生徒達の青春の1ページ   作:バームクーヘン

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ホシノ3(夕方列車)

「ホシノ、書類全部片付けたよ」

「はや! いやー本当先生がいて助かったよー。私1人なら3日はかかったと思う」

「いつも書類仕事をしているからね!書類の量が多すぎる気がするけどはっはっは!」

「せ、先生?」

「...書類多すぎるんだよなぁ」

 

どこか遠い目をする成人男性。目の下に隈がある男は遠い目で空を見上げていた。

 

「でもなんでホシノ1人でやってたの?」

「ここ最近色々迷惑かけたからだよ。元々仕事があったのに、私のせいで仕事増やしまくったからさ。私が片付けるのが道理でしょ」

「ふーん」

 

よし、最後の書類も片付いた。背中を伸ばすとバキバキと音が鳴る。

 

「よし、ホシノ。ご褒美」

「ん? 何の話?」

 

私は先生の方を見ないで書類の山を片付ける。そして教室を出ようとするが、先生が扉の前に立って阻止してきた。

 

両手を広げ、顔を赤くし、息が荒くなっている。

 

「はぁ、はぁ。ご、ご褒美だよ。約束したでしょ?」

「...先生。そんな約束してないよ? 先生疲労が溜まっているから覚えていないだろうけど」

「いいやしたね!ほら!」

 

先生がスマホを何やらぽちぽちすると音声が流れ始める。

 

「お願い先生! おじさん一人じゃ片付かないよ〜。終わったら何でもするから〜」

「よし、手伝うよ」

「いや手伝ってくれるのはありがたいけど即答するのもどうなの?」

「早くやるよ!」

「鼻息荒いよ...気持ち悪い」

 

目の前の変態はドヤ顔になっている。

先生とはいえ一度気絶させるべきか。

 

「...」

「わかったよ。何がいいの?」

 

絶対逃さないぞという意思を感じ取ったので諦める。

この大人はしつこい。それは過去の経験で嫌になるほど知っている。

今私がここにいるのがその証拠だ。

 

変質者は手を顎に添えてブツブツと呟き始めた。聞きたくないが、自分の身を守るために何か使えないかと聞き耳を立てると...

 

「体操着、スクール水着、幼稚園で着るポンチョ、メイド服、ニーソ、ランドセル...どれもありだな。いや猫耳、うさぎ耳、尻尾をつける? 教室、プール、自分の部屋..ブツブツ」

 

…変態だ。

そう言えば噂で聞いたことがあるけど、先生の元には色々な生徒が集まるらしい。

半裸の人、メイド服の人、バニーの人、盗聴の人、盗撮の人、財布を管理している人、中華の人、密林者の人、胸がでている人、混浴している人、足を舐められる人、頭を吸われる人..etcetc。

 

つまりこの変態の発想は普段通りってこと? これが正常動作??

 

「よし決めたぞ!」

「目を見開かないでよ。怖いよ〜? ほら、リラックスリラックス」

 

距離をとりながら手を前に出して落ち着かせる。

 

「臨戦がいい!」

「...はい?」

 

 

 

 

 

 

 

「よっ!タカナシヒーロー!最高だ!FOOOO!」

「誰かこの変態止めてほしい」

 

私はフルアーマーを装備しパトロールをしていた。変態を添えて。

普段通りパトロールをしていたが、町人から探し物の依頼があったのでその調査を行なっている。

調査自体は終わったが、時刻は夕方。砂漠の奥に来ているため、今から引き返すと真夜中の砂漠を彷徨うことになる。

 

それがどれほど危険なのか身をもって知っているため、近くにあった列車で一泊過ごすことにした。

 

「ホシノは最高だ!かっこいい!私はホシノの相棒だ!」

「も、もう。しつこいよぉ先生。ほら、ヒーローと相棒の質素なご飯にしようよ。...非常食だけど」

「あ、はい」

「急に落ち着かないでよ!!」

 

今日の先生のテンションは異常だ。ジェットコースターみたいに急降下急上昇を繰り返している。なんかもう慣れちゃったなぁ...。

 

「ホシノの相棒は私だー! 他の誰にも譲らないぞーガッハッハ! ...スヤァ」

 

電池が切れたように寝てしまった。先生に毛布を被せる。夜の砂漠は冷えるからね。

先生から距離をとり、腰にあるクジラのポーチを手に取る。

これはパトロール中に先生が買ってくれたものだ。

 

「あ、これ可愛い」

「それが欲しいの?」

「欲しいけど、いいかな」

 

私がポーチをもとの場所に戻そうとすると、先生が横から取ってしまう。そして流れるように会計を済ませて私に渡してきた。理由を聞いたら

 

「ヒーローにマスコットは必要だからね! ホシノは私と違って魅力以外にもステータスがあるから!...私は魅力以外のステータスが1らしいからね」

 

なんか悲しい顔をしながら渡してきたから拒否しようにもできなかった。でもそれ以上に先生からプレゼントされて嬉しい気持ちが自分で思うより強かった。

 

「...こんな変態なのに許せちゃうんだなー。相棒が変態とか実在するんだねー」

 

今日はもう寝よう。私は先生から離れたところで毛布に包まって目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

翌日、依頼人に探し物を渡した。

 

「ありがとうございます! 本当に助かりました!」

「いえいえ、見つかってよかったです」

「こちらはアビドスのタカナシヒーローです。ぜひ応援してください!」

 

寝たら治ると思っていたけどそんなことはなかった。

いや平常運転?

なんか考える面倒になってきたなー。

 

「そして私はタカナシヒーローの相棒です、ぜひ覚えてください!」

「タカナシヒーローはいつまで存在するのでしょうか?」

「うーん。アビドスの問題が解決するまでかな〜」

「なるほど! それでしたら...」

 

依頼人は私と変態を交互に見て

 

「ヒーローと相棒は長い付き合いになりそうですね!応援しています!」

「任せてください!」

「いやそれ、ヒーローの私が言うセリフじゃないの?」

 

でもまぁ、しばらくはヒーローと相棒ってのも悪くないかな。

 

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