異世界ントム   作:色々残念

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このすば編その3 ゴミ掃除

キャベツが空を飛び、サンマが畑で採れるこの世界は、とても元気な動く野菜が珍しくはない。

 

今日もまたアクセルまでやって来た空飛ぶキャベツを捕獲しようと頑張る冒険者達がおり、キャベツの反撃を受けて地面に崩れ落ちる冒険者も居た。

 

数多のキャベツの突撃をその身で受け止めていきながら、鎧を砕かれようが笑みを絶やさない女クルセイダーに「なんて打たれ強いクルセイダーだ」と驚愕する冒険者達。

 

そしてその女クルセイダーはキャベツから与えられた痛みに、物凄く喜んでいるようだったんで、アレがドMなダクネスで間違いなさそうだな。

 

ドMな変態は見なかったことにしておき、組んでいるパーティーでキャベツを捕獲していった俺達は、結構沢山のキャベツを捕獲することに成功した。

 

大多数のキャベツはギルドに引き渡してエリスに換金したが、5玉程度のキャベツは食べる為に確保しておき、キャベツを沢山使った野菜炒めやロールキャベツに、お好み焼きなどを作って全員で食べておくと良質な経験値を得ることができて、スキルポイントも増えていたのは確かだ。

 

キャベツのおかげで得たスキルポイントでカズマが【変形霊刀】を使用できるようになり、変形可能な霊波刀を使えるようになったカズマだが、俺のように極大の霊波刀にすることは出来ないカズマの霊波刀は、平均的な長さの霊波刀が最大の大きさであり、あまり大きくは出来ないみたいだったな。

 

それでも思考が柔軟なカズマであるなら、変形可能な霊波刀という手札を上手く使うことができるかもしれない。

 

そう考えてカズマに霊波刀を使った戦い方も教えてみたりしたが、器用に霊波刀を様々な形に変化させていたカズマ。

 

余っていたスキルポイントで、アクセルの冒険者達から【弓】や【狙撃】に【千里眼】を教わってスキルを習得していたカズマは、実際の弓を触って使ってみて、形状などをしっかりと確かめた後は霊波刀で弓を作り出すことにも成功していたが、矢だけは自前で用意する必要がありそうだった。

 

それでも壊れないし、いつでも出せる弓を用意できるようになったのは悪いことではないだろう。

 

遊撃役としての役割をカズマがこなせるようになってから、アクセルに危機が迫っていたようだが、今回はデュラハンのベルディアとは違って、俺とめぐみんが原因ではない。

 

この世界には機動要塞デストロイヤーと呼ばれる暴走した移動要塞型の兵器が存在しており、機動要塞デストロイヤーが通った後はアクシズ教徒しか生きていないと言われるほどだ。

 

生き残ってるアクシズ教徒がやたらとしぶといだけで、基本的には動く災害だと判断されている機動要塞デストロイヤーと呼ばれる兵器。

 

移動要塞型の兵器である為に、常に移動している機動要塞デストロイヤーだが、その機動要塞デストロイヤーが動いていた進行方向がアクセルの町がある方向となっており、このままではアクセルの町に機動要塞デストロイヤーが到達するのは間違いないらしい。

 

アクセルの町に機動要塞デストロイヤーが近付いて来ているという非常事態に、急いで避難を選ぼうとするアクセルの人々は多かったが、男性冒険者達だけは「この町にあるあの店を守る為に!」と機動要塞デストロイヤーに立ち向かうことを決めているようだったな。

 

サキュバスサービスの店が無くなると、男性冒険者が性犯罪を起こす可能性が高くなるだろうし、顔見知りが性犯罪で捕まると微妙な気持ちにはなりそうだ。

 

それはいい気分にはならないし、知り合いが被害者や加害者にもならないように、サキュバスサービスの店は残しておいた方がいいだろう。

 

機動要塞デストロイヤーが生きている訳ではない兵器であるなら、自前のスキルでどうにかなると判断した俺。

 

アクセルへと向かって移動していた機動要塞デストロイヤーが、完全にアクセルの町に到達する前に俺から機動要塞デストロイヤーへと近付いていき、多脚で蜘蛛のように動く機動要塞デストロイヤーへと接近した俺は、スキル【廃棄貯力】を用いて、機動要塞デストロイヤーという兵器の全てを廃棄してエネルギーに変換した。

 

巨大な機動要塞デストロイヤーと、エネルギー源として使われていたコロナタイトすらも纏めて【廃棄貯力】で廃棄し、エネルギーに変換したが、凄まじく大量のエネルギーが一気に貯まったのは、廃棄したコロナタイトのおかげかもしれない。

