ライフ減少がリアルダメージになる世界で自傷デッキを拾ってしまった   作:七夕茸

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第四十一話

「春陽、まずは初陣の勝利おめでとうごぜーます」

「あ、ありがとうございます……」

 

 トオノさんが労いの言葉をかけてくれるのはとても嬉しいことだ。だけど私はマキアの後に起こった光景のせいで腰が抜けてへたり込んでいた。

 マキアが終了した直後のことだ。どこかで見たようなマキアスが私に向かって襲い掛かってきていた。私は目の前に落ちていたカードに気を取られて接近に気づいていなかったけど期間途中に見えた高水圧レーザーみたいなものは視界に捉えていたからとても怖かった。

 

「今日は美味しい晩御飯を用意するでごぜーますね」

「あの……私、今日中に帰らないとなんですが……」

「帰る?どこにでごぜーますか?」

「家にです」

 

 当初の目的であった言葉が口に出る。確証はない、でもトオノさんは私が帰ると言ったら帰らせてくれると思う。まだ出会って半日も経ってないけどその確信がある。

 

「ああ、失念してたでごぜーます。送るでごぜーますからどの辺りに住んでるでごぜーますか?」

 

 拒否反応はない、やっぱりだ。

 私はこの辺に住んでいるわけではないので口で伝えても分かりづらいだろう。スマホから地図アプリを起動して自宅の辺りを示してトオノさんにその画面を見せる。

 

「ここは……結構距離がある場所という認識に相違ないでごぜーますね?」

「ですね。こっちにはリニアで来たので」

「なるほど……そうすると何の用で来ていたのか聞いてもいいでごぜーますか?」

「交流試合をしに来たんです」

「なる……ほど?」

 

 トオノさんが鳩が豆鉄砲を食ったような表情を見せる。

 大きなため息を吐いたあと正座して真剣な顔で私を見つめてくる。私も身構えつつもトオノさんの前に正座して彼女の顔を見つめた。

 

「……春陽、念のため確認したいことがあるでごぜーます」

「は、はい」

「春陽は、カタギの人間でごぜーますね?」

「カタギの意味がよくわからないですけど、おそらくは……」

 

 ヤクザの人が一般人に対して使う言葉の意味でだろうか?トオノさんがヤクザとかそんな感じの人(マキアス)ではないのは理解しているが文脈的に私が一般人かどうかという話ならイエスだ。

 

「つまりきちんと帰る家があるということでごぜーますね……春陽、プレイマットとデッキを取るでごぜーます」

「え……?」

「賭けを用いたマキアをするでごぜーます」

 

 トオノさんは真っ黒に染まったカード(闇のカード)を掲げてフィールドを展開する。いつもの魔法陣がいくつも展開するものではなく黒い煙のようなものがモクモクと足元を這うように広がり、十分な広さに達した後ドーム型に煙が上昇していく。先ほど私も作成したフィールドだ。

 

「賭け(あんてぃ)。手前が勝った場合、春陽には今日一日の記憶を失ってもらうでごぜーます」

 

 トオノさんの宣言とともに私の両手にジャラジャラとした鎖のついた腕輪が装着される。鎖の先は煙に隠れて見えないがきっと地面に縫い留められているのだろう。

 それよりも……。

 

「ど、どうしてですか!」

「春陽は今日一日の記憶を失い畏怖百百(いふうどうどう)を抜けて、闇のカードも返却して真っ当な道に戻るべきでごぜーます」

「なら私も賭け(アンティ)です!私が勝ったら記憶は消させませんし、今日のところは帰りますけどこの組織にも居させてもらいます!そして闇のカードも返しません!」

 

 私の宣言とともにトオノさんの腕にも私と同じ腕輪と鎖が装着される。

 

「……何故、拒否するでごぜーますか?」

「簡単な話ですよ!闇のカードとか世界征服を目論む組織とか!ロマンだからですよ!触りだけ見せてあとは全部お見せできません?そんなのあり得ない!」

 

 自分でもわかるくらい興奮で目が大きくなって、声も上ずっているのがわかる。だけどこれでいい狂気に身を堕とせ。

 

