ライフ減少がリアルダメージになる世界で自傷デッキを拾ってしまった 作:七夕茸
クラジャとMAXジョニーのディスペクターを生かせないかと白黒ザゼゼーンwithディスタスで考えてた時のことなんですけど
今の環境、パワー革命チェンジメタでローズキャッスルはアリなのでは?
ほとんどが何とか貰えてるラインである8000をマイナス1000するだけで大分動きずらい気が?
パワー革命チェンジのカード高いから使ったことないけど!
G城のハッスルキャッスルで良くね?は止めてください
春陽が行方不明になった。
カルテちゃんとクレアちゃんと一緒に昼食を食べていると冬雪からその報せが届いた。
「
「そ、そうだよね~!」
カルテちゃんの提案で私はトークアプリの中から下の方に位置する春陽の連絡先を探し当てて通話をかけてみる。
プルルルと電話から音がするが流れてきたのは機械音声の電源が入っていないか電波の届かないところにあることを示す何の役にも立たない音声だった。
「春陽大丈夫かな~……」
「多分ダイジョーブだと思うよー今もカミヤマはマキアしてるっぽいし」
ちゅるちゅるとそばを啜りながらクレアちゃんは気にしてなさそうに返答する。
クレアちゃんは春陽とコンビのマキアスだ。コンビがマキアをすると他の人がカードを使うよりマキアエナジーは多く入ってくるらしい。そんな彼女が春陽はマキアをしているというのならそうなのだろう。
……こっちは心配しているのにマキアで遊んでいるのはのんきすぎる。
「紙山先輩のことはほっといていいんじゃないかしら?今日だってせっかく夏雲先輩がお見舞いに行ったのに朝一でどこかに出かけたんだし」
「そう~なのかな~?」
「それにカミヤマはボクを使ったっぽいし身体が不調なら使わないんじゃないかな?」
以前クレアちゃんのカードである《観測されるモノ・プロフィール》……ライフが減少したときにアクティブになる効果があるそれと、2枚のスペルを用いて高火力の連続攻撃をしていた。
ただしとても痛そうな自傷ダメージと引き換えに。
アレをしていた時の春陽の声はとても春陽はとても痛そうで苦しそうで……でもそれと同時に彼女の頬は紅く染まり口角は上がってとても愉しそうだった。
昨日倒れた彼女が元気にそのコンボを発動している様は想像できない。だけど使われた本人がそう言うんだからきっと春陽はそれをしているはずだ。
そんなことをしてるなら逆説的に春陽は元気なわけで……。
「よし!春陽のことは一旦忘れよ~!」
「「おー!」」
本人が脱走してどこかで遊んで行方不明なんてもう知らない。
お昼ご飯を食べ終えたあと私たち3人はデートスポットとしても人気な川沿いを歩いていた。夕日が綺麗沈む場所として人気らしいが今の時間では人もまばらで観光にはちょうどいい感じだ。
「のどかな場所だねー」
「夏雲先輩と一緒に歩いているとちょっと心がふわふわするわ」
「二人とも楽しんでくれてるようで何よりだよ~」
ほんとは春陽と二人きりで来たかったけど二人とも楽しんでくれてるようでよかった。春陽はなんでかこういった景色を楽しむ系の方が好きらしい。
春陽は感性が……なんというか枯れてるよね。前に好物を聞いた時は飴玉と緑茶って言ってたし、たまに私が遊びに誘ってもつまらなそうだからと拒否して中々一緒に遊んでくれないし、この前の
一応冬雪と秋雨ちゃんそれと部長も誘うと仲間はずれにされたくないという理由で一緒に来てくれるから誘えないことはないけどたまには二人きりになりたい。
「ちがうちが~う!今日は春陽のことは忘れる!」
春陽、春陽、春陽、春陽、春陽
心の中で春陽の全体像をイメージしてそれを頭の中を払拭する。
「よ~し完璧!」
「夏雲先輩、大丈夫?」
「え?うん、だいじょ~ぶ!」
かわいい
昨日の交流試合では私はただひたすらに相手のシルエットの除去こちらの盤面の形成をしていただけで攻撃のほとんどをカルテちゃんに任せきりだった。
ならば今日は春陽のために作ってきたデートプランをカルテちゃんとクレアちゃん相手に発揮して尊敬される先輩を目指すのもいいかもしれない。
「じゃあ次の観光スポットはね~」
