成長した弟の悟は小学、中学と通って、中学卒業後から働くつもりではあったようだが、超健康な両親と俺が働いた金があるんで、少なくとも悟を高校から大学までは通わせられるようになっていた鈴木家。
両親や俺からの願いもあり悟は高校に進学して、しっかりと勉強すると、大学の受験に備えたりもしていたようだ。
高校卒業後、大学に入学した悟は将来必要になりそうな勉強もすることにしたようで、就職に向けた準備をしていく悟。
大卒で働くことになった悟は巨大複合企業が潰れた後に台頭した会社に勤めることになるが、そこは元は貧困層だった面々が作った会社であった筈だな。
今では大手の会社になっているその会社は、社員を使い潰すようなブラックな企業ではないんで、弟の悟が働きすぎて身体を壊すことはない。
休日は必ず家で過ごす悟は、外で暇を潰すよりは家でゲームをしている方が好きな子であることは昔から変わらず、今はユグドラシルというゲームをプレイしていることが多い弟はゲーム内で友人もできたようで、オフ会で会わないかとも誘われていたりもしたそうだが、どんな服を着ていけばいいかで迷っていた。
防毒マスクや防護服無しでも外に出られる今は、ファッションを気にする余裕がある世界であるので、様々な衣服が売られていたりもするが、社会人であるなら無難にスーツ一式でいいんじゃないかと考えた俺は、悟に休日でも着れるようなカジュアルなスーツをプレゼントしておく。
俺が定期的にちゃんとした食材で食事を食べさせていることで、健康的な弟の悟は痩せすぎたりやつれたりはしておらず、充分な栄養を摂取していた弟は身長も平均よりは高めであるから、スラッとしたスーツが似合う体型ではあったんで、派手すぎない色合いのカジュアルなスーツは悟に良く似合っていたのは確かだ。
悟が向かったオフ会はそれなりに盛り上がったようで、また集まろうという話になっており、特に仲良くなれた面々とは個人的な連絡先も交換した悟。
ユグドラシルのプレイヤーネームであるぶくぶく茶釜とペロロンチーノという姉弟と、ヘロヘロなんて名の男性に、たっち・みーという警官の人や、ウルベルトと呼ばれる両親が革命に参加していた人などと特に仲良くなれた悟は、鈴木家の自宅に友人を呼ぶこともあった。
気軽に誰かの家に行けるような状態となっている現在の日本は、改善した環境で肥沃な土地も増え、農作業などもできるようになると、富裕層以外にも天然の食材が出回るようになっていたんで、現在は農家として働いている俺が天然の食材を用いたものを弟の友人に提供しても怪しまれることはない。
今回はフライドポテトとハッシュドポテトにイモモチを、この世界で育てたジャガイモを素材に作って悟の友人達に食べさせてみたが「お、美味しい!」と喜んで貰えていたな。
悟の友人達は家族にも食べさせてあげたいと考えていたようなんで、持ち帰り用の分も持たせておき、食べる時は温めるように伝えておくと、俺に感謝して立ち去った悟の友人達。
それから悟の友人と呼べる存在は更に増えていき、最終的には40名位と交遊していた悟は、中々沢山の友人と仲良くできていたが、鈴木家の家族をないがしろにすることだけは絶対にしない弟は、両親や俺と過ごす時間を必ず毎日作っていた。
友人達に俺を紹介する時は「おれの自慢の兄な、真兄さん」と紹介する悟は俺のことを自慢の兄と思ってくれているらしく「モモンガさんはお兄さんのことになると早口になるよね」とも友人達には言われているが、どうやら弟のゲームでのプレイヤーネームはモモンガというらしい。
ユグドラシルというゲームを「真兄さんもやってみない?」と誘ってきた悟が、あまりにも「兄さんと一緒に遊びたい」と頼んできたんで、俺もユグドラシルをプレイしてみることにしたが、異形種ではなく普通の人間を選んでプレイしていくと、オーバーロードな弟に手伝ってもらってゲーム内でのレベリングが順調に進んだ。
ちなみにユグドラシルというゲーム内でアイテムなどを購入してみた結果、何故か【商品購入】で購入可能なものにユグドラシルのアイテムなどが増えていて、ゲーム内のアイテムを現実世界で購入して使うこともできてしまうようになっていたが、これはかなりとんでもないことではあった。
ユグドラシルで課金して得たアイテムなども、金銭を支払っている為か購入したということになり、スキル【商品購入】で望んだアイテムを購入可能になっていた俺。
発展アビリティの幸運が作用しているのか、小額の課金でレアなアイテムをゲットしたりもした俺は、ゲーム内で得たレアなアイテムは、ユグドラシルというゲーム内ではオーバーロードな弟の悟にプレゼントしたりもしておく。
流石に現実世界の悟にユグドラシルのアイテムを【商品購入】で購入して渡したりはしないが、ユグドラシルというゲームを弟と一緒に楽しんで遊んだ俺は、それなりにユグドラシルというゲームにも詳しくはなれていた。
後衛な弟に合わせて前衛で戦えるような職業にしておいた俺は、弟がギルドマスターなギルドには参加することなく、単なる1プレイヤーとしてユグドラシルというゲームで弟の悟と遊んだ。
暇な時間を使ってプレイしたユグドラシルにも終わりが来て、サービス終了日が迫る中、まだゲームをプレイしているプレイヤー達がレアなアイテムをかなり安値で売り出していたりもしたんで、ありがたく購入しておくと【商品購入】で購入できるものが結構増えていたな。
ユグドラシル以外のゲームも友人達と遊び始めている悟は、そこまでユグドラシルと自身のギルドに執着することもなく、ユグドラシルのサービス終了前に俺と一緒にログアウトしていた弟の悟。
ゲーム内のアバターのまま異世界に悟が連れ去られることもなかったが、ユグドラシルをサービス終了日までプレイしていたプレイヤーが突如として消息不明になる事態が発生したりもして、曰く付き扱いされることになったユグドラシルというゲーム。
幸いと言っていいのか、悟の所属していたギルドの友人達は全員無事であり、消息不明になっていなかった友人達に安堵していた悟は「良かった、皆が無事で」と友人達の無事を喜んでいた。
そんなこともあったりしたが、悟がぶくぶく茶釜と呼ばれていた声優として働く女性と結婚したりもして、盛大に祝うことになったが本人達は幸せそうにしていたんで、鈴木家全員も新たな家族を迎えることに抵抗はない。
ぶくぶく茶釜と呼ばれていた女性と悟が結婚した結果、ペロロンチーノことエロゲー好きな義理の弟ができた俺と悟。
新たな家族が増えても家族仲は良好な鈴木家は、家族全員が仲良しではあったんで、義理の家族も居心地は悪くなかったようだ。
その後、家族が更に増えたりもした鈴木家で、俺と悟の両親は孫が成人するまでは生きてくれて、大往生してくれた今生の両親。
長生きした弟の悟とその妻に義理の末弟を看取った俺にも終わりが来たが、今生は家族に恵まれた、と思いながら最期の時を過ごす。
そうして今回の人生も終わったが、次に生まれ変わった世界は、王国、帝国、法国、聖王国、竜王国、評議国などの国が存在する世界であり、どうやらユグドラシルのサービス終了日までログインしていなくても、聞き覚えのある国が存在する異世界に転生することになったらしい。
オーバーロードの現実世界から、今度はオーバーロードのファンタジー世界に転生した主人公になりました