ライフ減少がリアルダメージになる世界で自傷デッキを拾ってしまった 作:七夕茸
最近あった悲しかったこと、チャクラデルフィンを買った後に別の店で特価価格2100円で売ってるのを見かけたこと
悔しかったので元々2枚で試験運用しようと思ってたのを3枚目も入れることにしました。
カリスマジャオウガ越えられないから大真面目に超天使ゴルドランギーニも入れようか悩み
冬雪を追いかけてきてる二人組のクラシカルメイド、しかし声を聞いてみると私を名指しして恨み言を呟いていた。
状況説明を冬雪に求める。
「何があったんです?」
「あ、春陽いた。私と秋だけじゃ限界もあるし、春陽が片方倒して。あと私がこっちを倒したら乱入するから最悪なんとか持ちこたえてて。《
こちらの質問には一切答える気のない冬雪は淡々とマキアを始める準備を行う。
「あとで絶対説明してくださいね!サモン《デスク》!
私たちがプレイマットを広げたのと同時に向かってくるメイドさんたちも机を召喚し、プレイマットを広げて起動する。
「「
二つのフィールドが展開されて私と冬雪たちは分散される。なにがなんだか訳もわかめだがマキアをするとなった以上切り替えていこう。
二人のクラシカルメイドさんのうちの一人と正面から向き合う。よく見てみると山の中だというのにロングスカートには汚れ一つついていない。すごいな……。
変なところに感心しているとメイドさんが話しかけてきた。
「あなたが春陽様ですか?」
「あ、はい。そうですけど……」
明らかに不機嫌な声だが、顔のいいメイドさんに不機嫌な顔をされると少しだけドキっとくるものがある。いや、私にそんな趣味はない。
「一応聞いておきますがなぜ?」
「はい?」
「なぜお嬢様が涙を流したかです」
「知りませんけど……」
さっき聞いた声は涙ぐんでたけど実際に泣いていたのか……。
「そうですか。とぼけるつもりですか」
「いや、本当に知らないんですよ」
他人の心の機微なんてわかる方が不気味だ。結果を見て原因を推測することはできてもそれがイコール正解なはずがない。
「
「……これを断ったらどうなりますかね」
「私が悲しみます。今できる最も穏便な方法を提示しているのにそれを断るとおっしゃるので」
「あ、
とっさに飛び出た言葉に我ながら食い意地を張っていることに驚くが、プレイマットはしっかり承認されて賭けがなされたことを示すブレスレットが出現した。
「春陽様、表と裏どちらを選びますか?」
「裏で」
いつの間にか取り出していたコインをメイドさんが上空に飛ばす。クルクルと回転したコインは上昇した時と同じ軌跡を辿りながらメイドさんの手の甲に収まった。
「表ですね。では私のターン、3コストで《歩兵・スプラウト》を召喚してターンエンドです」
恐ろしく静かな立ち上がりだ。最近の相手はとりあえず殴ってくる人が多かったからライフが温存できるのはありがたい。確認すればパワーは1000、3コストにしては高いパワーだがギリギリチンウーでとれる。
手札をちらりと見るが、ゲットはいる。なら運が良ければ手札に加えられるけど……それよりも実践運用してみたいカードが手札に来ていた。
「私のターンドロー!4コスト支払い、手札からカードを1枚捨てて《左腕のメモリー》を発動!デッキからスペルを1枚手札に加える!ターンエンド!」
私が使ったのは手札1枚と4コスト引き換えにデッキからスペルをサーチできる汎用スペル、相手ターンにも使えるインタラプトスペルや毎ターン使えるサイクルスペルなどはサーチできないがこのデッキなら《
ちなみにシルエットサーチは《スモール・コミュニケーション》だ。そっちはお高い。
「ドロー、5コストで《兵站兵・ステム》を召喚してターンエンドです」
動いてこない、それになんの効果も使ってこないのも不気味だ。パッと思いつく発動タイミングを考えると……召喚時、攻撃時の2つはきっと違う。
「ドロー!私は2コストで《
「……」
破壊時ではなかったとすると後1つ……相手依存だが、乗ってくるれるはずだ。
「バトル!チンウーで攻撃!」
「ステムでブロックします。その時に効果発動、ブロックしたときに相手の打点分エナジーを増やします。そしてそのままそちらのカエルを破壊です」
やっぱりブロック時!めんどくさい……!
