ライフ減少がリアルダメージになる世界で自傷デッキを拾ってしまった   作:七夕茸

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第三十九話

「ドロー!」

 

 引いたカードは《観測されるモノ(オブザーブド)・アサド》、いいカードだけど今必要なカードではない。使えるエナジーは7だし相手のライフ5、詰め切るには手が足りない。ならここは耐えるしかないか。

 

「私は合計4コストでゲット(ウサギ)とチンウー(カエル)を召喚してターンエンドです」

「あら?なら私のターンね。ドロー」

 

 5体のシルエットを素材にして呼び出された鵺(ぬえ)というシルエット(カード)について考える。先ほどのヤトリさんの言葉だとパワーは素材にしたシルエットの合計値つまりは3000ということになるわけだが、それは本来なら7か8コストあたりの大型のシルエット……中でも多少バトルに重きを置いてるレベルが到達するラインだ。

 だがマキア、もといカードゲームにおいて単体性能デカくて打点があるだ(・)け(・)ならそれほどの脅威ではない。なぜならどんな小型でも時間を稼げてしまうのだから。

 そう頭の中でプランを整えているとトオノさんがヤトリさんの頭をいつの間にか持っていた紙鉄砲(新聞紙で作った音の鳴るおもちゃ)で引っ叩いた。

 

「ヤトリ、効果処理が強制であっても効果説明はするでごぜーます」

「適当でもいいんじゃないかしら?」

「えっと?」

「ヤトリの使う鵺はヤトリのターン開始時にそのパワーと打点を半減させるでごぜーます。ちなみに小数点は切り上げでごぜーます」

「なるほど……」

 

 ズルい人だなとは思うがテキスト確認を怠った私が悪い。ちゃんとテキストを読もう……あれ、カードのテキストが読めない。前世ではそういった加工のレアカードもあったけどヤトリさんの使うカードはテキスト欄を黒く塗りつぶしたように後付けで読めなくされてるといった感じだ。

 

「あの、カードテキスト……読めないんですけど」

「それは手前の術で読めなくしてるだけでごぜーます。春陽も興味があるならあとでしてあげるでごぜーますよ」

「これプレイマットを用いたマキアでも使えるんですか?というか私も読めなくなりませんか?」

「どっちも問題ないでごぜーますよ」

 

 トオノさんの言葉をなんとか理解しながら私はこのアドバンテージについて考える。

 マキアのカード群は膨大だ。タレント業で活躍するマキアスのカードとそのテーマぐらいしか有名ではないと言い切っていいほどだ。

 だから初見のカードのテキスト確認は重要である。相手のデッキがどれくらいの速度でこちらを倒しに来るか想定できるのだから。

 だがそのカードの情報を伏せることが出来るなら?それはもはや相手の持つ武器が分からないのと同義だ。だけど……。

 

「ちょっと考えさせてください」

 

 私は日和(ひよ)った。普段使いが出来ないのは流石に不便だ。それに観測されるモノ(オブザーブド)の場合一番重要なのは魅了せし狂気の跡(ルナティック)という使い切りのスペルだからあまり役立ちそうにない。

 

「マキアに戻るわよ?私は4コストで《白神(はくがみ)・五徳》を召喚してそのままバトルに入るわ。鵺と五徳で攻撃するわ」

「鵺をゲット、五徳をチンウーでブロックします!そしてゲットに対して3コストでインタラプトスペル《うさぎの献身》!ゲットを破壊して破壊したシルエットの打点分(1点)回復しつつ1枚ドロー!」

「ターンエンドよ」

 

 こっちの残りライフが2点だったとはいえ流石に雑殴過ぎではないだろうか?となるとカウンター警戒した方がいいかもしれない、だけどそうなると攻められない。

 ……よし!ドローしたカードでプランを決めよう。いいカードが来ることを祈って気合いを込めてドローする。

 

「やっと引けた!」

「切り札が引けたようでごぜーますね」

「はい、まずはサイクルスペル《満ちる鏡面》の効果で墓地のチンウーをデッキの下に戻してライフを回復させます」

「あら?いつの間にかライフが4になってるわね」

 

