生徒達の青春の1ページ   作:バームクーヘン

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ヒナ2(海)

「ごめんね先生。日中のに呼び出して」

「大丈夫じゃなくても大丈夫だから安心して!」

「どういうことなの???」

「ヒナの頼みとあれば仕事を放り出しても、宇宙からでも馳せ参じるよ!」

「仕事を放り出すのはよくないわ。先生としての尊厳を自ら捨てないで」

「ふふ、尊厳など...宇宙から全裸で帰った時に捨てたよ」

「何なのその自信」

 

泣き顔で尊厳を失っても問題ないという先生に浮き輪を渡す。近日中に海で風紀委員会の訓練を行うため下見に来ていた。下見だけなら自分1人で問題ないが、今日先生に来てもらった理由は他にある。

 

「先生はどれくらい泳げるの?」

「最低限は泳げると思うよ」

「そう。なら泳ぎの練習お願いね」

 

私は泳げない。今度の訓練では水中の訓練も含まれる。教える立場である私が泳げないのは色々問題なのだ。

 

泳げないだけなら他の委員...チナツやイオリ...あとはキラキラ部のエリカとキララにもお願いするのだが...

 

「~♩」

「ヒナ? 腕組むの? 周りの人に見られるよ」

「今は風紀委員の格好はしていないから大丈夫よ。ほら、もっとくっついて」

「...顔赤いよ?」

「うるさい」

「か〜わ〜い〜い〜、ヒナちゃん可愛すぎいたたたた!」

「もう揶揄いすぎよ」

 

そんなこんなで泳ぎを教えてもらおうと思ったが、近くで銃声音が響き渡る。

どうやら不良どもがイチャイチャしている一般市民を攻撃しているようだ。

 

先生が止めようとするが、私が待ったと声をかける

 

「ヒナ?」

「止める方法はあるわ」

「銃で殴り合い?」

「いいえ、もっと平和的な方法よ。奴らはカップルがイチャイチャしているところを見てイラついているわ。なら....で解決すると思うけど」

「...何というか、逞しくなったね? 前までのヒナなら絶対出てこない発想だと思うよ」

「証明したいの。風紀委員の空崎ヒナではなく、ただの空崎ヒナとしてどこまでできるのか。そう遠くないうちに風紀委員会から離れる時が来るから...」

「誰の影響を受けたのかな...まぁいいか。でもそれなら私は一切の手加減をしないよ?」

「安心して。私も手加減なしでやるから。じゃあ行きましょ」

 

私たちは不良たちに近づく。彼女たちは罵詈雑言を喚きながら銃口を向けてきたが、気にせず話しかける。

 

「あなたたち、そこで何をしているのかしら?」

「あ? イチャイチャしているカップルを追い払ってんだよ。アタシたちは海に遊びに来たのに目の前でイチャイチャ。イラつかないわけないだろ?」

「「そーだそーだ」」

「そう。それが理由ならあなた達は間違っているわ」

「はぁ?」

「人のイチャイチャを見て攻撃するのは自分が愛されていないと感じるからよ」

「は?何言ってんだこのチビ!」

「本当のイチャイチャを見せてあげるわ」

 

先生にアイコンタクトをする。先生は顔をだらしなく緩めて私の頭をふごぉぉぉと音を出しながら吸いはじめる。

 

不良どもはドン引きしていた。

 

「どう?」

「変態だ!」

「何でそんな冷静なんだ!?」

「愛よ」

「無理があるだろ!」

「この人の顔をよく見てみなさい。どんな顔をしているかしら」

「キモい」

「人間辞めてる」

「こんなのは序盤よ。ここからが本番よ」

 

先生は私の背中に回り込んだ。両腕を私を包みながら、顔と体を前後左右に動かしながら髪を吸い続ける。時々「うへへ」とか「うっは」など歓喜の声をあげている。私は先生の両腕を優しく撫で続けていた。

 

不良どもの顔が真っ青になるが離れる様子がない。

 

「あんた達本当に愛し合っているのか? さっきからその男からしか愛してないだろ。一方通行の愛を見せられても困るんだが?」

「「そーだそーだ」」

「ふふ、安心して。今度は私からよ」

 

私が先生の腕をタップすると、先生は私から離れた。

私は先生の腕を自分の腕に絡ませる。そして足と手も絡ませた。

 

「こいつらヤベェ」

「気持ち悪い...」

「もう面倒だな! いい加減撃つぞこのやろー!」

「あなた達、一度冷静になってみなさい」

「は?」

「ここで私達のイチャイチャを止めたとしても、第二第三の誰かのイチャイチャがあなた達を襲うわ。寝ても覚めても他人のイチャイチャは止まらない。それは私たちが生まれるよりも前から、もっと古くから続いているのだから」

「意味がわからないんだが???」

「誰かと一緒にいる喜びは誰にも止めることができないのよ。例えそれが不良でも真面目でもね」

「...付き合ってらんねー。行こうぜ」

「あ、あぁ」

「あぶねー奴らだ」

 

 

不良どもは去っていった。なぜか絡まれていた一般市民達も離れたが結果オーライだろう。

 

「先生、もういいわ」

「いいやここからだね」

「これまでよ」

「延長戦希望するよ」

「しょうがないわね。泳ぎを教えてくれるなら考えるわ」

 

私たちは腕を組みながら波際に近づいて泳ぎの練習を始めた。

 

先生と一緒にいると楽しいし幸せだ。

 

今回は色々力加減間違えた気がするけど、これから直していけばいいかな。

 

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