子でもないため問題ないと判断した」

「……冬雪のファンクラブじゃないことが前提条件なのほんとなんなんんだろうね~」

「ほんとにね……」

 

 去年のアレはあまり思い出したくない。四季神部長がほとんどの生徒の入部を認めなかったのに私と夏雲だけが入部できたのだ。直接的な被害はなかったがそれはもう視線が痛かった。

 だけど今思えば夏雲との距離が近づくきっかけはアレのおかげもあったのかもしれない。この学校の中で彼女と私にしか共有できない感覚は今でもなんとなく感じている私たちの絆だ。

 

「そういえば、もう一人初心者の女の子がいたはずだけどあの子も部員なのよね?」

「クレアのことですか?彼女も一応部員扱いですけど厳密には違いますよ?うちの学校の生徒ではないので」

「そう……」

「クレアに伝言があるなら聞いときますけど」

「じゃあお願いしてもいい?前に借りたカード一応デッキの調整用に何枚か確保したかったから持ってないか聞いてもらえない?」

「わかりました、ちなみにそっちが前使ってたカードは……」

「多分あの子のデッキとはそんなに相性がいいとは思わないけど……それにこの子たちに予備はないの」

「そうですか、ありがとうございます」

 

 出来ればあの攻撃を防ぐのに使っていたインタラプトスペルを分けてもらえたらと思ったが自分の枚数しかないのならしょうがない。

 四季神部長抜きで話を進めてしまっていたせいかコホンとせき払いをして全員の注目を集めた。

 

「新入部員歓迎の一つとしてうちの部員一人と手合わせでもしようかと企画してたのだが……すでに紙山部員とは戦ってたのか……。ヴェッター一年どうする?」

「どちらでも、やれと言わればやるし。そうでなければ何もしない」 

「じゃ~私とマキアして~春陽のかたきを討ちた~い!」

「わかったわ、起動(セット)

起動(セット)~」

 

「「実行(プレイスタート)」~」




ドイツ語でそれぞれカード・季節・天気という意味らしいです。グーグル先生に単語を知らべてもらったあとGPT先生に発音をカタカナ語に直してもらってます。ドイツ語の発音ってカッコイイ。
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