 

流石は無限のエネルギーを宿すというコロナタイトだが、活用法が思い浮かばなかったんで、機動要塞デストロイヤーごと纏めて廃棄してしまったのは、少し勿体無かったかもな。

 

なんてことを思いながらアクセルの町に戻ってきた俺を迎えたのは、アクセルに居る男性冒険者達だったが「ガレッド!あんたこそがアクセルの救世主だ!」と言ってくる男性冒険者達は、機動要塞デストロイヤーが消滅したのが俺の仕業だと気付いていたようだ。

 

「英雄の凱旋だ!」と俺を讃えたり「店を守れた記念のお祝いだぜ!」やら「宴会開こうぜ宴会!」と盛り上がっていたノリがいい男性冒険者達には「ゴミ掃除してきただけだから気にすんな」とだけ言っておいたが、祝いに宴会を開くことは既にアクセルの男性冒険者達には確定事項となっていたらしい。

 

「アクセルを救った英雄に酒を奢らせてくれ!」と言って集まってきた男性冒険者達に「酒は要らんから飯だけ奢ってくれ」と言うと「おう!腹一杯食ってくれ!」と笑っていた男性冒険者達。

 

それから酒場で男性冒険者達から飯を奢ってもらうことになり、盛り上がっていた男性冒険者達による大宴会も始まったが、テーブルを埋め尽くす料理の数々を食べている俺に向かって「我が飢えを満たす贄を捧げてもらいましょうか」と言って近付いてきためぐみん。

 

簡単に言えばお腹空いたからわたしにも食べさせてくださいってことだろうな、と思いながら、めぐみんにも料理を分けていくと、リスのように頬を膨らませながら料理を食べていくめぐみんは、結構腹を空かせていたようだ。

 

一応めぐみんには食事代として5万エリスを渡していたんだが、と考えて「渡したエリスはどうしたんだめぐみん」と聞いてみると「杖を新しくする為に貯金しているんです」と答えためぐみんは、食事代として渡したエリスを貯金に回していて、今日は何も食べていなかったみたいだな。

 

とりあえず物凄く軽い手刀をめぐみんの頭に落としておき「食事はちゃんと食べなさい」と叱っておくことにした。

 

「今沢山食べてるからいいじゃないですか」

 

「1回の食事だけで大量に食べるのは身体にあまり良くないぞ。できれば1日3回食事をした方がいい。ちゃんと成長したいなら栄養も片寄らない方がいいだろうな。後は未成年が酒を飲むのは身体にいい影響が全くないし、酔っ払う可能性が高いから駄目だ」

 

めぐみんの近くに置いてあった酒を遠ざけていく俺に、不満そうな顔を見せためぐみんが口を開く。

 

「ガレッドはお母さんより厳しいですね。お酒はちょっとぐらいなら飲んでもいい筈です」

 

「自己責任で飲んでもいいってことにはなってるが、それで身体に悪影響があったり、酔っ払って何かがあっても、誰も責任を取らないってことでもあるんだぞ。酔っ払った状態で自分の身を守る術がないなら、子どもとはいえ女性が酒を飲むのはオススメしない」

 

忠告も兼ねてめぐみんにそう伝えておいた俺が真剣な顔をしていたからか「そこまでガレッドが言うならやめておきますよ」と素直に頷いためぐみん。

 

飲酒を諦めためぐみんには、しっかりと野菜と肉をバランス良く食べてもらい、栄養面が問題ないように満遍なく様々なものを食べさせておいた。

 

「ガレッドさん!友達で仲間の!友達で仲間のわたしが来ましたよ!」と友達で仲間というところを強調しながら現れたゆんゆんが俺の隣に座ってにこにこしていたんで、とりあえずゆんゆんにも食事を食べさせておくとしよう。

 

めぐみんと競い合うように食事を食べていくゆんゆんだったが、めぐみんの方が沢山食べていたのは間違いなく「今日も勝ち」と、ゆんゆんに対して勝ち誇っていためぐみん。

 

その後、宴会あるところに女神アクアあり、とでも言わんばかりに紛れ込んできた女神アクアが素晴らしい宴会芸を披露して、宴会を盛り上げていたが、それを見たカズマが「あいつはやっぱり宴会芸を司る神様だったのかな」と言っていたりもしたな。




霊波刀を変形させた弓が使えるようになったカズマですが、通常の弓も持ち歩くようにはしているようです
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