「だからこそ私は転がり込んできたチャンスには全力で飛び込む!起動(セット)!」

「……子どものやんちゃを諌めるのも年長者の役目でごぜーますね。起動(セット)でごぜーます」

「「実行(プレイスタート)!」でごぜーます」

 

 闇のカードを使うとフィールドを構成する黒い霧?靄?を多少コントロールできる。私はそれで簡易的な机を形作ってその上にプレイマットを敷きデッキを置く。

 

「先攻は手前が貰うでごぜーます。4コストでサイクルスペル《長者屋敷の蔵》を発動するでごぜーます。そして《長者屋敷の蔵》の効果発動、デッキから1枚引きターンエンドでごぜーます」

 

 初手からサイクルスペル……毎ターンカードを追加でドローされるのは少々厄介だ。だけど私のあのカードたちならきっと大丈夫。

 

「ドロー!2コストで《観測されるモノ(オブザーブド)・ゲット》を召喚、召喚時効果でライフを1支払い……っはあ、はぁ!効果発動!」

 

 闇のカードを用いたマキアにおいても自傷ダメージの痛みは変わらない。痛みで判断力が失われるということがないのはラッキーだ。

 

「デッキの上から3枚を確認してその中から観測されるモノ(オブザーブド)シルエットである《観測されるモノ(オブザーブド)・ブッロ》を手札に加えて、バトル!ゲットで攻撃!」

「ライフで受けるでごぜーます」

「ターンエンドです」

 

 できればチンウーかゲット2体目を出してライフを2つ削りたかったが理想論だ。トオノさんがノーガードの内にさっさと削ってしまおう。

 

「手前のターンでごぜーます。ドロー、そして《長者屋敷の蔵》の維持コストで手札を1枚捨てるでごぜーます。そして蔵の効果でついでにドローもしとくでごぜーます」

 

 墓地肥やしかマリガン(手札交換)どっちの目的で行っているのだろうか。できればどうにか止めたいけど私のデッキにはサイクルスペルを除去する手段はない。

 

「3コストで《白神(はくがみ)・草鞋(わらじ)》を召喚するでごぜーます、効果でさらにドロー。バトルに入り草鞋で春陽を攻撃するでごぜーます」

「ライフで受けます!」

 

 手足の生えた草鞋が私へ突撃してくる。

 

「つ、ぐっ……!」

 

 やっぱり痛い。具体的には自傷ダメージと同じくらい。

 トオノさん曰く闇のカードで賭けの制限を解除するとマキアで発生するダメージの衝撃を分散する機能も一部壊れてより痛くなるらしい。

 

「ターンエンドでごぜーます」

「ドロー、5コストで《観測されるモノ・ブッロ》を召喚!召喚時効果でライフ1を支っっ払い!効果発動!2枚ドローして使用済みエナジーを2つ増やします!そしてバトル!ブッロで攻撃!」

「2コストでインタラプトスペル《向かい風》を発動するでごぜーます。対象はブッロ、手札に戻るでごぜーます!」

 

 強風が吹き、ブッロ(馬)が押し返され手札に戻る。あっちのライフは9、私のライフは7だ。

 できればこの攻撃は通したかったけど、これ以上攻撃してたらブロッカーがいなくなってライフコスト支払いに支障が出る。

 

「ターンエンドです」

「ドローでごぜーます。再び蔵の維持コストで手札を1枚捨て、蔵の効果で1枚ドローでごぜーます。そして4コストで《長者屋敷の蔵》をもう一枚発動するでごぜーます。新たに配置した蔵の効果で1枚ドロー」

 

 さらにドローしてきた。となると目的は手札交換(マリガン)!