 ほんとにギリギリだった。ヤトリさんの余っているエナジーは3、さっきのターンでアサドが引けたときからここまではなんとなく見えていたけど引けるかは運だった。

 

「私はライフ3とコスト3を支払うことで《観測されるモノ(オブザーブド)・アサド》を召喚!そして5コストで《魅了せし狂気の跡(ルナティック)》をアサドに発動!」

「一応スペルの方の効果を聞いてもいいでごぜーますか?」

「魅了せし狂気の跡の効果は付与したシルエットが相手にダメージを与えた時、このターン中に減った私のライフ分のダメージを追加で与えます!アサドの元々の打点は2、合計5ダメージのアタックです!」

 

 ヤトリさんの盤面にはダウン状態のシルエットしかいないそしてヤトリさんのライフは5!なら突っ込める!

 

「バトル!アサドでヤトリさんを攻撃!」

「はい、そこまで。3コストでインタラプトスペル《白神《はくがみ》様の通り道》を発動するわ。これでアサドを指定してその攻撃を中止させてその打点分カードを引かせてもらうわ」

「アサドには支払ったライフ以下のコストのカードの効果は受けません。何もないならこれで終わりです」

「何もないわね」

「終了(プレイオーバー)」

 

 マキアの終了を示す言葉を吐き出す。やっぱりマキアをすること自体も楽しいけど、勝てた方がより楽しい。

 

「お疲れ様でごぜーます。ヤトリに勝てた御前(おんまえ)にはこのカードを差し上げるでごぜーます」

 

 トオノさんが一枚のカードを手渡してくれるのでありがたく貰い受ける。強いカードなら調整のためにも取りあえず4枚欲しいけどピン刺しにだって利点はあるから文句は言えない。

 テキスト確認をしようと思ったがこちらのカードも真っ黒で何のカードか分からない。

 

「……これって?」

「初めて見るでごぜーますか?これは所謂闇のカードでごぜーます」

 

 ヤミノ……闇の?闇のカード……闇のカード!?なんだろうそのホビーアニメに出てくるような悪の組織が使ってそうな代物。いや一応トオノさんは世界征服を企んでいると言ってたし、世間一般的には悪なのか?

 

「そのカードは使用者のデッキによって効果を変えるでごぜーます。春陽のデッキでどんな活躍するか楽しみでごぜーます」

 

 トオノさんが笑顔で渡してくる以上私の身になにかあるというわけではないのだろう。トオノさんは私の安全は保障してくれてる。きっとそうに違いないのだから。

 

「あとそのカードをデッキに入れていると賭け(アンティ)を相手にも強制できるから敵対勢力をどんどん倒していきましょうね。春陽ちゃん」

「……え?」




スマホと家の鍵と実家の鍵を紛失してメンタルやられていますが
デュエマの方でベランドとかいうフィールドと生き物以外のコストを軽減する光の3コストのG城とかいう神のカードが実装されて多少気持ちが上向いたので更新

今更ですが、マキアは基本的にコストが上に行くほどパワーが上がります。同コストの場合は踏み倒し効果を持ってるとパワーは低めと考えてください。
カード効果とスペック強くしすぎたカードが何枚かあるからあまりしたくないけど、いずれその辺りについて番外編を作成します。

種族とか属性とかの概念については思いついたら適宜設定追加していくため調整中とさせてください
あとバトスピの【ステップ】や遊戯王の【フェイズ】といった概念は有りません。だいたいデュエマと同じ感じなので願いします。言い訳という名の番外編も作成するので許して……。

ウチはバトスピベースのルール、ライフはバディファイト、ゲームの流れはデュエマ、カード効果についてはバトスピとデュエマと遊戯王をブレンドして雰囲気で分割!
なので低評価でルールわからんとかやめてください

主人公デッキのコンセプト以外見切り発車でここまで書いてるので聞かれてもわからんのです……(泣き言)
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