スマホで地図アプリを起動しながら次の目的地を頭に思い浮かべる……。
この街は伝統的な街並みを残した地区と商業が発展した地区で大きく分かれており、今回は春陽好みに伝統的な街並みの方で散策していたが私が好きそうなものがありそうなのは商業地区の方だ。
そうして徒歩で移動していると……迷ってしまった。
「ナグモーここどこー!」
「待っててね~今調べるからね~」
地図アプリで現在地を確認しても私たちが現在いるのは商業地区の路地裏っぽい場所なのに地図上では大通りの車道の上と表示されている。
「夏雲先輩、クレアとここで待ってて……いえ、私の近くにいた方が安全ね。二人とも私の側を離れないで」
カルテちゃんが普段よりもキリっとした雰囲気になってるし……先輩が頼りにならないからきっと自力でどうにかしようとしてるんだ。
挽回しようにも頼みの地図アプリは役立たずだ。ならもう勘だよりで道を探すしかないけど、地元じゃない道を右往左往したところで無駄に体力を消費するだけだ。
カルテちゃんが私とクレアちゃんの手首を痛いくらいに握りながら道をズンズンと進んでいく。
「カルテは道わかるのー?」
「出口は分からないけど脱出方法はわかってる」
「どういうことー?」
私もクレアちゃんと同じ反応をしたいが先輩としての威厳として口には出さない。出口はないけど脱出はできる……なぞなぞかな?
カルテちゃんに手を引かれるまま歩いていると大きなものと固いものが衝突する音が聞こえてくる。街中でそんな音が鳴るならきっとマキアをしているはずだ。
カルテちゃんもそこに向かっているのかその音はどんどん音が大きくなっていく。
「《
「ぐわああああああ!」
私たちがマキアをしている場所に着くとちょうど終わったのかフィールドが解除されていく途中だった。
しかしその中から現れたのは女の子?男の子かもしれないけど子どもが一人だけ現れて対戦相手の姿が見えない。
そして私は目の前の子から目を離せないなかった。顔は距離があるため判別は難しいが
「そこのあなた動かないで、召喚!」
カルテちゃんが昨日もしていたようにマキアをしているわけでもないのにシルエットを召喚する。そして現れたのは昨日召喚していた竜人の女の子、私と初めて戦った時にも出してカルテちゃんに勝利をもたらしたシルエットだ。
その女の子が躊躇なく襲い掛かる。しかし、マキアをしていた子どもは警告を聞こえていないのかそれとも竜人の少女が見えていないのか我関せずといった様子で足元に落ちていた何かを拾い上げてまじまじと観察している。
そして竜人の少女が子どもまであと一歩といったところで子どもの背後から黒い煙幕のようなものが湧き出る。竜人の少女は警戒のためか急ブレーキをかけた。
「攻撃して」
カルテちゃんの指示がとび、竜人の少女は何の警戒もなく……あるいは何かあってもそれすらねじ伏せるという気概なのか水の塊を生成し、そこから一本の水でできたレーザーを射出する。音すら置き去りにするほど高速で放たれたそれは黒煙を切り裂きその向こうの壁を大きく切り裂いた。
「逃げられたっ……!」
「カルテ、ぶっそーだよ?」
今の光景に対しての感想がそれなのかと驚いて私は正気を取り戻した。
「まぁ~まぁ~取り敢えずあの小さい子のことはおいておいて~どこか大きな通りに出よ~」
「それなら大丈夫、多分もうそろそろ……」
カルテちゃんが言いかけたところで沢山の車のエンジン音が耳に入ってきた。
……そう言えばさっきまでは風の音すら聞こえていなかった。
「解けたみたいね、夏雲先輩今なら地図アプリを使っても大丈夫だと思うわ」
カルテちゃんに促されて私は役立たずと断じた地図アプリを起動してみる。すると大通りのすぐ横の路地であるっぽいことが判明した。
「さ~!このままじゃんじゃん遊ぼ~!」
よくわからないことが多い日だったけど、私やかわいい後輩たちがなんともなくてよかった。
だから彼女たちの心に暗いものを残さないためにもいつも通り明るく振舞ってみんなにもいつも通りに過ごして貰いたい。
だから私は二人の肩に腕を回して大通りへ一歩踏み出した。