 考えられる目的はコンボデッキでパーツを集めているか……闇のカードで変化したカードだ。複数枚積んでいる可能性もあるけど多分トオノさんは1枚しか採用していない。

 そしてそれは1枚でゲームに大きく干渉できるカードに違いないだろう。

 

「さらにバトルに入り、草履で攻撃するでごぜーます」

「ライフで受けます……ぐっ、が……!っ、ふぅ。はぁ……!」

「ターンエンドでごぜーます」

 

 私のエナジーは8、手札も7枚。相手の出方が読めないけどトオノさんの盤面にはダウン状態のシルエット一体それも強くないなら……。

 

「ドロー!まずは5コストで《観測されるモノ・ブッロ》を再度召喚しライフを1支払あ゙あ゙……い!効果発動、2枚ドローと使用済みエナジーを2つ増やしバトルに入ります!ブッロで攻撃!」

「甘いでごぜーます!こちらも再び2コストで《向かい風》を発動。手札に戻るでごぜーますよ!」

「っ!3コストでインタラプトスペル発動《うさぎの献身》!ブッロを破壊してライフ2を回復し1枚ドロー!さらにゲットで攻撃!」

「ライフでごぜーます」

「ターンエンドです」

 

 これでやっとトオノさんのライフは8、こっちも《うさぎの献身》の効果で7に戻したとはいえブロッカーもいない。そうしてトオノさんにターンが渡る。

 

「ドローし、蔵の維持コストでカードを2枚捨てるでごぜーます。……春陽、御前(おんまえ)はさっきの初陣で変化した闇のカードを使ってなかったでごぜーますね。相手も使う前に倒してしまったから変化した闇のカードがどんな効果になるか知らないはずでごぜーます」

 

 ヤトリさんが手札からカードを1枚引き抜く。

 

「いくでごぜーます!このスペルは夢半ばとはいえ手前たちのある種の目標の体現……7コストで《妖鬼人幽帳(ようきじんゆうちょう)》!」

 

 トオノさんがスペルを唱えるとどこからか笛の音や太鼓の音……多分祭囃子が聞こえてくる。

 

「効果は墓(・)地(・)と(・)手(・)札(・)を(・)入(・)れ(・)替(・)え(・)る(・)でごぜーます!」

 

 手札破壊(ハンデス)!?私の墓地にあるカードは《観測されるモノ・ブッロ》と《うさぎの献身》の2枚、対してトオノさんは蔵の維持コスト等で6枚も墓地に落としている。

 

「その後互いは、手札に戻したカード1枚につき使用可能なエナジーを1つ増やすでごぜーます」

 

 私のエナジーは12になるがトオノさんはそれを上回る13だ。

 さっきまで私の盤面とライフ以外は私の方が有利だったはずだ。なのに今は手札もエナジーもそれを上回られている。

 

「どうでごぜーますか?これが闇のカードの力でごぜーます!」




蒼斬丸、相手に使われると面倒くさすぎる……
超天使ゴルギーニ+ザゼゼーンじゃないと突破できないのつらい
減れば増える+ザゼゼーンだとアレのブロッカーが邪魔
相手のブロック時にニンストで出してエクストライフでザゼゼーンアンタップできるやんと思ってたのに敵に回したくなさすぎる

ジャスティス・グローリーを最も強く使えるのは十・二・神・騎みたいなギャラクシールド呪文を軽減して打てる青白ザゼゼーンだとは思う。
だけどサーチとかドローとかのカード候補多すぎて採用に悩む
逆にメタクリ何を採用すれば?超天使ゴルギーニから踏み倒す用に同期の妖精とか?

白黒ディスペクター型ザゼゼーンにはジゴクパルテノンとザ・オウガは絶対必須だと思う
エスケープ付与の光の2コスディスタスも仕事しそう
ザゼゼーンにとって盾を追加する行為自体が重要だから盾を失うことに関してはコンセプト外だし割とイケるのでは?

これを書きながらなぜかドロマーザ・オウガの仮組みもできました。

あとこれはまだ頭の中ですら組んでいませんが、G城のポチョムキン入れれば最速でウィリデ立てられます。ウィリデ効果でエヴァとか立てつつササゲールの自壊でポチョムキンドローが決まる……何かできそうな気がしてきませんか?
なんならウィリデ効果でアレフティナも踏み倒せる!

これを読んだあなたも是非ウィリデ、ザゼゼーン基盤のディスペクターデッキを!

ドギ逆でよくね?は禁止です。
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