「ゲットで攻撃!」
「ライフで受けます」
「ターンエンドです」
こっちは攻撃してライフを削りたいのに待ちの姿勢を取られるとやりづらいことこの上ない。だが、動いてこないなら好都合だ。こっちには冬雪の助けが望める。
そういえば冬雪の方はどんな調子だろう。あっちも長期戦になるはずだから大して盤面に動きはなさそうだけど。
******
「フユキーボクこっちにいていいー?」
「別に構わないけど春陽の方にいなくていいのかい?」
「フユキがマキアするの初めて見るし!楽しみ!」
「そう、なら刮目するがいいの」
私の代わりに秋が返事をする。どや顔がとてもかわいい。頬が緩んでしまうが今からマキアだし集中しないと。
「冬雪様、なぜあのものを庇うようなマネを?」
対戦相手のメイドが質問してくる……確か昔から
「幼馴染だからかな」
春陽は他人に対して丁寧に接するし、京が泣かされたというのは絶対に誤解があるはずだ。
「そうですか。ですが、私たち自身の目で確認したいので不肖ながら、お相手お願いします。冬雪様」
三砂さんがプレイマットにセットされたデッキからカードを5枚引き抜く。話が早くて助かるな。経験上誤解なんてマキアで勝って解決するのが一番だ。
「秋、一緒に行こう」
「うん」
私は秋の手を取って二人でデッキからカードを5枚引く、私たちの心を一つにするルーティンだ。そうして引いたカードを確認するけど……うん、いつも通りだ。
「先行はいただきます。3コストで《
召喚されたのはヘビのシルエット。竜には見えないけど幼体か?
「丸々と太ってて美味しそーだねー」
「クレア、流石にあれは食べられる品種じゃないの」
「秋も食べることには賛成しないでね?」
たまに思うけどクレアってやっぱり人外系のマキアスだよね。姿形は人間そのものなんだけど会話の節々から色々欠けている発現が飛び出すし。
「それはそうと冬雪、さっさと倒さないと春陽が危ないかもなの」
「あ、そうだったね」
今の春陽が使ってるデッキにはブレーキがない。効果の度にライフを削るなんてゲーム中に発動できる回数なんてたかが知れている。春陽とマキアしているメイドの
「私は4コストで《
「あれ、アキサメ出したのに終わっちゃうの?」
「あのウチはそういう効果だからいいの」
「へー?」
なんとなくだけどクレアの表情が昔春陽と初めて対戦したときに似ている気がする。ならきっといいリアクションをしてくれそうだ。
「ではこちらのターンです。ドロー、3コストで《三叉竜ギド》をもう一体召喚し、ギドをデッキから手札に加えます。そしてバトルに入りギド2体で攻撃します」
2体のギドが攻撃してきた理由はわかる、秋のパワーを上回っているからだ。
秋のパワーは4コストのシルエットにしてはとても低い500という数値で大抵のシルエットにはバトルで負けてしまう。……力で無理やり屈服させられる秋か、うん。
「……冬雪、さっさと対応するなの」
「はいはい」
秋に呼びかけられて
「《
普段の秋が手札に戻り、忍みたいな軽装備を身に着けた秋が場に出てくる。鎖帷子を着ているのにお腹がちらりと見えているのがなんていうか……いい。
「っ!ターンエンドです」
「秋雨─細雨ノ装の効果発動だ。このシルエットが場に出たターンの終了時このカードを手札に戻し、《
コスプレした秋もいいものだけどやっぱり通常の秋も大好きだ。デフォルト衣装こそ至高。
「お、おおー!すごーい!」
「驚いてくれたかな?」
「うん!二人ともすごい!」
ここまで素直に感想になるとは思わなかったな……ちなみに春陽がこのデッキと初めて戦ってくれた時は信じられないものを見るような目で見てきた。
だけど秋の力はまだまだこんなものではないし、クレアというギャラリーもいることだし久しぶり盛大にいこう。
先攻後攻をマキアが始まったあとに決めたり、始まる前に決めたりするのは作者のその時のノリ
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