異世界ントム   作:色々残念

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今回は思い付いた番外編の話になります
かつてントムとなる前のポケモン世界での話になりますが、4000文字はあるので、いつもよりは長くなりました


番外編 かつての世界の話、ポケモン編

波紋使い兼モンスターマスターとして、ドラゴンクエストモンスターズの世界で寿命まで生き抜いたかと思えば、今度はまた別の世界に俺は生まれ変わっていた。

 

ハトではなくポッポ、ネズミではなくコラッタなど、見覚えのある生物が沢山存在していたこの世界はポケットモンスターの世界で間違いなさそうだ。

 

ポケットモンスター、略してポケモン。

 

様々な種類が存在するポケモンは、この世界では身近な存在であり、人々はポケモンと共に生きている。

 

カントー地方に存在するトキワシティは、そこまで栄えている訳ではないが、マサラタウンほど田舎ではなく、ポケモンを治療してくれるポケモンセンターや、様々な道具が売っているフレンドリーショップもちゃんと存在していた。

 

ド田舎って感じだったマサラタウンからそんなトキワシティに引っ越してきた俺は、前の世界と同じく波紋使いであることは変わっていなかったが、波紋だけではなくポケモン世界の波導も生まれつき使えていて、しっかりと鍛練したことで、今では波導使いと言える存在でもあるな。

 

ド田舎過ぎて娯楽の少ないマサラタウンではやることが無くて、ひたすら波導の鍛練をしていた結果だが、そのおかげで癒しの波導や、視認を必要としない気配の察知、元々高かった身体能力の更なる強化なども可能となっていた俺。

 

ちなみに今生では波紋も波導も使わない素の身体能力だけで、オーキド博士の研究所で暴れていたイワークの突撃を片手で止められたりもする俺は常人からはかけ離れているのは間違いない。

 

もしかしたら伝説のスーパーマサラ人ってやつなのかもしれないが、フィジカルと打たれ強さが並みじゃない俺は、ポケモン相手に戦っても普通に勝てる位には戦闘力が高そうだ。

 

身体能力が高過ぎる上に波紋や波導まで使えたせいで、俺はマサラタウンでは遠巻きにされていて、友人は出来なかったな。

 

それでも前世のモンスターマスターとしての経験があったからか、野生のポケモン達にはかなり好かれていたんで、寂しさを感じる暇がない程にポケモンに囲まれていた俺は、マサラタウンではポケモンと過ごしていることが多かった。

 

ポケモンと触れ合うことは嫌いじゃないんで、マサラタウンから引っ越したとしてもポケモンと触れ合う為に、トキワシティから近いトキワの森に向かうことにした俺。

 

トキワの森は虫ポケモンが多数住み着いている場所であるが、虫ポケモン以外のポケモンが居ないという訳ではない。

 

ピカチュウという電気タイプのポケモンもトキワの森には生息しており、黄色い電気ねずみなピカチュウは外見の可愛らしさから、大多数のポケモントレーナーに好かれることが多いポケモンでもある。

 

そんなピカチュウの群れと遭遇した俺は、群れのボスらしきやたらとデカイピカチュウと目が合った。

 

親分ピカチュウってやつなのかもしれないな、と思いながら片手を上げて挨拶した俺に「ピカ!」と元気に片手を上げて挨拶を返してきたデカイピカチュウ。

 

此方が捕まえようとしていないことを理解している様子のデカイピカチュウは、此方を警戒していたりはしないようだ。

 

その日から、トキワの森に行く度にピカチュウの群れと毎回毎回遭遇した俺は、デカイピカチュウとは顔馴染みのような関係となっていたな。

 

挨拶すれば挨拶を返すような関係だったが、俺が波導の探知で見付けたきのみをピカチュウ達に分けたりもしていると、デカイピカチュウを筆頭に俺を囲むようになったピカチュウの群れ達。

 

ピカチュウ達と仲良くなれたのは良いことかもしれないな、と思いながら、トキワの森で怪我していたポケモンを波紋や癒しの波導で治療したりもしていると、ポケモン達からお礼としてきんのたまなどの換金アイテムを渡されることもあった。

 

とりあえず換金アイテムをフレンドリーショップで売り捌いて現金に変えておいたりもしたが、おかげで小金持ちにもなっていたかもしれない。

 

そうやってトキワの森のポケモン達と触れ合う日々を過ごしていたある日、強力な力を持つ邪悪な存在がトキワの森に降り立ったことを波導で感じ取った俺は、トキワの森のポケモン達が危ないと判断して、迷わずトキワの森へと向かう。

 

強力な電気の技により、焼け焦げたポケモン達が横たわっていたトキワの森で波紋と癒しの波導を用いて、命の灯が消えかけていたポケモン達の治療を行っていった俺は、弱っていたポケモン達を波導で探知しながらトキワの森を進んでいくが、電気の技による被害を受けていたポケモンは非常に多かった。

 

気のいい奴等であるピカチュウの群れは、こんなことをする存在ではないんで、トキワの森に降り立った何かしらの電気タイプのポケモンが、この惨状を引き起こしたのだろうな。

 

大怪我をしていたポケモン達の負傷から確認できた電気技の威力の強さからして、並みのポケモンではないことは確かだ。

 

空から降り立てる電気タイプの強力なポケモンだとすると、飛行と電気の2つのタイプを持つカントーの伝説のポケモンが思い浮かぶが、もし伝説のポケモンであるなら、厄介な相手だろう。

 

