今回から俺ガイル編が始まりますがその2かその3で終わる短い話にはなりそうですね
今回は過去の日本ではなく現代日本らしき場所に生まれ変わった今生の俺は、百合ヶ丘蓮という名前であったが、ドラゴンボール式の気の探知で確認してみると、この世界には人外が存在していたりはしないみたいで、普通の世界であるように思えた。
普通の一般家庭に生まれて普通に育ち、普通に幼稚園に入ることになったところで、同じ組になっていた幼女が海老名姫菜という名前であると知り、どこかでその名前を知っていたような気がして、なんとか思い出そうとしている俺の前で、男子と男子が仲良くしている姿を熱心に見ていた海老名さん。
やたらと熱心に見てるな、と海老名さんを観察していると、男子達を見る目線が明らかに邪な海老名さんは、幼女なのに既に腐女子的な目線で男子達を見ているようで「グフッ」と邪悪な笑みを浮かべて楽しそうにしている。
目覚めたわ彼女の中の腐女子が、なんて台詞が思い浮かぶと同時に、そんな腐女子な海老名さんが「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」の登場人物であったことに気付いた俺。
幼稚園の頃からボーイとボーイがラブラブしている妄想をしていそうな海老名さんは、腐ってやがる早すぎたんだ、って感じではあるが、ある意味では将来有望ではあるのかもしれない。
とりあえず海老名さんが暴走して男子達の前で、とんでもないことを口走らないように、定期的に海老名さんが妄想していることを言葉として吐き出させておいて、海老名さんを落ち着かせておくことを繰り返す。
頭の回転は悪くない海老名さんは、腐った妄想が世間一般的にはあまり認められていない趣味嗜好であることを理解することはできたようだが、それはそれとして自身の脳内の腐った妄想を話しても問題ない相手として俺を認識していたようで、俺には遠慮なく様々なことを話してくる海老名さん。
小学校も同じクラスになった俺と海老名さんの関係は変わらず、腐った妄想を俺に吐き出す海老名さんに対し、否定するのではなく的確な指摘をして妄想の内容を若干修正させたりもした俺。
そんな妙な関係は中学に進んでも続き、同じクラスである俺と海老名さんは大体一緒に居ることが多く、男女別で動く必要がある時以外は、常に行動を共にしていた。
中学生になってからは海老名さんの妄想は、ちょっと過激になってきたりもしていて、誰々が受けで攻めかも具体的になっていたりもしたが、何故か長い付き合いの俺だけは腐った掛け算の対象にされたりはしていなかったな。
それなりに長い付き合いではあるが、海老名さんは此方に対してどう思っているんだろうか、なんて思ったりもしたある日、貸してた最遊記の漫画を返してもらいに海老名家に向かうと出迎えてくれた海老名さんのお母さん。
海老名家には不在な海老名さんは現在コンビニに行っているそうだ。
貸してた漫画について説明すると海老名さんのお母さんから「姫菜の部屋入って漫画持ってっちゃっていいから」と許可を得て、海老名さんの部屋に入り、机の上に置いてあった最遊記を持って帰る為に持ち上げると、最遊記の漫画本の下に隠されていた描きかけな自作漫画らしきものがある。
内容は18禁なボーイとボーイがラブラブしている漫画だったが、攻めのキャラデザインが俺に酷似していて名前も蓮であり、女装している受けのキャラデザインが海老名さんで名前も読みが「ひな」であることからすると、もしかしてこれは海老名さんが男体化した自分をイメージして描いてそういうポジションにしているのかもしれない。
いや、うん、これはどうすればいいのかな、とちょっと反応に困ったが、最遊記の漫画を持ち上げた瞬間に、必ず目に入ることになるこの海老名さん自作漫画を、見ていなかったことにするのは無理だろう。
それから海老名さんがコンビニから戻ってくるまで部屋で待ってみたが、数分もしない内に家に戻ってきた海老名さんは俺が部屋に居ると知り、全力疾走で部屋にまで移動してきたが、俺が最遊記の漫画本を抱えていることを確認し、自作漫画を俺に見られたことに即座に気付いて「わああああああっ!?」と悲鳴をあげながら顔を真っ赤にしていた。
「とりあえず「蓮くんのお嫁さんにして」とか描いてあったけど、年齢的にそれはちょっと早いと思うぞ」
「台詞の抜粋はやめて!?」
「他にも、こう、慣らしたりもせずにいきなり挿入するのは負担が大きいというか、普通に裂けたりするんで、いきなり強引なのはよくないからな」
「内容に関するマジな指摘もやめて!?」
「あと海老名さんは、まだ未成年なんだから、18禁な内容の漫画を自作したことを家族に見られると地獄かもしれないから気を付けろよ」
「幼馴染みに見られたこの状況は地獄ではないと言うの!?」
「びっくりはしたし、どんな反応すればいいのかとは思ったけど、俺に悪意を持って描いた訳じゃないのは分かるから、漫画描かれた程度なら別に大丈夫だぞ俺は」
「描いた此方は見られてスッゴく恥ずかしいから気にしないのは無理!?」
その後、顔が真っ赤なまま恥ずかしがっていた海老名さんをなんとか宥めて落ち着かせることに成功したが、そんなことがあった日から海老名さんとの距離が更に縮まっていたのは確かだ。
「突然ですがクイズです。ヘルシングの主人公のアーカードと、ベルセルクの主人公のガッツには共通点がありますが、それは何でしょう」
朝の登校中にクイズを俺に向かって出してきた海老名さん。
敵に容赦ないところ、って答えるのが普通の答えだが、クイズの出題者が海老名さんだから、答えもきっと普通じゃない。
そうなると答えはあれかな、と思った俺は口を開く。
「アーカードとガッツの共通点は、どちらも幼少期にヤられちゃってるところかな」
「正解!」
答えが当たっていたことに満面の笑みを浮かべた海老名さんは、やはり腐っていた。
まあ、海老名さんは腐女子であるのが性に合っているんだろう。
自身を男体化させた存在と幼馴染みの男子で、腐った掛け算をする漫画を自作した海老名さんは、それを幼馴染み本人に見られて物凄く恥ずかしかったようです