そんな俺の予想は正しかったようで、ピカチュウの群れを庇っていた傷だらけな親分ピカチュウを相手に「つばさでうつ」や「つつく」などの飛行技をわざと用いて、なぶるように痛めつけていた伝説のポケモンであるサンダーが居たが、波導で探知した邪悪な気配の持ち主は、このサンダーで間違いない。

 

傷だらけで痛む筈の身体を動かして群れの仲間達を守り続けていた親分ピカチュウを更に傷つけようとしたサンダーへと接近した俺は、波導を纏わせた拳を打ち込んでサンダーを吹き飛ばす。

 

「よく頑張ったな。もう大丈夫だ。後は俺に任せろ」

 

傷だらけな親分ピカチュウに波紋と癒しの波導を流して治療を行い、出血と痛みを和らげていきながら、頭を撫でておくと此方の腹部に顔を埋めて親分ピカチュウは泣き出してしまった。

 

「悪いな、泣き止むまできみを抱きしめてやりたいところだが、あのサンダーは、まだ生きてる」

 

親分ピカチュウから素早く離れて、身構えていた俺に対し、まだまだ元気そうなサンダーが戻ってくると同時に、雷を俺に落としてくる。

 

伝説のポケモンであるサンダーが放つ本気の電気技で、高威力な「かみなり」が直撃し、凄まじい痛みが全身を走るが、この程度で俺はくたばらない。

 

「どうした、こんなもんか?伝説のポケモン様とやらも大したことねぇな」

 

サンダーを相手に挑発の言葉を言い放ち、此方がまだまだ余裕だと見せかけると、明らかにイラついていたサンダーは此方の言葉を理解しているようだ。

 

怒りのままに再び「かみなり」を連続で放ってきたサンダーは「でんじほう」まで連発してきた。

 

波導で探知しても避けられない速度で繰り出される高威力の電気技を、まともに喰らうことになろうが前に出た俺は、サンダーへと近付いていく。

 

電気により身体がダメージを受けていようが、癒しの波導を自身に流し続けて、治療しながらサンダーへと近付く俺が、電気技で中々死なないことに腹立たしい気持ちになったのか「ドリルくちばし」を使い始めたサンダーが回転しながら繰り出してきたくちばしによる攻撃。

 

電気技以外の攻撃速度も並みではないサンダーの「ドリルくちばし」に脇腹を抉られて出血したが、波紋と癒しの波導によって応急処置を行い、血止めをした俺は、目蓋を閉じると波導による探知に身を任せた。

 

危機的な状況で、これまで以上に集中した俺は、波導による探知の精度を更に高めていき、視認が不可能な速度すらも探知する為に波導を高めると、超高速で迫り来るサンダーを探知することに成功。

 

「ドリルくちばし」でドリルの如く回転しながら迫るサンダーのくちばしを、両手で挟み込むように掴んだ俺は、目蓋を見開いて渾身の力を両手に込めると、サンダーが「10まんボルト」で放電して抵抗しようが、容赦なくサンダーのくちばしをへし折った。

 

鈍い音を立ててへし折れたサンダーのくちばしを放り捨てた俺は、くちばしを折られた痛みに悶えたサンダーの頭部へと波導で強化した拳を振り下ろす。

 

並みのポケモンなら頭部が完全に拳大に陥没して死亡していた俺の一撃だが、それすら耐えたサンダーは、伝説のポケモンであるだけあって打たれ強い。

 

此方の打撃が直撃しようが、反撃で「つばさでうつ」を繰り出せる元気があるサンダーの翼が直撃した此方の身体が吹き飛ばされるが、瞬時に体勢を立て直した此方を忌々しそうに見ていたサンダーの身体が、光輝き始めた。

 

恐らくは「ゴッドバード」を放つ前兆といったところだろうが、全身に雷撃を纏わせて帯電までしていたサンダーは「かみなり」を纏いながら「ゴッドバード」を繰り出すつもりのようだ。

 

恐らくはこのサンダーが放てる最強の攻撃で間違いないが、それが来ると解っていても俺の気持ちは落ち着いていた。

 

ただ静かに波紋と波導を高めた俺は、サンダーがこれから放つ最強の一撃を、真正面から上回る為の準備を整えていく。

 

両手の拳を握り、構えた双拳に波紋と波導を集約し、波紋の呼吸を乱すことなく行い続けて、波導と共鳴させていくと、完全に噛み合った波紋と波導の相乗効果により、高まる波紋と波導。

 

ついにサンダーの準備が終わり、放たれた「かみなり」を纏う「ゴッドバード」が此方へと超高速で迫る。

 

凄まじい雷電の一撃へと、双拳を叩き込んだ俺は、拳から「はどうだん」を連発していき、両手合わせて30発もの強力な「はどうだん」を連続で放ったことで、相殺したサンダーの攻撃。

 

大技を放ったことで隙だらけとなったサンダーの頭部を両拳で挟み込んだ俺は、その状態で「はどうだん」を拳から連発していき、サンダーが死ぬまで「はどうだん」を放ち続けた。

 

放電して抵抗していたサンダーの頭部が完全に潰れて死亡したところで、此方も波導を使い過ぎたことで倒れて眠ってしまったが、目覚めた時にはトキワの森で俺が助けたポケモン達に囲まれており、俺が目覚めたことに物凄く喜んでいた親分ピカチュウが飛び付いてきて「ピカピー!」と涙を流していたな。

 

「俺は大丈夫だから、泣くなよ」

 

そう言って親分ピカチュウを撫でておくと、しばらく俺に抱きついて離れなかった親分ピカチュウは、身体が大きくても結構可愛く見えた。




本作主人公が戦った個体のサンダーは、弱いポケモンをなぶり殺すことが趣味である邪悪な性格をしたサンダーだったようです
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